瑣事加減

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森鴎外『舞姫』の文庫本(09)

・角川文庫704『舞姫うたかたの記
 2011年3月8日付(2)に、「カバー 奥村靫正」の改版四十四版と改版四十八版について記述し、なか見!検索で閲覧出来る改版四十七版も適宜参照して置いた。
 その後、同じ表紙の改版三十四版と改版四十五版を見た。それから改版四十四版も借りて来たので、手許にある3冊に一昨年のメモを参照しつつ、異同などを記述してみたい。
 3頁(頁付なし)「目次」から158頁までは一致。
【改版三十四版】昭和二十九年六月三十日初版発行・昭和四十二年七月三十日三十版発行・昭和六十三年・十二月二十日改版三十四版発行・定価262円
【改版四十四版】昭和二十九年六月三十日初版発行・昭和四十二年七月三十日三十版発行・平成九年六月十日改版四十四版発行・定価340円
【改版四十五版】昭和二十九年六月三十日初版発行・昭和四十二年七月三十日三十版発行・平成十一年四月二十日改版四十五版発行・定価340円
 1頁(頁付なし)扉、改版三十四版は翼と脚を広げ羽を銜えた鳳凰。改版四十四版と改版四十五版は翼のみを広げた鳳凰。奥付の鳳凰も同じ。
 奥付、改版三十四版と改版四十四版はそれぞれの発行日のほか、発行者が兄から弟へ、「電話〈編集部/営業部〉」の下4桁は一致するがそこまでが「(〇三)八一七」だったのが「(〇三)三二三八」に変わっていること、「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」が「〒一〇二 振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」に、「製本所――大谷製本」が「製本所――多摩文庫」に、「落丁・乱丁本はお取替えいたしします。定価はカバーに明記してあります。」少し空けて「Printed in Japan」とあったのが、「落丁・乱丁本」の送り先が「小社角川ブック・サービス宛」と部署が示され「送料小社負担」云々も含め2行になっている。その前に1行「本書の無断複写・複製・転載を禁じます。」とあり、少し離れて1字下げで「定価はカバーに明記してあります。」とある。「©Printed in Japan」は発行日・発行者・発行所の下の下辺の上に横組みになっている。下辺の下右寄せのISBNコードとCコードは同じ。
 改版四十四版と改版四十五版はそれぞれの発行日のほか、改版四十四版では1行だった郵便と振替番号が改版四十五版は「〒一〇二―八一七七/振替〇〇一三〇―九―一九五二〇八」と2行になっていること、「製本所――コオトブックライン」、「落丁・乱丁本」の送り先が「小社営業部サービスセンター」に、匡郭の下辺の下左寄せで「CL も 1-1」とあったのが「も 1-1」となっていることである。
 裏が「角川文庫発刊に際して」で目録類はない。
 カバー表紙は一致。
 カバー背表紙、改版三十四版は淡い橙色地で最上部に小さくゴシック体で「も|1-1」とあって秀英初号明朝で標題「舞姫うたかたの記」中央やや下に一回り小さな秀英初号明朝で著者名「森 鴎外」、下部にゴシック体で「角川文庫●270」とある。●に白抜き「P」。改版四十四版は白地で最上部に小さくゴシック体で「CLも|1-1」とある。色のところは0.2×0.7cm、その下に楷書体の標題「舞姫うたかたの記」中央やや下にゴシック体で著者名「森 鴎外」、下部は色の帯状(4.4×0.7cm)のすぐ上に小さくゴシック体で「Y340」、帯状の上寄りに白抜きゴシック体で「角川文庫クラシックス」とある。改版四十五版は淡い水色地で最上部に「QRコード|も|1-1|Y340|森 鴎外」とある。QRコードのところのみ白地。中央に「 舞姫うたかたの記で囲われている。下部に「角川文庫 |■」とある。標題以外はゴシック体。
 カバー表紙折返し、改版三十四版は上部に横組みで、まずゴシック体で標題「舞姫うたかたの記」、半行分空けて明朝体13行(1行16字)の紹介文。これは改版四十四版と改版四十五版のカバー裏表紙中央にゴシック体縦組み14行(1行14字)で入っている紹介文と全く同文。それぞれ3段落(7行・3行・3行→4行)に分かれるが、改版三十四版は段落の頭が1字下げになっているのに対し、改版四十四版と改版四十五版は1字下げになっておらず、1段落めの最後(7行め14字め)が句点になっているためにそのまま2段落めに続いているように見えてしまう*1
 改版四十四版及び改版四十五版は、2012年11月10日付「森鴎外『山椒大夫』の文庫本(5)」で見た角川文庫695『山椒大夫高瀬舟阿部一族』五十三版に同じ、顔写真と「森鴎外(もり おうがい)」と題して明朝体縦組み12行(1行17字)の紹介文。
改版三十四版は下部に「野性時代」の広告。右下にある「カバー 奥村靫正」は一致。
 カバー裏表紙、白地で、改版三十四版は上部に横組みで1行「ISBN1-04-100301-6 C0193 P270E 定価270円」とあって定価のすぐ下に「(本体262円)」とある。改版四十四版及び改版四十五版、左上にバーコード2つ、右上にISBNコード/Cコードに「\340E」/「定価:本体340円(税別)」と3行、ISBNコードとCコードは改版三十四版に同じ。その下にある紹介文には既に触れた。改版三十四版のカバーは税込みであることからして平成元年度以降のものである。
 カバー裏表紙折返し、改版三十四版は上部に横組みでゴシック体「角川文庫森 鴎外作品集」とあって、1行分空けて明朝体舞姫うたかたの記/雁・ヰタ セクスアリス/山椒大夫高瀬舟阿部一族」とあり、左下に小さく明朝体で「カバー 暁美術印刷」右下にKBマーク。改版四十四版と改版四十五版は、左下に小さく明朝体で「カバー 暁印刷」右下にKBマークがあるのみ。

*1:改版三十四版の改行位置を示すために、/行頭…14字め/を挙げて置く。行末2字挙げている箇所は句読点のぶら下げ。微妙な相違がある行や14字詰まっていない行は全部抜いておいた。「 孤…豊/太…た/美…ち/た…う/と……友/人…す/すめた。/ 十…く/り…春/の彷徨。/ 鴎…か、/初記の傑作短編「うたかたの記」「文/づかい」と翻訳「ふた夜」を収録。/」。改版四十四版及び改版四十五版も同様に示す。こちらは作品名の鉤括弧は全て半角になっている。「孤…田/豊…で/知…し/い…出/し…に、/前…、/手…。/十…に/く…哀/しい青春の彷徨。/鴎…ほ/か…の/記…を/収録。/」