・講談社文庫(5)
初版(第15刷)と新装版(第1刷)の本体を比較して見る。初版の第1刷の扉や奥付は9月21日付(3)にて述べた。
1頁(頁付なし)上下は双辺で左右は短辺、初版第15刷は12.2×8.2cm、新装版は12.0×8.2cm。文字は横組みで、上部に「■/講談社文庫」■のところは講談社文庫のマーク、文字は丸ゴシック体。中央やや上に明朝体でやや大きく「大奥婦女記」、新装版にはすぐ上に若干小さい明朝体で「新装版」とある。少し空けて小さいゴシック体で著者名、下部中央に明朝体で「講談社」。
「目 次」も頁付なし、初版3頁、新装版3〜4頁。5頁(頁付なし)「大奥婦女記」の中扉。7頁から本文。初版は章題は4行取り2字下げ、節番号は漢数字で3行取り7字下げ。新装版の章題は5行取り1字下げ、節番号は2行取り7字下げ。
「乳母将軍」初版7〜24頁8・新装版7〜39頁1
「矢島局の計算」初版25〜42頁2・新装版40〜72頁6
「京から来た女」初版43〜59頁19・新装版73〜103頁9
「予言僧」初版60〜77頁2・新装版104〜136頁5
「献妻」初版78〜95頁13・新装版137〜169頁9
「女と僧正と犬」初版96〜112頁5・新装版170〜199頁4
「元禄女合戦」初版113〜129頁17・新装版200〜231頁9
「転変」初版130〜146頁12・新装版232〜2643頁
「絵島・生島」初版147〜179頁18・新装版265〜324頁5
「ある寺社奉行の死」初版180〜193頁2・新装版325〜348頁6
「米の値段」初版194〜209頁19・新装版349〜377頁10
「天保の初もの」初版210〜223頁14・新装版378〜404頁1
進士慶幹「解説・大奥の組織」初版224〜232頁13・新装版405〜418頁3
ここまで内容は一致。「解説」末尾にともに下寄せで「(しんじ よしもと/日本大学教授)」とあるが、進士慶幹(1925.2〜1987.3.10)は昭和47年(1972)より日本大学教授。
頁数が違うが、初版は1頁19行、1行43字で、新装版は1頁12行、1行33字。初版は1頁に817字入る計算だが新装版は396字しか入らない。もちろん、目一杯文字が詰まることはない訳なのだけれども。
最後の「年 譜」、初版233〜242頁は末尾(242頁下段12〜13行め)に「中島河太郎 編/(昭和55・1)」とある。新装版419〜444頁は末尾に444頁下段13〜14行め「安間隆次 編/(一九九九年十一月)」とさらに2行、注(凡例)がある。内容にはかなりの齟齬がある。長くなりそうなので別の年譜とも合わせて追って検証することとしたい。
初版はその次がすぐに奥付だが、新装版は1頁白紙、その裏、下部中央に縦組みで、
本書は「新婦人」に一九五五年一〇月より五六年一二月にかけ/て連載、単行本化ののち、一九八一年二月、講談社文庫に収録/されたものをあらたに大活字、新装版として刊行するもので/す。
とある。
奥付は初版第15刷・新装版ともに上下(12.1cm)に二重線(8.0cm)がある。
新装版には9月25日付(4)で見たように上部に著者の紹介文があったが、初版第15刷は余白。下部は左右2列で、左側「新装版 大奥婦女記*1」とあって初版第15刷には「新装版」なし。その下に明朝体で著者名*2/初版第15刷「© Seicho Matsumoto 1981」新装版「© Nao Matsumoto 1999」、少し空けてゴシック体で発行日、また少し空けて「発行者――野間惟道」人名は明朝体太字、新装版は「野間佐和子」、発行所も同様に入り、その下の行は明朝体、住所は同じだが「〒」は3桁から7桁に、ついで初版第15刷「電話 東京(03)945-1111(大代表)」と1行で済んでいたが「電話 出版部」10桁、「販売部/製作部」と3つ。次の行「Printed in Japan」は同じ。
右側、講談社文庫のマークに「講談社文庫/定価320円」文庫名丸ゴシック体。新装版は定価のところに「定価はカバーに/表示してあります」とある。下寄せで4行、「デザイン――菊池信義/製版―――豊国印刷株式会社/印刷―――豊国印刷株式会社/製本――株式会社国宝社」新装版は「製本」が「株式会社上島製本所」。
下部は1列だが左寄せで、
落丁本・乱丁本は、小社書籍製作部宛にお送りください。/送料小社負担にてお取替えします。 (庫一)
とある。新装版のここのところは9月25日付(4)に示した。半行分空けて初版第15刷「ISBN4-06-131663-X (0)」新装版「ISBN4-06-264766-4」。すぐ下に、下の二重線があって新装版にはその下にゴシック体で小さく「本書の無断複写(コピー)は著作権法上での例外を除き、禁じられています。」初版第15刷には二重線の下に文字はない。
奥付裏の「講談社文庫刊行の辞」は組み直されているが字配りなど同じ。匡郭は双辺で初版(12.2×8.0cm)新装版(12.0×8.0cm)。(以下続稿)