瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『人間失格』の文庫本(10)

ぶんか社文庫
 2月13日付で取り上げたぶんか社文庫版『坊っちゃん』と同じシリーズは、その後何冊も出ているのだけれども、最初に刊行されたのは3冊で『坊っちゃん』の他に、6月4日付で見た『風立ちぬ』、そしてモデルが前田敦子の『人間失格』である*1

人間失格 (ぶんか社文庫)

人間失格 (ぶんか社文庫)

2009年7月1日初版第一刷発行・2010年9月20日第三刷発行・定価457円・199頁。
 カバー表紙の写真は、北区立中央図書館に併設の喫茶室「アトリエ・ド・リーブ」の外に置かれたテーブルで、真っ白い本から目を浮かせてじっと考え込む前田氏。カバー裏表紙の写真は、同じテーブルに組んだ腕をべったり付けて顎を付き、遠くを眺める前田氏。
 口絵があり、表の頁は北区立中央図書館の赤煉瓦の外観を背景に、カバーのテーブルの数m北にある比高1mくらいの小さな草山の上を真っ白い本を手に歩く(?)前田氏。裏の頁、北向きの北区立中央図書館の正面出入口を出るとまばらに草の生えた広場になっているが、その東側、右手にある階段の脇の同心円状に段々になっているところに腰を下ろして真っ白い本を手に首を傾げてどこかを見る前田氏。広場で遊んでいる子供を見ているという設定か。
 扉(1頁)は横組みで標題と著者名と文庫名、2頁は白紙、中扉(3頁)は縦組みで標題のみ、4頁も白紙、5頁から本文で頁付がある。1頁14行、1行33字。文字は黒ではなく紺色(blue-brack)である。目次はないので章の冒頭の位置を挙げておくと5頁「はしがき」10頁「第一の手記」31頁「第二の手記」98頁「第三の手記」一(98〜146頁)二(147〜188頁)189頁「あとがき」で本文は194頁まで。195〜199頁「語注」は1頁21行で、殆ど1行の注(3項のみ2行)が86項。頁付があるのはここまでで、次の頁、下部にある2行の編集上の注記は『坊っちゃん』『風立ちぬ』に同じ、その裏に「初出 「人間失格」一九四八年(昭和二十三年)六月〜八月「展望」」とある。
 次の頁の下部には横組みで「■モデル/■撮影/■撮影アシスタント/■スタイリスト/■ヘアメイク/■撮影協力」、モデルの名が前田氏である以外は『坊っちゃん』『風立ちぬ』に同じ。解説類は全くない。
 その次に奥付、その裏から1頁に4題、合計20題のぶんか社文庫(とは書いていないが)の目録がある。4頁めまでは『坊っちゃん』と一致、もう1頁ある。
 Amazon詳細ページのなか見!検索で、背表紙を除くカバーと本文の若干の頁、それから「2009年7月1日初版第一刷発行」などとある奥付を見ることが出来る。

*1:当初「太宰治人間失格』の文庫本(03)」と題して準備していたのだが、随分後回しになってしまった。