瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

岡本かの子『老妓抄』の文庫本(5)

新潮文庫97(2)
 10月7日付(1)の諸刷一覧に既に追加したが、②四十五刷を見た。既に記述した箇所について見て置こう。
 カバー表紙は②四十一刷に同じ。
 カバー背表紙の上部の標題と著者名は、前者は若干③五十八刷よりも小さいようだがほぼ同じに見える。下部も③五十八刷に同じで黒い線で角切の長方形を描き「[お 3 1]新潮文庫 280」定価は横並び。
 カバー裏表紙、右上の紹介文は②四十一刷に同じ。その上下に緑色の横線。下の横線の下に「ISBN4-10-104002-8 C0193 \280E 定価280円」とあって、その下・中央に黒の葡萄マーク。
 次に、未だ触れていなかったところについて、見て置く。
 カバー表紙折返し、②四十一刷・四十五刷は地色のみで何も印刷されていない。
 カバー裏表紙折返し、②四十一刷は2013年3月25日付「「新潮社の辞典!」の広告(1)」の1つめ『新潮国語辞典』の定価が「¥2900」となっている広告、最下部左に小さく「カバー印刷 錦明印刷」とある。②四十五刷は2013年3月26日付「「新潮社の辞典!」の広告(2)」に紹介したものに同じ。
 ③五十八刷のカバー折返しは前後の刷と比較の機会を得た上で記述することにする。
 本体、1頁(頁付なし)扉、「目  次」は②3〜4頁(頁付なし)であったのが③は3頁(頁付なし)のみに収めている。②の3頁は6行め「越年」まで。最後の行の「解説」が下寄せで頁数を入れていないのも同じ。5頁(頁付なし)中扉で標題、7頁(頁付なし)は「老  妓  抄」の扉。8頁から本文で冒頭3行分空白、これは他の作品も同じ。「鯉魚」のみ1行空白の次に2行取りで漢数字の章番号「一」、②は8字下げ、③は5字下げ。
 本文は②1頁18行、1行43字。③1頁16行、1行38字。

老妓抄 |7〜33-13 |7〜39-6
|35〜58-17 |41〜69-7
東海道五十三次 |59〜83-3 |71〜100-8
家霊 |85〜101-6 |101〜120-11
越年 |103〜121-8 |121〜143-7
蔦の門 |123〜135-13 |145〜160-8
鯉魚 |137〜147-13 |161〜173-15
愚人とその妻 |149〜156-14 |175〜183-13
食魔 |157〜212-4 |185〜254-3
   解説 |213〜218-10 |255〜262-2

 亀井勝一郎「解説」は扉はなく②は4行取り5字下げでやや大きく「解   説」とあって、末尾218頁、1行空けて9行めに2字下げで「昭和二十五年」10行めに下寄せで「亀 井 勝 一 郎  」とある。③五十八刷の最後の行は下詰めで「(昭和二十五年四月、評論家)  」とある。次の頁は白紙で、②四十一刷は目録が4頁、1〜2頁めの見開きは、1頁めが樋口一葉著『にごりえ・/たけくらべ』、宇野千代著『色ざんげ』、宮本百合子著『伸子』、平林たい子著『うつむく女』、野上弥生子『真知子』、林芙美子著『新版 放浪記』。2頁め、佐多稲子著『くれない』『素足の娘』、壺井栄著『二十四の瞳』『母のない子と/子のない母と』芸術選奨受賞、幸田文著『父・こんなこと』、住井すゑ著『夜あけ朝あけ』毎日出版文化賞受賞。3〜4頁めの見開きは「新潮文庫最新刊」で3頁めの2点めは松本清張著『岸田劉生晩景』、4頁め3点めが柳田国男著『日本の昔話』。②四十五刷も目録4頁で1頁めは②四十一刷に一致、2〜4頁めは「新潮文庫最新刊」。③五十八刷の目録は9頁、うち7〜9頁は「新潮文庫最新刊」、細目は前後の刷と比較の機会を得た後に記述することにする。
 奥付のレイアウトは②四十一刷・四十五刷・③五十八刷とも同じだが、ルビ②「ろうぎしょう」→③「ろうぎしよう」、②四十一刷「草40 = 1」が②四十五刷で「お−3−1」に、縦組みのところは①の「発行」日に加えて②③の「改版」とそれぞれの発行日の3行、「発行者」②四十一刷・四十五刷「亮一」→③五十八刷「隆信」、「郵便番号」が②四十一刷・四十五刷「一六二」→③五十八刷「一六二―八七一一」、②四十一刷・四十五刷「電話〈業務部(〇三)二六六―五一一一/編集部(〇三)二六六―五四四〇〉」→③五十八刷「電話〈編集部(〇三)三二六六―五四四〇/読者係(〇三)三二六六―五一一一〉」、②四十一刷・四十五刷「振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」が③五十八刷はHPアドレスに、②四十一刷・四十五刷「小社通信係宛ご送付/」→③五十八刷「小社読者係宛ご送付/」。
下の横組み、2本の横線に挟まれた2行、②四十一刷「○ 印刷・中央精版印刷株式会社 製本・株式会社大進堂/© Tarô Okamoto 1950 Printed in Japan」○に「中」*1。②四十五刷はこの○に「中」がなくなっている。下の横線の下に、②③それぞれのカバー裏表紙と同じISBNコードとCコード。(以下続稿)

*1:実はメモし忘れて「中」だったという確信が持てない。見る機会を得るまで仮に「中」として置く。