瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『軍師の境遇』(2)

 昨日の続き。
・角川文庫6796(2)
 カバー表紙折返し、最下部右寄りにゴシック体横組みで「カバー 菊地信義」とあるのは一致。再版は上部に横組みで、まずゴシック体で標題、半行分空けて明朝体13行(1行16字)の紹介文がある。この紹介文は十二版では裏表紙に移されている。下部に雑誌「野性時代」の広告で2013年3月5日付「角川文庫の「野性時代」の広告(1)」の③。十二版は2013年9月19日付「松本清張『野盗伝奇』(4)」で見た、角川文庫7259『野盗伝奇』九版のカバー表紙折返しに一致する(ようである)。
 カバー裏表紙、再版は上部に「ISBN-4-04-122743-7 C0193 P390E 定価390円」定価のすぐ下に「(本体379円)」とあって後は余白。十二版は左上にバーコード2つ、1つめ「9784041227435」2つめ「1910193002005」、右上1行めISBNコードは再版に同じ、2行め「C0193 P500E 定価500円」定価のすぐ下に「(本体485円)」とあり、中央にゴシック体縦組み15行(1行14字)の紹介文があり、これは再版のカバー表紙折返しにあったものと同文。振仮名は再版は明朝体、十二版はゴシック体。再版の改行箇所を「/」十二版の改行箇所を「|」にて示した。

 「おれが死んだら、あとはだれ|が天/下を取るか遠慮なくいって|みよ」―*1/侍臣たちの返事に首|を振った秀吉が/頭に想い浮かべ|るのは、片足が不自/由で、風采|の上がらぬ軍師官兵衛の/姿だっ|た。黒田官兵衛孝高*2、もと播/州|御着*3の城主小寺政職*4の家老で、|秀/吉の中国攻め以来、参謀とし|て縦横/の機略を振るい、その天|下取りに絶/大の功をたてたが……*5。|余りに卓越/した才ゆえに不運の|境遇を味わう軍/師の、*6皮肉な運命|を描く表題作(原/題「黒田如水」)*7|のほか二編を収める。


 本体は奥付の前まで一致。奥付はほぼ同じで、異同はそれぞれの発行日の他、電話番号の市外局番(〇三)の次が再版「二三八―」十二版「八一七―」となっていること、匡郭下辺の左下に再版には何もなかったが十二版には「ま 1-31」とあることである。その裏の角川源義「角川文庫発刊に際して」は一致。
 最後に目録、再版は8頁、3段組の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1987年1月」の(4)〜(9)頁の6頁、松本清張は(4)頁上段16点めから下段4点め。分冊のものは中段1点め「かげろう絵図 全二冊」の如く纏めて示す。ほぼカバー裏表紙折返しにあるものに同じだが、カバー9点め「佐渡流人行」15点め「神と野獣の日」がなく、最後はカバーの33点め「美しき闘争 全二冊」、すなわち31点が並んでいる。次いで「角川文庫 最新刊」の(49)(50)の2頁、1頁10点で(49)頁の1点めに本書が挙がる。明朝体縦組みで上部に著者名、中央上に大きく標題、その下に2行(1行14字)で紹介文「天下をも狙える才知が不運を招/いた、軍師黒田官兵衛の生涯。」最下部に「380円」。十二版も8頁、1頁6点の目録が7頁、上部に明朝体で大きく標題、下部にゴシック体で著者名、その下に明朝体3行(1行10字)の紹介文。1頁めは「角川文庫ベストセラー 」、2〜3頁めは「ミステリー」、4〜7頁め「角川文庫最新刊 」、最後の8頁めは「海音寺潮五郎の作品 」で2013年6月10日付「松本清張『聞かなかった場所』(4)」で見た角川文庫3335『聞かなかった場所』三十八版の最後にあったものに同じ。(以下続稿)

*1:十二版は「――」

*2:ルビ「よしたか」。

*3:ルビ「ばんしゅうごちゃく」。

*4:ルビ「こでらまさもと」。

*5:十二版は「…」

*6:十二版読点なし。

*7:十二版はこの行の括弧と鍵括弧全て半角。