瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

白馬岳の雪女(59)

・橘正典『雪女の悲しみラフカディオ・ハーン『怪談』考―平成5年10月15日 印刷・平成5年10月20日 発行・定価2,427円・国書刊行会・206頁・四六判上製本

 8月22日付(26)に、遠田勝『〈転生〉する物語――小泉八雲「怪談」の世界にリストアップされている、白馬岳の雪女伝説の文献8点について、初めて指摘した先行研究を挙げて行ったのだが、7『越中の民話』については「富山大学附属図書館報」を挙げて「他にも、もっと早くに、気付いている人がいるかも知れない」と断って置いたのだが、うっかりしていて、牧野陽子「「雪女」の〝伝承〟をめぐって―口碑と文学作品―」に、より早い文献が紹介されていたのを拾うのを忘れていた。すなわち、9月5日付(38)に、当ブログでは仮に「牧野氏の新稿」と呼んでいるこの論文の初出、111頁3~11行めを引用したが、その最後に(やや煩雑になるが、事実として列記しておきたい。)として6名の著書・論文を紹介している。その最初に本書について、

 たとえば、橘正典は、『雪女の悲しみラフカディオ・ハーン「怪談」考(5)』のなかで 雪女にまつわる昔話の/代表的なものを『日本昔話通観』(同朋社)から拾い出しており、『越中の民話』『信濃の民話(6)』に収められた「雪/女」と似た話については、 「昭和に入ってから集められたこれらの民話は、逆にハーンの作品の影響を受けてい/るのではないか(7)」と述べている。

として『越中の民話』に触れていたのである。なお「注」には、96頁19行め~95頁2行め、

(5) 国書刊行会、一九九三年一一【―96(23)―】
(6) 未来社
(7) 国書刊行会、一三一頁

とあって「一九九三年一一」と云うのがよく分からない。それから本文の方だが『日本昔話通観』の版元は「同朋舎(出版)」だろう。
 そこで、本書を図書館で借りて来た。いや、既に一昨年の9月に借りている。しかし、当時は「白馬岳の雪女」についても何ともしなかったので、そのまま返却してしまった。今年7月に別の図書館から再度借り、1度返却して今月借り直した。
 カバー表紙は白地で、中央に縦に桃色の帯、グラデーションで下が薄くなっており、上部に副題がゴシック体白抜きで、中央やや下にゴシック体で著者名。副題の両脇に淡い青紫色の楷書体斜体で標題。
 カバー背表紙は丸背で、右端にやはり下が薄くなる桃色で上部にゴシック体白抜きで副題、他は白地で上部にカバー表紙と同じ標題を縮小して1列に、下部に同じく著者名をやや縮小して入れ、最下部に青紫色のゴシック体でごく小さく版元名。
 カバー裏表紙は左側 3.0cm ほどカバー背表紙から続く桃色、やはり下が薄くなる。残りは白地で上部に OCR-B で「ISBN4-336-03520-2 C0095 P2500E」、右寄り中央やや下に横組みで淡い青紫色の楷書体斜体の標題、最下部右寄りにゴシック体で「定価2,500円(本体2,427円)」とある。
 カバー表紙折返しは白地で中央左に明朝体縦組みで1行「装幀/山下昌也」とある。カバー裏表紙折返しは白地で文字はない。
 見返し(遊紙)は紫色の紙。
 扉はアート紙で縹色単色でカバー表紙と同じ柄、上部は縹色地で中央に白い縦の帯、縹色ゴシック体の副題と著者名は小さくしてある。その左右に楷書体舎痛い白抜きで標題。カバー表紙と異なるのは下部中央に縹色ゴシック体横組みで版元名が入っていること。
 続いて標題・副題を「雪女の悲しみ/ ―ラフカディオ・ハーン『怪談』考―」と小さく示した中扉、二重鉤括弧は半角、カバー及び扉では半角の鉤括弧だった。なお、奥付での標題は横組みで「雪女の悲しみ―ラフカディオ・ハーン『怪談』考―」と、やはり半角の二重鉤括弧である。
 中扉の裏の下部に「亡き母の霊に」との献辞がある。ついで「目  次」の扉、細目を次の見開きで示し、その裏の白紙まで6頁分が前付。
 1頁(頁付なし)は上部に「雪女の悲しみ/ ――ラフカディオ・ハーン『怪談』考――」の扉で、中扉よりも大きく、中黒点も二重鉤括弧も全角。3~136頁本文。
 137頁(頁付なし)は上部に「人魚姫の憂愁/ ――アンデルセン童話考――」の扉。139~190頁本文、191~193頁「補 注」。
 195~206頁「ハーンとアンデルセン ――あとがきに代えて――」。
 次いで奥付、その裏は「叢書江戸文庫 第Ⅰ期 全26巻」の目録。続いて「叢書江戸文庫 第Ⅱ期全12巻(順不同 *=既刊)」の目録である。もっと続刊されるかと思ったのだが『滑稽本集』や『近世奇談集成』は[一]だけで[二]は出なかった。この目録を見ると『浅井了意集[一]』となっている。しかし実際刊行されたのは番号なしの『浅井了意集』だったので、何だかがっかりした記憶がある。――確かに、私の院生時代、古本屋に行くと『新日本古典文学大系』と『新編日本古典文学全集』と『叢書江戸文庫』が1000円くらいでずらりと並んでいたものだった。
 最後の頁は白紙。(以下続稿)