- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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ぶんか社文庫がAKBをカバーや口絵の写真モデルに起用してのシリーズは、まず平成21年(2009)7月1日初版第一刷発行の3冊については、既に取り上げた。2月13日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(01)」・6月4日付「堀辰雄『風立ちぬ』の文庫本(1)」・7月17日付「太宰治『人間失格』の文庫本(10)」で取り上げた。
この3冊に続いて、今度は太宰治の3冊が刊行された。今回取り上げる『斜陽』と、『ヴィヨンの妻』『パンドラの匣』である。
初めの3冊は初夏の北区立中央図書館などで撮影されていた。これについては既にどこで撮影したものだか現地確認もしたのだが、この3冊は違っている。
さて、カバーと奥付(初版第一刷)と若干の頁はAmazon詳細ページのなか見!検索で確認できる。
カバー表紙折返し、上部の単郭内、上に「■太宰 治 | だざいおさむ」下に「モデル 板野知美 | いたのともみ」の、それぞれ6行・7行(横組み1行18字)の紹介文、太宰の紹介文は7月17日付で見た『人間失格』のものと同文。
カバー裏表紙折返し、上部に「ぶんか社文庫 好評既刊」として、「■人間失格 太宰 治/■人間失格 太宰 治/■斜陽 太宰 治/■ヴィヨンの妻 太宰 治/■パンドラの匣 太宰 治/■坊っちゃん 夏目漱石/■風立ちぬ 堀 辰雄」と、最初の3冊のときと枠の大きさは同じながら、3冊が追加された目録があり、下部に奥付、これは書名が「斜陽」に変わっただけで『人間失格』のものと一致。
口絵の表は庭に面した廊下に立つ板野氏、裏は畳の上に俯せで寝転ぶ板野氏、前者は流し目、後者は上目遣いで、ともに家鴨口である。昨年の4月、初めて実演に接した春風亭小朝が「最近の流行は家鴨口なんでございますよ」と言って、「あっ、きゅっ」と言えば家鴨口が作れる、と3度ばかり繰り返して家鴨口の作り方を教えてくれたのを思い出す。真似したことはないけど。まぁオッサンのやるこっちゃなし。
で、くどいようだが、8月14日付(11)で言及した「かず子巨乳説」だが、9月2日付(14)に佐藤江梨子には合ってるんだろうと書いたが、板野氏が当たってるんだかどうだか知らない。やっぱりAKBには付いて行けていない。
1頁(頁付なし)扉は横組みで標題と著者名と文庫名、3頁(頁付なし)中扉は縦組みで標題のみ、2・4頁は白紙、5頁から本文で頁付がある。1頁14行、1行33字。大きさは14.8×10.5cmで、本文は10.7×8.1cmに組まれており、余白が多く圧迫感は覚えない。本文は255頁までで256〜264頁「語注」は1頁21行で、稀に2行に及ぶ(13項)が殆ど1行で、行頭に頁数を算用数字で示し、次にゴシック体で注の対象となった語、その下に説明がある。全部で164項。頁付があるのはここまでで、次の頁は下部に小さく2行で
漢字・仮名・フリガナ等の表記は、弊社にて改訂しております。
本文中に、現代では不当・不適切と思われる語句や表現がありますが、/作品発表時の時代背景、そして文学性を考え、原文のままとしました。
とある。太い灰色にしたところが最初の3冊と変わっている箇所。その裏に「初出 「斜陽」一九四七年(昭和二十二年)七月〜十月「新潮」」とある。
次の頁の下部には横組みで「■モデル/■撮影/■撮影アシスタント/■スタイリスト/■STアシスタント/■ヘアメイク/■衣装協力/■撮影協力」が列挙される。太字にしたところは初めの3冊に同じ。撮影者の名前はカバー表紙折返しの右下にも横組みで小さく「カバー写真撮影:川島昭樹」と見えていた。「■撮影協力」だが、板野氏の所属事務所と、「神楽坂 助六/花工房AVALON」が挙がる。前者は和装小物、後者は花屋で、撮影場所の情報はないらしい。
その次に奥付、最後の4頁が、上部に横組みで「――ぶんか社文庫好評既刊――」と題して、縦組みで縦線で仕切りながら1頁に4点ずつ紹介、1頁めから2頁めの1つめまでは、カバー裏表紙折返しの6点のうち本書を除く5点、それから遠藤周作の4点が並ぶがこれは『人間失格』では1頁めに並んでいたもの。3頁めの2つめ以下は『人間失格』にあったものと一致しない。
以上本体の文字は全て紺色(blue-black)で印刷されているのは『人間失格』に同じ。