・新潮文庫99(3)
①と②の比較。
1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)中扉、5頁から本文、章番号は2行取り5字下げ明朝体、「一」の前のみ1行分空白。①は597頁まで、1頁18行、1行41字。②は651頁まで、1頁17行、1行39字。
紅野敏郎「注解」は①598〜618頁②652〜677頁、①は通し番号で(三六一)まで、1頁22行、1行46字。②は1頁18行、1行43字、「五五一 *」のように、頁数に注の数だけ*を並べる。
いくつか気になった注を挙げてみる。②の656頁、①601頁の(六〇)も同文。
五八 *ウーロン茶 台湾や中国の福建省より産する紅茶の一種。
これは如何にも古めかしい注で、この紅野氏「注解」は2冊本時代に附されたらしく思われる。
ただ、昭和62年(1987)の①にこの注があるのは、まぁ良いとして、もう十分普及した現在「紅茶の一種」などという注を②改版で省かなかったのは如何なものか。もちろん、普及する前はこう説明するより他なかったのだろうけれども。
私は、烏龍茶は好きではないのだが、飲み屋に行ってジュースばかり飲む訳にも行かぬので、2杯くらいは飲む。温かいのが飲みたいのだが、ないから冷たいのを飲む。だから最後に湯飲みに緑茶が出るとほっとする。しかしあれを飲まないのがいるので、引き受けて飲む。――私は未だにお茶を自動販売機で買おうという発想がないので、麦茶も沸かしているし緑茶は歯医者で喫煙者と間違われるくらい飲んでいるが、自販機ではジュースを買う。伊藤園HPの「伊藤園のウーロン茶の歴史」によると、私の小学生の頃から烏龍茶は飲まれているようだが、伊藤園の缶も見たことはあるが、伊武雅刀(?)の「烏龍茶は、サントリーのこと」の方を覚えている。上京直後に、試供品の350ml缶を貰ったこともあった。その頃のテレビCM。
CMの内容まで覚えていないが「福建省茶葉分公司推奨」くらいは記憶に残っている。
六四 *手品(ルビ「てづま」) 「手品(ルビ「てじな」)」と同じ。
これは②657頁に新たに加えられた注で、①59頁9頁(ルビ「てずま」)には注はなかった。手妻とはとんと聞かない言葉だが「てづま」と読ませているが「手品」と書いてあるのだから分かると思ったのだろう。
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