瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治の文庫本(23).

 昨日の冒頭に断ったように、2016年9月2日付(21)に続いて(22)と(23)も、2016年9月2日から3日に掛けて準備していたのだが、何故か投稿しないでそのままにしていた。やはり理由を思い出せないのだが、出来上がっているのでこれも全く手を加えずに投稿して置く。

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・角川文庫5414『風の又三郎』(2)
 昨日の続きで、本体について。
 1頁(頁付なし)扉は、数字が違うだけで角川文庫7381(168頁)の初版に同じ。
 3〜4頁「目次」、3頁はまず3行取り1字下げで一回り大きく「目 次」とあり、以下14作品が並び、下部に半角漢数字で頁が入る。4頁には2作品あって1行分空白、1字下げでやや小さく「注 釈/解 説/主要参考文献/年 譜」が並び、前2者の下に「堀 尾  青 史」、後2者の下に「奥  田  弘」とあり、それぞれの下、2字分空けて半角漢数字で頁。最後に堀尾氏や奥田氏と同じ高さで「影 絵  藤 城  清 治」とある。
 5頁から本文、題は1字下げで一回り大きく、右に1行分、左に2行分空白を取る。1頁17行、1行41字。
 以下に細目を示す。振仮名は目次も本文も同じ。角川文庫7381『風の又三郎』に収録されなかった作品を灰色太字にして示した。また、藤城氏の影絵(白黒)の位置を示した。影絵は角川文庫7381(168頁)にも同じものが収録されているが、刷りは角川文庫7381が十七刷でも鮮明であるのに対し、角川文庫5414は四刷でもかなり白く掠れて見える。それから279〜286頁「注釈」の該当箇所も挙げた。
風の又三郎」5〜63頁12行め、影絵35頁、カバー表紙に似るが少し異なる。注釈279頁2行め〜280頁1行め。
「とっこべとら子」64〜71頁10行め。
紫紺染について*1」72〜80頁10行め、注釈280頁2〜4行め。
「祭の晩」81〜88頁5行め、注釈280頁5〜7行め。
「なめとこ山の熊*2」89〜102頁15行め、影絵91頁、注釈280頁8行め〜281頁17行め。
「土神と狐*3」103〜120頁16行め、注釈281頁18行め〜282頁5行め。
「虔十公園林*4」121〜131頁16行め、影絵129頁、注釈282頁6〜9行め。
「化物丁場*5」132〜141頁13行め、注釈282頁10行め〜283頁4行め。
耕耘部の時計*6」142〜149頁17行め、注釈283頁5〜8行め。
毒もみのすきな署長さん」150〜156頁13行め、注釈283頁9行め。
税務署長の冒険」157〜188頁10行め、注釈283頁10〜12行め。
「ガドルフの百合」189〜198頁15行め、影絵191頁、注釈283頁13〜19行め。
マグノリアの木」199〜205頁5行め、注釈283頁20行め〜284頁11行め。
インドラの網」206〜214頁4行め、影絵211頁、注釈284頁12行め〜285頁14行め。
学者アラムハラドの見た着物」215〜225頁1行め、注釈285頁15〜19行め。
ビジテリアン大祭226〜278頁9行め、注釈285頁20行め〜286頁19行め。
 9篇が引き継がれ、7篇が省かれているが、配列は同じである。「注釈」は20行で、279頁、1字下げで一回り大きく「注 釈」、右に1行分、左に2行分空白を取る。286頁20行めに下詰めで「(堀 尾 青 史) 」とある。角川文庫7381(168頁)149〜153頁に省略された作品の分を除きそのまま引き継がれているが「注 釈」0.5字下げ、21行。
 287〜293頁9行め「解説」、287頁は3行取り1字下げで一回り大きく「解 説」、次に下寄せでやや大きく「堀 尾 青 史  」1行分空白で本文。これも角川文庫7381(168頁)154〜158頁」にそのまま引き継がれているが、省略された作品に関係する部分を削除している。なお、この改訂は堀尾青史(1914.3.22〜1991.11.6)の生前に行われている。以下、角川文庫7381(168頁)にて削除されている箇所を指摘して置こう。行数は同じだが1行字数が異なる。
・288頁12行め「 「紫紺染について」「祭の晩」の山男は‥‥」→155頁12行め「 「祭の晩」の山男は‥‥」。
・290頁6行めと12行め、7字下げの「*」に挟まれて、7〜9行め「化物丁場」、10〜11行め「耕耘部の時計」が解説されるが、角川文庫7381(168頁)には157頁6〜7行め「化物丁場」のみとなっている。続く291頁6行め、7字下げの「*」まで、290頁13〜17行め「毒もみの好きな署長さん」291頁1〜5行め「税務署長の冒険」についての解説はまるまる削除。
・292頁3〜5行め「インドラの網」6〜9行め「学者アラムハラドの見た着物」についての解説も削除。10行めの「*」は角川文庫7381(168頁)158頁5行めに存するが、続く11〜14行め「ビジテリアン大祭」についての解説も削除。
 294〜299頁「主要参考文献/――主として童話を中心に――」は、角川文庫1735『銀河鉄道の夜』改版四十四版の259〜264頁に一致。
 300〜309頁「年 譜」は、角川文庫1735『銀河鉄道の夜』改版四十四版の265〜274頁に一致。
 1頁白紙があって奥付。
 奥付も角川文庫1735『銀河鉄道の夜』改版四十四版と同じレイアウトで、子持枠の中の横組みに振仮名「かぜ・またさぶろう/みやざわけんじ」。下半分の縦組み部分は角川文庫1735『銀河鉄道の夜』改版四十四版に殆ど同じで、発行日2行と「製本所――千曲堂製本」、匡郭下辺右寄りのISBNコードが異なるのみ。
 奥付の裏は角川源義「角川文庫発刊に際して」。
 最後に目録が8頁、「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1984年7月」の(2)〜(7)頁と、1頁10点の「角川文庫 最新刊」が(49)頁と(50)頁。

*1:ルビ「しこんぞめ」。

*2:ルビ「くま」。

*3:ルビ「きつね」。

*4:ルビ「けんじゆう」。

*5:ルビ「ばけものちようば」。

*6:ルビ「こううんぶ」。