・角川文庫722『草枕・二百十日』(3)
奥付、形式は同じだが改版三十版は匡郭の角が切れており、記載内容も若干異なる。これを組み直した改版三十八版は、改版四十一版・改版四十二版・改版四十六版に同じ版がそのまま踏襲されているようだ。ここでは現物を見ていない改版五十版は比較の対象から外す。
異同だが、それぞれの発行日の他、発行者が改版三十版・改版三十八版「角川春樹」改版四十一版・改版四十二版・改版四十六版「角川歴彦」、電話番号が改版三十版9桁、改版三十八版以降は10桁*1、その次の行、改版三十版は「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」、改版三十八版・改版四十一版「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」、改版四十二版「〒一〇二 振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」、改版四十六版は郵便番号が7桁になったために2行「〒一〇二―八一七七/振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」になっている。次の行の上「印刷所――新興印刷」は同じだが、下が改版三十版・改版四十一版「製本所――多摩文庫」、改版三十八版「製本所――千曲堂」、改版四十二版「製本所――大谷製本」*2、改版四十六版「製本所――本間製本」。その次の行「装幀者――杉浦康平」は同じ、その次に改版三十版は「落丁・乱丁本はお取替えいたします。」だけだが*3、改版三十八版「落丁・乱丁本はご面倒でも小社通信販売課宛にお送り/ください。送料は小社負担でお取り替えいたします。」となっている。以下、異同のある1行めのみ挙げると改版四十一版・改版四十二版「落丁・乱丁本はご面倒でも小社角川ブック・サービス宛に/」、改版四十六版「落丁・乱丁本はご面倒でも小社営業部サービスセンターに/」。次の行、改版三十版「定価はカバーに明記してあります。」改版三十八版以降は半行分空けて、1字下げ。改版三十版は半行分空けて右を上にして「Printed in Japan」とある。改版三十八版以降は匡郭下辺の上右寄りに横組みで「©Printed in Japan」とある。匡郭下辺の下左に改版三十版・改版三十八版には何もなし、改版四十一版・改版四十二版「な 1-3」*4、改版四十六版46「CL な 1-3」とある。右には改版三十版以来ISBNコードとCコードがある。
私の見た改版三十八版以降の諸版、すなわち270頁のものは奥付の裏の角川源義「角川文庫発刊に際して」が最後の頁だが、280頁の改版三十版はその後に目録が附く。「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1985年8月」の(2)〜(5)頁で、3段組で1段に21点、(2)頁の上段の初めの11点は、カバー裏表紙折返しにある11点に同じ、次に「漱石の思い出」。最後は「角川文庫 最新刊」1頁10点、(49)・(50)の2頁。(以下続稿)