昭和末に出ていた中公文庫と角川文庫、そして平成に入ってからの中公文庫改版を見た。
・中公文庫
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/11/18
- メディア: 文庫
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【改版】1974年4月10日初版発行・1997年11月3日改版印刷・1997年11月18日改版発行・定価629円・315頁
書影を貼ったのは改版。平成9年(1997)11月の時点では版元は中央公論社。このカバー表紙は初版と一致。帯に隠れているところにも烏が2羽、合計6羽が描かれている。最下部中央に明朝体横組みで「中公文庫」。
初版はカバー裏表紙にも同じ背景に烏が1羽描かれ、その右上に「YUT.MUR」のサインがある。右上に明朝体縦組み6行(1行26字)の紹介文、3行ずつの2段落で段落頭1字下げなし。この紹介文については後述。最下部に「ISBN4-12-200090-4 C1193 \320E 定価320円」。
改版のカバー裏表紙は白地で、右上に全く同じ字配りの紹介文、初版に比してやや太い明朝体で行間も余裕がある。左上にバーコード2つ、1つめの数字「978122029811」、その下に「ISBN4-12-202981-3」次の行「C1193 \629E」3行め「定価[本体629円+税]」。
カバー背表紙、初版は肌色地に黒の明朝体で標題・著者名・文庫名、改版は赤紫地に明朝体白抜きで初版と同じ高さに標題と著者名、下部は初版とはやや違っていて、初版が「中公文庫/A 9-7/■320」中公文庫の下は横並び。■は縦長で縦並びに肌色で「RC」。改版は楕円に白く抜いてゴシック体の黒で「(ま 12 20)」その下に白抜きで「中公文庫」最下部角切の長方形(横長)に白く抜いて[629]。
カバー表紙折返し、レイアウトは同じ、背広姿で右手に煙草を持った白黒写真、その下に縦組みで「著者紹介/松本清張*1」、その下に明朝体縦組み14行の紹介文、初版は1行20字、改版は1行23字。初版6行め「……執筆生活に入る。/」は改版5〜6行め「……執筆生活/に入る。」でここまで一致。以下、初版7〜9行め「/主な作品には、『点と線』『眼の壁』『黒い画/集』『ゼロの焦点』『影の車』『砂漠の塩』など/多数の文芸大作のほか、」が改版6〜10行め「主な作品には、『点と線』『眼の壁』『黒い/画集』『ゼロの焦点』『波の塔』『砂の器』『影の車』/『黒い福音』『砂漠の塩』『火の路』『眩人』『熱い絹』/『霧の会議』『詩城の旅びと』など多数の文芸大作の/ほか、」と増補されている。続いて史学関係の書名が並ぶが初版10〜13行め「『昭和史発/掘』『日本の黒い霧』『古代史疑』『遊古疑考』/『古代探求』『清張通史』『ペルセポリスから飛/鳥へ』『眩人』などがある。」となっていたが、改版では11〜12行め「『昭和史発掘』『日本の黒い霧』『古代史疑』/『遊古疑考』『古代探求』『清張通史』などがある。/」と若干整理されている。初版は続いて13〜14行め「昭和四十五年菊池/寛賞受賞。」で終わっているが、改版はこれだけでなく13〜14行め「平成元年朝日賞受賞。/平成四年八月没。」と初版以後のことが追加される。
カバー裏表紙折返しの上部の目録「松本清張著(中公文庫)」、改版は5月5日付「松本清張『突風』(1)」に挙げた中公文庫『突風』27版と同じ12点、但し「 改版」と添えられているのは『野盗伝奇』『五十四万石の嘘』『霧の旗』の3点と異なる。初版(八版)は上段「乱 雲/野盗伝奇/突 風/真贋の森/五十四万石の嘘/霧の旗/影の車/北の詩人」の8点、下段「絢爛たる流離/砂漠の塩/ミステリーの系譜/中央流沙/黒い手帖/古代史疑/眩 人」の7点で合計15点。左下に改版「カバー画 村上 豊」、初版(八版)は「カバー・村上 豊画 カバー印刷・株式会社トープロ」。
本体、初版は1頁(頁付なし)扉、2頁(頁付なし)左下に小さく縦組みで「表紙・扉 白井晟一」、3〜4頁(頁付なし)「目 次」、5頁(頁付なし)中扉で標題、7〜265頁本文。頁付は各頁の上隅、奇数頁には頁付に加えて章題が示される。尾崎秀樹「解 説」266〜271頁。1頁18行、1行43字。改版は1頁(頁付なし)扉、2頁は白紙、3〜4頁(頁付なし)「目 次」は組み直されているが初版と同じ配置、5頁(頁付なし)中扉で標題、7〜308頁本文。頁付は各頁の上隅、奇数頁には頁付に加えて章題が示される。尾崎秀樹「解 説」309〜315頁。1頁16行、1行40字。
初版は奥付の前は白紙、改版は(編集部)による「不適切と思われる語句」についての断り書4行(1行30字)がある。
奥付は初版(八版)は縦組み、改版は横組み、改版は書名が「野盗伝奇 改版*2」となっている。
奥付の裏から目録3段組、初版は「中公文庫 既刊より 昭和59年11月」が7頁、改版は「中公文庫 既刊より 一九九七年一一月」が3頁。(以下続稿)