瑣事加減

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鎌倉の案内書(14)

 2011年12月20日付「塩嘗地蔵(047)」で紹介した湯本和夫『鎌倉謎とき散歩』のビジュアルガイド版というのを見た。版元は同じ廣済堂出版並製本、21.0×12.8cm。
・『ビジュアルガイド版 鎌倉謎とき散歩』2007年4月1日第1版第1刷・定価1500円・160頁

鎌倉謎とき散歩―ビジュアルガイド版

鎌倉謎とき散歩―ビジュアルガイド版

・『改訂版 ビジュアルガイド 鎌倉謎とき散歩』2010年11月1日第1版第1刷・定価800円・160頁
ビジュアルガイド 鎌倉謎とき散歩 改訂版

ビジュアルガイド 鎌倉謎とき散歩 改訂版

 以下、初版と改訂版の違っているところを挙げて見る。
 まず、表紙見返しと1頁(頁付なし)見開き地図「鎌倉謎とき散歩MAP 鎌倉全体」の見返しに、橙色の点線でルートを示し、同じ色のやや大きな明朝体で「天園ハイキングコースP116」が記入されていたのが、改訂版では点線でルートを示さず黒の明朝体で「天園ハイキングコース」と示すのみとなっている。
 2〜3頁(頁付なし)見開き地図「鎌倉謎とき散歩MAP 鎌倉駅周辺」及び4〜5頁(頁付なし)見開き地図「鎌倉謎とき散歩MAP 北鎌倉」の2・3・4頁の「天園ハイキングコースP116」についても、同様に改められている。他は違っていないようだ。
 7頁まで地図、8〜16頁が口絵写真の中村太郎「鎌倉花ごよみ」でここまでカラー。特に改変はないようである。
 17頁が扉で、初版は表紙のイラストを単色で印刷し、配置は異なるものの表紙と同じ標題等が入る。改訂版も標題など表紙と同じものが入るが、紫陽花の写真になっている。ここまで頁付はない。
 18〜19頁「はじめに」は同文で、最後の著者名の上に「平成十九年早春」とあったのが改訂版では削除されている。
 20〜21頁(頁付なし)「目次」はかなりレイアウトを変えている。「鎌倉駅周辺」が第一話から第三話、「北鎌倉」が第四話から第七話、「江ノ電沿線」が第八話から第十話で、初版は「第一話 鶴岡八幡宮 26」主題の寺社名のみだったのが、改訂版では「第一話 〈源頼朝の妻・政子が/源平池に託した願いとは〉――鶴岡八幡宮 26」の如く『謎とき』らしく「〜とは」という題を新たに加えている。これは本文の方も同様で、初版は26頁は大きく「鎌倉幕府の守り神鶴岡八幡宮」との題だったのが、改訂版では目次と同じく大きく2行の題が入り、その下に「――鶴岡八幡宮」とある。21頁下にあった囲み「食べ歩き・手みやげ情報」は「おいしい名店案内」と改題され20頁下に移されているが、内容は一致している。
 22〜24頁「アクセス情報」。22頁以下の本文は2段組。1段14行、21字。
 印刷は、17〜24頁は紺色、25〜64頁「鎌倉駅周辺」は赤紫色、65〜120頁「北鎌倉」は青緑色、121〜155頁「江ノ電周辺」と156〜157頁「古寺歩き豆知識」158頁(頁付なし)「■図版をご提供くださった方々/■主要参考資料」、159頁(頁付なし)奥付、160頁「鎌倉駅発の主なバス路線/江ノ電運賃表」は初版は黒、改訂版は焦茶色の、それぞれ単色である。
 目次を見るに、違っているのは116〜117頁「足をのばせば――天園ハイキングコース」が改訂版では「足をのばせば――北鎌倉古民家めぐり」に差し替えられている。このため見開き地図が改変された訳である。
 奥付、著者/「食べ歩き・手みやげ情報」文・イラスト/「鎌倉花ごよみ」写真/装画・本文挿し絵、の4者の紹介があるが、改訂版では「装画・本文挿し絵」の紹介がなくなっている。装画は書影を見ても分かるように差し替えられているが、本文の挿絵は差し替えはないので、名前がなくなったのではない。紹介がなくなっただけで「本文挿し絵」として名前のみ挙がっている。それから「「食べ歩き・手みやげ情報」文・イラスト」の「楽食組(らくしょくぐみ)」の紹介内容が違っている。
 改訂版の紹介文に見える楽食組の本をここに挙げて置く。
かまくら楽食日記 特盛

かまくら楽食日記 特盛

 裏表紙、改訂版は木版の鎌倉図(江戸時代?)の円覚寺附近を載せているが、初版では「史都の知られざる謎に迫る」として、鶴岡八幡宮海蔵寺東慶寺建長寺・大仏様について、「鶴岡八幡宮のどこで静御前は舞ったのか?」のような煽り文句があり、さらに緑の吹き出しに白抜きで「境内見取り図や図解も満載!」とあった。
 細かく見ていくともっと違っているところがあるかも知れないが、ぱっと見で気付くのはこのくらいである。
 材木座や十二所の辺りは取り上げられていない。(以下続稿)