小泉八雲の文庫本も各社から出ていて、古くは平井呈一訳の岩波文庫、近年では講談社学術文庫の「小泉八雲名作選集」があるが、ここでは新潮文庫を見てみたい*1。
・新潮文庫2202『小泉八雲集』
①昭和五十年三月十五日発行(407頁)
・昭和五十一年三月五日二刷*2 ¥280
・昭和六十一年七月十五日二十一刷 定価440円
・昭和六十二年十二月五日二十四刷 定価440円*3
・昭和六十三年五月十五日二十五刷 定価440円*4
②平成六年六月二十日三十五刷改版(421頁)
・平成九年十一月二十日三十九刷 定価552円*5
・平成十六年九月二十日四十六刷 定価590円
・平成十七年一月三十日四十七刷 定価590円*6
・平成十八年十月十五日四十九刷 定価590円*7
・平成二十年八月五日五十二刷 定価590円
- 作者: 小泉八雲,上田和夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1975/03/18
- メディア: 文庫
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カバー表紙折返しに右下に「カバー 川田幹」とある。近年新しいカバーに差し替えられているが、長らく新潮文庫の森鴎外作品のカバー装画は川田氏のものだった。昭和50年(1975)の本書初刊時も川田氏のカバーだったのだろう。
カバー表紙・表紙折返しの著者・訳者の紹介、背表紙、そして裏表紙の紹介文や定価なども一致しているが、少し違うところがある。まず、カバー裏表紙のISBNコードが10桁から13桁になり、文字が少し小さくなっていること、それから、カバー裏表紙折返しにある、2月10日付「中島敦の文庫本(13)」で触れた「新潮文庫 日本の近代文学」の目録の書目に異同がある。
四十六刷のものは『李陵・山月記』六十五刷(平成十六年九月二十五日)のものに一致する。28人28点で、25番めにあった「火野葦平 土と兵隊・麦と兵隊」が『李陵・山月記』六十六刷(平成十七年五月五日)ではなくなって、27人27点になっている。本書は11番めに見える。
五十二刷のものは『李陵・山月記』七十七刷(平成二十一年七月三十日)のものに似ており29人29点だが、15番め「高橋和巳 悲の器」があり、「梅崎春生 桜島・日の果て」がない。従って本書は11番めに見えている。
さて、二十一刷のカバーだが、オンライン古書店「胡蝶堂」の目録に書影が出ていた。表紙の文字は横組みで、最上部の赤い短冊状に白抜き丸ゴシック体で「“青春アニメ全集”原作シリーズ」とあり、その下に大きく白抜き・明朝体で「怪談」、その下に小さく「〈小泉八雲集〉改題」そしてクリーム色で「小泉八雲」とある。下部に黒で「新潮文庫」。鎧武者に手を引かれて暗い森の中を歩く、琵琶を背にした芳一の姿。背表紙は「怪談〈小泉八雲集〉改題 上田和夫訳」と上部にあって、下部に[こ 1 1]の分類番号があるがその下は図書館の分類票で読めず、最下部に「440」と定価が入っている。カバー裏表紙は最上部と中央部に横線が入る。右上に説明文があるがこれは四十六刷のものとは違う。中央の横線の下に10桁のISBNコードと定価などが一列に並ぶが、こちらは定価が違う他は四十六刷と同じである。バーコードはない。その下に葡萄のマーク。カバー裏表紙折返しは「新潮社の辞典! 」として「新潮世界美術辞典/新潮現代国語辞典/〈新装/改訂〉新潮国語辞典〈現代語/古 語〉」の広告で、左下に小さく「カバー印刷 錦明印刷」とあって四十六刷と違って「デザイン 新潮社装幀室」の文字は見えない。
以下、カバー表紙折返しと内容について、見て行くことにする。(以下続稿)