瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(1)

 角川文庫の『二十四の瞳』について、角川文庫2094と角川文庫14733とを比較する機会があったので、少しずつメモを取って行くこととしたい。
・角川文庫2094(1)
・昭和三十六年九月三十日初版発行(220頁)*1
・昭和六十一年十月二十五日五十八版発行(220頁)*2定価262円
 本書のカバーだが、複数ある。私は中学1年生のときにこの角川文庫の『二十四の瞳』を買って読んだのだが、背景が橙色地の、版画風の絵だった記憶がある。この書影はネットで画像検索しても出て来ない。角川書店HPにある書影も、いつのものだが分からないがネットの画像検索では出て来ない。それから、Amazon詳細ページにある角川文庫クラシックスレーベルの表紙*3、そして今手許にある五十八版の「カバー 大橋 歩」と、少なくとも4種類のカバーが存在した。出来れば違うカバーと比較しつつ述べて見たいのだが、まずは改版との比較をすることにする。
 五十八版のカバーもネットでの画像検索では出て来ない。手前に白いブラウスの若い女性の胸から上が大きく描かれている。首が長く頭を右に傾げ、唇は口紅を塗ったように鮮やかで、頬は赤い。目は切れ長で瞳は右に寄っている。頭髪は真ん中で分けて、後ろで結わえている。結髪は癖毛というか狸の尻尾のようにふわっと広がっている。そして背後、少し離れた砂丘(?)の上、女性の顔の右に6人、左に4人の小さな粘土細工のような人影。その向こうは雲もない青空。文字は縦組みで右上に黄色でやや大きく標題、左上に灰色ゴシック体で「壺井 栄」、左下に小さいゴシック体で「角川文庫」。
 カバー背表紙、淡い桃色地らしい。上部に「つ|1-1 二十四の瞳」中央やや下に「壺井 栄  緑113-8」下部に「角川文庫270」●の中に白抜き「P」、数字はいづれも縦。
 カバー裏表紙、上部に10桁のISBNコード・Cコードに「P270E 定価270円」で定価の下にやや小さく(本体262円)とある。昭和61年(1986)ではまだ消費税はなかったので、平成になってから消費税込みの価格表示をしたカバーにかけかえられたものと思われる。とにかく角川文庫クラシックス以前のものである。
 カバー裏表紙折返しは左下に小さく「カバー 旭印刷」右下にKBマーク。カバー表紙折返しは上部に横組みで「二十四の瞳」として10行(1行16行)の紹介文、下部に「月刊カドカワ」の広告、右下に「カバー 大橋歩」。(以下続稿)

*1:2013年1月13日追記】初版は220頁ではなかったので削除。

*2:2013年1月13日追記】削除した(220頁)をここに移した。【2013年1月14日追記】五十八刷と誤記していたのを五十八版と修正した。以下2箇所も同じく修正。

*3:2017年6月6日追記】今確認するに「角川書店HPにある書影」は投稿当時のままらしいが「Amazon詳細ページ」の書影は「角川書店HPにある書影」に変わっている。