瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『ほんとうにあったおばけの話』(03)

 続き。人名は伏せ字にしたが、フルネームでないものはそのままにした。

 『ついてくるひとだま(ほんとうにあったおばけの話②)』(1990年7月初版第1刷発行・定価971円・146頁)*1
木村和嘉子「ついてくるひとだま」(8〜18頁)……(わたしの直接体験です)昭和二十一年の九月
小沢清子「写真にあらわれた死者」(19〜25頁)
  ……(群馬県碓井松井田町*2在住の■■■子さんの話です)二十年ほどまえ
尾辻紀子「ヒバヤマのおんりょう」(26〜36頁)
  ……(埼玉県川口市郊外の農村地帯につたわる話です)昭和四十九年の正月
大西伝一郎「車にのったゆうれい」(37〜47頁)
  ……(聞き書きですが、人物などはすこしかえてあります)昭和四十年代
古田島由紀子「山あいの赤い灯」(48〜60頁)……(わたしの直接体験です)小学六年生の私
大窪きよ子「てんてつ小屋のふえ」(61〜68頁)
  ……(わたしの直接体験です)わたしがまだ中学生のころ
井上よう子「かなしみのマネキン人形」(69〜79頁)
  ……(友人のけい子さんから聞いた話です)わたしが小学四年生のとき
世良絹子「ゆうれいよ やすらかにねむれ!」(80〜90頁)
  ……(西日本新聞朝日新聞筑後版によります)昭和四十七年三月
平野ますみ茂平のくわ」(91〜103頁)
  ……(静岡県磐田郡水窪町の山おくの過疎の村の老婆の話です)
藤田富美恵「つばきの花よめさん」(104〜113頁)
  ……(わたしの直接体験です)太平洋戦争がおわって五年ほど
森下真理雨の日のおむかえ」(114〜122頁)
  ……(飯能市在住の■■■子さんからの聞き書きです)
北川幸比古「亡霊がよぶ海」(123〜132頁)
  ……(■■■■さんの話です)昭和三十年七月二十八日
市川栄一「恐怖の十三階段」(133〜141頁)
  ……(先ぱいの斎藤さんからの聞き書きです)昭和のはじめ

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 ここで、装幀その他について、少しずつ記しておく。まずは各巻のカバー表紙折返しにある「『ほんとうにあったおばけの話』刊行にあたって」を引用してみよう(縦組み)。

いつの時代にもおばけの話がなくなることはありません。人の死/をいたみかなしむという、人として当然の気持ちが失われないか/ぎり、つねに新しいおばけの話が生まれ、信じられ、語りつがれ/ていきます。
「おばけの話はその時代や社会のありようを映す鏡。昭和以降の/ほんとうにあったおばけの話をあつめて、子どもたちに手渡そう。/現代の民話として読んでもらおう」
わたしたちはこうかんがえて編集にあたり、読みごたえのあるシ/リーズを刊行することができました。一話一話にこめられたメッ/セージが、子どもたちの心に届きますようにとねがっています。


 最後に「日本児童文学者協会/『ほんとうにあったおばけの話』編集委員会」とある。この文の上にはイラストがあって、①は女の子(紫色)が震えている上で蝙蝠が2羽(黒)飛び、②はチューリップの花が3本、③は蔦の絡まる窓の向こう、カーテンをまくる青い手、④(紫色)は丸い石の板の上に髪の毛をメドゥーサのように振り乱した白骨化しかけた首、⑤(水色)は水彩の騙し絵のようないびつな顔。
 8月21日付にも触れたように「骨しゃぶり」は「明治末の怪談」だから「昭和以降の」という条件に適合していないが、他は大体この条件で揃えているようである。

*1:2018年12月13日追記】投稿時に表示出来なかった書影を補った。

*2:正しくは「碓氷郡」。現在は安中市