瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『憎悪の依頼』(1)

新潮文庫2892(1)
①昭和五十七年九月二十五日発行(294頁)
・平成十六年三月五日五十三刷 定価476円
・平成二十年三月二十五日五十八刷 定価476円*1

憎悪の依頼 (新潮文庫)

憎悪の依頼 (新潮文庫)

②平成二十一年十月二十日六十刷改版(349頁)定価514円
・平成二十二年八月十五日六十一刷 定価514円
 ①の書影もAmazon詳細ページに示されている。②六十刷改版と六十一刷のカバー一致。本体、奥付に六十一刷の発行日が追加されているのみで、他は一致。
 カバー背表紙は赤地、レイアウト同じ、白抜き明朝体で上部に標題、中央やや下に著者名、下部の文字は黒のゴシック体で「[ま 1 45]新潮文庫」、最下部、①五十三刷「\476*2、②「\514」に下線。
 カバー裏表紙、レイアウトは同じ、中央に横線、左上にバーコード2つ、1つめは一致、2つめの下4桁、①五十三刷「4762」②「5141」、その下、横線の上に①五十三刷「定価:本体476円(税別)」②は算用数字が「514」に変わっている。右上の紹介文明朝体横組み11行(1行16字)、組み直されているが字配りも一致。横線の下、右寄せで葡萄マーク、左寄せで①五十三刷「ISBN4-10-110951-6/C0193 ¥476E」、②「ISBN978-4-10-110951-0/C0193 ¥514E」この13桁のISBNコードの数字はバーコードの数字に一致。
 カバー裏表紙折返し、2012年10月19日付「松本清張『黒地の絵』(1)」の、新潮文庫1661『黒地の絵』②四十九刷改版に①五十三刷は一致。②は新潮文庫1661『黒地の絵』②五十七刷・五十八刷に一致。
 カバー表紙折返し、①五十三刷と②はレイアウトは同じ。左側から撮った和服に眼鏡にオールバックで煙草を右手に持っている写真は同じ*3。横組み1行16字の紹介文、①四十五刷は10行、②は11行でほぼ同文、異同は書出し「小倉市」が「福岡県小倉市」に変わっているのみ。①は右下に縦組み「カバー 深沢幸雄」、②は横組みで「カバー装幀 多田和博/カバー写真 Getty Images」とある。
 1頁は扉、3〜4頁「目次」、5頁は中扉「憎悪の依頼」、ここまでは組み直されているが字配りなど一致。
 7頁は「憎悪の依頼」の扉*4。8頁から本文で頁付がある。①1頁18行、1行42字。②1頁16行、1行38字。
憎悪の依頼」①7〜23頁②7〜26頁
 末尾に(「週刊新潮」昭和三十二年四月一日号)
美の虚像」①25〜88頁②27〜102頁
 末尾に(「小説新潮」昭和四十一年三月号)
すずらん」①89〜118頁②103〜137頁
 末尾に(「小説新潮」昭和四十年十一月号「六月の北海道」を改題)
女囚」①119〜143頁②139〜168頁
 末尾に(「新潮」昭和三十九年八月号「尊属」を『岸田劉生晩景』収録の際改題)
文字のない初登攀*5」①145〜180頁②169〜211頁
 末尾に(「週刊女性自身」昭和三十五年十一月十六日号)
絵はがきの少女」①181〜201頁②213〜237頁
 末尾に(「サンデー毎日特別号」昭和三十四年一月号)
大臣の恋」①203〜224頁②239〜264頁
 末尾に(「週刊朝日別冊」昭和二十九年四月号)
金環食」①225〜252頁②265〜298頁
 末尾に(「小説中央公論」昭和三十六年一月号)
流れの中に」①253〜268頁②299〜317頁
 末尾に(「小説中央公論」昭和三十六年十月号「流れ」を改題)
壁の青草」①269〜287頁②319〜341頁
 末尾に(「新潮」昭和四十一年五月号「少年受刑者」を改題)
権田萬治「解説」①288〜294頁②342〜349頁
 末尾に①(昭和五十七年八月)、②(昭和五十七年八月、文芸評論家)とある。
 頁付があるのはここまでで、次の頁、中央下に断り書、組み直されているが同文。

「女囚」は新潮社刊『岸田劉生晩景』(昭和五十五年十月)に収められた。/
それ以外の作品は本書初収録である。


 『岸田劉生晩景』は昭和58年(1983)6月に、新潮文庫3021として文庫版が刊行されたが、2012年11月2日付「松本清張『岸田劉生晩景』(1)」で見たように、本書が既に収録していた「女囚」を除いている。これらの短篇集の編成にどの程度松本氏の意向が反映されているのか知らないが、『岸田劉生晩景』所収の「骨壺の風景」を除いて全て15年以上前に発表した旧稿をまとめたもので、こういうものがこの時期に要請された背景について、……やはり売れるからだろうか。
 ①五十三刷は「文字づかいについて」、②は「表記について」ともに4項目だが出入りがある。
 ①五十三刷は目録が7頁、最初の4頁は松本氏の作品、最後の3頁は「新潮文庫最新刊」、1頁め4点め「わるいやつら」には「(全二冊)」とあるが、3頁めの2点め『砂の器』4点め『状況曲線』、4頁めの後半『黒革の手帖』『夜光の階段』『隠花平原』の5点には「(上・下)」とある。②目録なし。
 奥付も②は組み直されているが、①五十三刷と同じレイアウトで、異同はそれぞれの発行日と②は六十刷改版の年月日を示していること、①五十三刷「製本・加藤製本株式会社」が②「製本・株式会社植木製本所」、最下部のISBNコードが①五十三刷10桁から②13桁になっていること。

*1:8月21日追加。

*2:8月21日追記】①五十八刷も同じ。

*3:8月24日追記】当初「顔写真は同じもので左側から撮ったもので和服に眼鏡にオールバックで煙草を右手に持っている」となっていたのを修正した。

*4:振仮名②「ぞうお」。

*5:振仮名①②「はつとうはん」