瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

伊藤左千夫『野菊の墓』(4)

・角川文庫1227(2)
 6月23日付(3)の続きで、本体について。
 1頁(頁付なし)扉、【199頁】は双郭(10.1×6.5cm)内の上部に横組みで「野菊の墓・隣の嫁/他三篇」その下に著者名、下部中央に翼を広げた右向きの鳳凰、その下に「角川文庫/1227」とある。【240頁】改版二十九版・改版三十四版【246頁】改版三十六版は同じ、単郭(11.5×7.3cm)内の上部に子持枠(4.5×4.8cm)、上部に横組み明朝体太字で「野菊の墓・隣の嫁/伊藤左千夫」、下部中央に羽を銜え翼と脚を広げた鳳凰に「角川文庫 1227」。
 扉裏2頁(頁付なし)【240頁】には左下に「本書は、著者の了解を得て、現代表記法により、原文を/新字・新かなづかいにしたほか、漢字の一部をひらがな/に改めた。              (編集部)」とある。【199頁】と【246頁】扉の裏は白紙。
 3頁「目 次」は1字下げで大きく、【199頁】は続いて上部に「野菊の墓/奈々子/水害雜録/隣の嫁/春の潮」下部に半角漢数字で「五/五七/七一/九〇/一二七」、最後の行は一回り小さい字で1字下げ「解 説」下部に「土 屋 文 明 一八九」。【240頁】では作品名は前半に追いやられ、「注釈」そして「解説」4本、【246頁】ではこのうち後半の「追憶断片――左千夫先生のこと    中 村 憲 吉 二一四/「野菊の墓」評             夏 目 漱 石 二二五」がなくなっている。さらに「主要参考文献     二二七」もないが「年 譜     二三一」は存している。頁を示す漢数字はやはり半角。【246頁】は新たに作品名に「のぎく はか」と「となり よめ」と「うしお」の振仮名が附している。
 4頁(頁付なし)白紙、5頁から本文で中扉はない。
 5頁から本文で中扉はない。【199頁】5頁はまず1字下げ「野菊の墓」右に1行分、左に2行分空白。57頁「奈々子」及び90頁「隣の嫁」は4行取り、71頁「水害雜録」は3行取り、127頁「春の潮」は「野菊の墓」に同じ。【240頁】と【246頁】の5頁は、まず1字下げ5行取りで「野菊の墓」(【246頁】には振仮名「のぎく はか」がある)、他の作品は題の右1行、左2行を空白にする。
 なお「水害雑録」「隣の嫁」「春の潮」は章番号が8字下げ2行取りゴシック体半角漢数字で入るのは同じ。
 「奈々子」「水害雑録」は末尾に下詰めで( )に括って一回り小さい字で発表年月が入る。【199頁】の「奈々子」は70頁18行め、最後の行の余白に入れ、「水害雜録」は次の行に入れるが、【240頁】は文末の次に2行取りになっている。ところが【246頁】では次の行に入れている。
 1頁の行数と1行の字数は【199頁】【240頁】1頁18行、1行43字。【246頁】1頁17行、1行42字*1

作品名 【199頁】 【240頁】 【246頁】
野菊の墓 5〜56頁 5〜56頁(注釈 13) 5〜61頁(注釈 31)
奈々子 57〜70頁 57〜71頁(注釈 なし) 62〜77頁(注釈 2)
水害雑録 71〜89頁 72〜90頁(注釈 9) 78〜98頁(注釈 10)
隣の嫁 90〜126頁 91〜127頁(注釈 4) 99〜138頁(注釈 11)
春の潮 127〜188頁 128〜190頁(注釈 7) 139〜207頁(注釈 19)

 「注釈」の数を添えて置いた。【199頁】には注釈がない。(以下続稿)

*1:2024年9月8日追記はてなダイアリーでは表の縦罫が見えづらかったので各版の頁の前に「|」を入力して置いたが、はてなブログではその必要がないのでこれを削除した。