・角川文庫1227(2)
6月23日付(3)の続きで、本体について。
1頁(頁付なし)扉、【199頁】は双郭(10.1×6.5cm)内の上部に横組みで「野菊の墓・隣の嫁/他三篇」その下に著者名、下部中央に翼を広げた右向きの鳳凰、その下に「角川文庫/1227」とある。【240頁】改版二十九版・改版三十四版【246頁】改版三十六版は同じ、単郭(11.5×7.3cm)内の上部に子持枠(4.5×4.8cm)、上部に横組み明朝体太字で「野菊の墓・隣の嫁/伊藤左千夫」、下部中央に羽を銜え翼と脚を広げた鳳凰に「角川文庫 1227」。
扉裏2頁(頁付なし)【240頁】には左下に「本書は、著者の了解を得て、現代表記法により、原文を/新字・新かなづかいにしたほか、漢字の一部をひらがな/に改めた。 (編集部)」とある。【199頁】と【246頁】扉の裏は白紙。
3頁「目 次」は1字下げで大きく、【199頁】は続いて上部に「野菊の墓/奈々子/水害雜録/隣の嫁/春の潮」下部に半角漢数字で「五/五七/七一/九〇/一二七」、最後の行は一回り小さい字で1字下げ「解 説」下部に「土 屋 文 明 一八九」。【240頁】では作品名は前半に追いやられ、「注釈」そして「解説」4本、【246頁】ではこのうち後半の「追憶断片――左千夫先生のこと 中 村 憲 吉 二一四/「野菊の墓」評 夏 目 漱 石 二二五」がなくなっている。さらに「主要参考文献 二二七」もないが「年 譜 二三一」は存している。頁を示す漢数字はやはり半角。【246頁】は新たに作品名に「のぎく はか」と「となり よめ」と「うしお」の振仮名が附している。
4頁(頁付なし)白紙、5頁から本文で中扉はない。
5頁から本文で中扉はない。【199頁】5頁はまず1字下げ「野菊の墓」右に1行分、左に2行分空白。57頁「奈々子」及び90頁「隣の嫁」は4行取り、71頁「水害雜録」は3行取り、127頁「春の潮」は「野菊の墓」に同じ。【240頁】と【246頁】の5頁は、まず1字下げ5行取りで「野菊の墓」(【246頁】には振仮名「のぎく はか」がある)、他の作品は題の右1行、左2行を空白にする。
なお「水害雑録」「隣の嫁」「春の潮」は章番号が8字下げ2行取りゴシック体半角漢数字で入るのは同じ。
「奈々子」「水害雑録」は末尾に下詰めで( )に括って一回り小さい字で発表年月が入る。【199頁】の「奈々子」は70頁18行め、最後の行の余白に入れ、「水害雜録」は次の行に入れるが、【240頁】は文末の次に2行取りになっている。ところが【246頁】では次の行に入れている。
1頁の行数と1行の字数は【199頁】【240頁】1頁18行、1行43字。【246頁】1頁17行、1行42字*1。
作品名 | 【199頁】 | 【240頁】 | 【246頁】 |
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野菊の墓 | 5〜56頁 | 5〜56頁(注釈 13) | 5〜61頁(注釈 31) |
奈々子 | 57〜70頁 | 57〜71頁(注釈 なし) | 62〜77頁(注釈 2) |
水害雑録 | 71〜89頁 | 72〜90頁(注釈 9) | 78〜98頁(注釈 10) |
隣の嫁 | 90〜126頁 | 91〜127頁(注釈 4) | 99〜138頁(注釈 11) |
春の潮 | 127〜188頁 | 128〜190頁(注釈 7) | 139〜207頁(注釈 19) |
「注釈」の数を添えて置いた。【199頁】には注釈がない。(以下続稿)