瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治『女生徒』の文庫本(4)

・角川文庫863(4)
 改版二十六版について、まずカバーの続きから。
 深作欣二監督「復活の日」は昭和60年(1985)6月28日公開。同年5月30日発行のこの改版二十六版のカバーにこの広告があるのは時機に合っている。
 カバー背表紙、地色は茶色がかった紫色、褪色した上に黄ばんでいるようだ。文字は白抜きで、上部に明朝体でやや大きく標題、中央やや下に明朝体で「太宰 治」、下部にゴシック体で「角川文庫 九九」その下に「― 2 ― ¥260」は明朝体
 カバー裏表紙は白地で文字は最下部左寄せ「[¥260]   0193-109902-0946(3)」とあるのみ。
 カバー裏表紙折返し、上部に「角川文庫太宰 治作品集」として「晩年/女生徒/ろまん燈籠/走れメロス/斜陽/人間失格・桜桃/愛と苦悩の手紙」、左下に小さく「カバー 旭印刷」右下にKBマーク。
 本体の表紙は今の角川文庫と同じ朱を漉き混んだ用紙。
 口絵と1頁(頁付なし)扉は後述する改版四十五版・改版五十一版・改版五十二版に同じ。扉裏(頁付なし)に「本書は著作権継承者の了解を得て、現代表記法により、/原文を新字・新かなづかいにしたほか、漢字の一部をひ/らがなに改めた。            (編集部)」とあるが、これは私がこれまで見た改版四十五版以降の諸版にはない。3〜4頁「目次」、3頁に「十二月八日」まで。また4頁に「主要参考文献」があるのが私がこれまで見た改版四十五版以降の諸版と違っている。
 5頁から本文、内容についてはの後日、諸版の比較を一覧表に示すつもりである。1頁18行、1行43字。204頁まで。
 205〜207頁「注釈」ルビは殆どなく「一三一*加賀の千代女」の「松任」に「まつとう」と振られているのみ、22項目、1頁21行、1行49字。
 208〜221頁「解説」、215頁12行めまで磯田光一太宰治小伝」、残りが小山清「作品解説」。
 222〜224頁の末尾に(小野才八郎編)とある「主要参考文献」は角川文庫28『人間失格・桜桃』改版三十二版248〜250頁と同版。
 225〜233頁の末尾に(小野才八郎編)とある「年譜」は、角川文庫28『人間失格・桜桃』改版三十二版251〜259頁と同内容のようだが2段組の冒頭「年譜」の下にも本文のある『人間失格・桜桃』と、冒頭「年譜」が2段抜き扱いでその下が空白になっている『女生徒』とでまずズレが生じ、その後も細々したところでズレているようだ。角川文庫の他の本や、改版による異同など、太宰の「年譜」については全てひっくるめて点検した方が早いかも知れない。
 234頁「太宰 治」の略伝。次に奥付。その裏が角川源義「角川文庫発刊に際して」、「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1979年4月」の(2)〜(4)の3頁、1頁3段組、1段に21点。最後の頁は「角川文庫 最新刊」で(W―2)の頁付がある。9点。(以下続稿)