瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島敦の文庫本(24)

・角川文庫294(7)
 改版三十版(249頁)と改版三十七版(256頁)の比較を「年譜」までは、2012年1月17日付(06)までに済ませていたが、その先を済ませていなかった。「年譜」は改版三十版は249頁上段まで、下段と次の頁は白紙。改版三十七版は256頁上段まで、下段は白紙。
 奥付、改版三十版は単郭11.5×7.5cmで角は繋がっていない。上部に子持枠4.5×4.9cm、やはり角は繋がっていない。改版三十七版は11.6×7.6cm、子持枠4.5×5.0cm。前者は活版を基にしているためで、後者は写真植字である。
 子持枠内は横組み、下部に羽を銜え翼と足を広げた鳳凰と「角川文庫 294」とあるのは一致、上部改版三十版は大きく「李陵・弟子・名人伝*1」その下に「中島 敦*2」。改版三十七版は大きく「李陵・山月記*3」その下にやや大きく「弟子・名人伝」の下に「中島 敦*4」。子持枠の下に縦組みで、改版三十版はまず「昭和四十三年九月 十 日 改版初版発行/昭和六十一年五月三十日 改版三十版発行」とあるが、改版三十七版は「昭和四十三年九月十日 初  版  発  行/平成 元 年六月十日 改版三十七版発行」とある。
 改版三十版の方は、収録作品を増やした昭和43年(1968)9月の「改版初版」以前の初版データを示さない。改版三十七版は収録作品を増やした昭和43年(1968)9月の「改版」を「初版」に位置付け、この249頁の「初版」を256頁に「改版」したもの、と見なしているようだ。当然、の存在は全く分からなくなっている。
 発行者と発行所は同じ、住所も一致、「電話」が〈編集部/営業部〉の2つ記載されているのも同じでともに9桁だが、市外局番(〇三)の次が改版三十版「二三八」だったのが改版三十七版は「八一七」である。下4桁は一致。その次に「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」とあって、郵便番号と振替番号の間の空白が、改版三十版は半角だったのが改版三十七版は全角になっている。続く4行は1行め下の改版三十版「製本所――多摩文庫」が改版三十七版「製本所――本間製本」で、その上の「印刷所――暁印刷」、2行めの「装幀者――杉浦康平」、3〜4行め「落丁・乱丁本はお取替えいたします。/定価はカバーの明記してあります。」は一致、最後に1行分空白があって子持枠の左辺の下、横転した「Printed in Japan」があるのも一致。
 単郭の下辺の下、右寄せでカバー裏表紙にあるのと同じISBNコード(10桁)とCコードがあるのは同じだが、改版三十七版にのみ左寄せで「な 4-1」とある。
 奥付の裏は角川源義「角川文庫発刊に際して」で双郭、改版三十版10.9×7.4cm、改版三十七版11.3×7.5cm、前者は角が繋がっていない。
 改版三十版は目録が4頁あって、まず3段組の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1985年8月」の(2)頁(3)頁、「角川文庫 最新刊」、1頁に10点、著者名、標題、2行(1行14字)の紹介文、定価。これが(49)頁と(50)頁。
 改版三十七版は目録14頁、1頁に6点、いづれも上部に美麗な飾り枠が施される。まず1頁めが「受賞作コーナー」、2〜5頁め「角川文庫/ベストセラー」、6〜7頁め見開き「赤川次郎の世界」、8〜9頁め見開き「西村京太郎の世界」で8頁めは副題「十津川警部シリーズ」、10〜14頁め「角川文庫 最新刊」。
 まだ2012年1月12日付(01)に貼った書影の、漫画風の表紙の掛ったものは見ていない。

*1:ルビ「りりよう でし めいじんでん」。

*2:ルビ「なかじま あつし」。

*3:ルビ「りりよう さんげつき」。

*4:ルビ「なかじま あつし」。