・角川文庫1398(2)
それにしても、六十八刷が昭和59年(1984)6月に出て、七十八刷が昭和63年(1988)7月、4年で10刷を重ねている訳だが、これは天野喜孝(1952.3.26生)のカバーの効果であろう。天野氏の絵を愛好している友人がいて、この頃いろいろと見せられたものだが、もう記憶が薄れてしまった。
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さて、六十八版のカバーだが基本的に白地で、表紙は上部2.7cmが白地に横組み・明朝体で、左上に大きく「怪談・奇談」その右に「ラフカディオ・ハーン/田 代 三 千 稔 訳」右下に「角川文庫」とある。残りは『餓鬼草子』の、川辺で餓鬼が3人水を飲もうとしたら燃え上がって炎に包まれてしまう場面。正直、本書の内容とは無関係。画像検索するといくつか上がってくる。
カバー背表紙、上部に明朝体で標題、中央やや下に「ラフカディオ・ハーン」2字くらい空けてゴシック体で「角川文庫」1字空けてやや小さいゴシック体で「赤一二〇1 300」斜体はゴシックではない。
カバー表紙折返し、下部に「日本初の文庫版冒険雑誌」の「月刊小説王」の広告。カバー装画の説明はない。
カバー裏表紙折返し、右下にKBマーク、左下に小さく「カバー 暁美術印刷」とある。
カバー裏表紙、下部に1行でISBNコードとCコード(これは七十八版に同じ)そして「\300 定価300円」とある。
この六十八刷は中学時代に買った本で、だからカバーが外せるので、外して本体を見るに、本体表紙は既に朱色を漉き混んだ厚紙になっているが、表紙は扉と同じ子持ち枠(上部に標題/著者/訳者、下部に鳳凰のマークに「角川文庫 1398」)、背表紙は上部に「||怪談・奇談」下部に「ラフカディオ・ハーン/田代三千稔=訳」と割書、少し空けてその下に丸ゴシックで「角川文庫」鳳凰のマーク、最下部に「1398||」とある。表紙と裏表紙は細かい横線による雲らしきものの銅版画風のデザイン。印刷は全て紅色。
この本体表紙のデザインは今でも同じらしいので、上手く説明出来ないのにする必要はなかった。(以下続稿)