瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『死の発送』(2)

・角川文庫5807(2)
 2013年8月25日付(1)の続き。その後、次の2つの版を見た。
・昭和六十二年六月十日十六版発行・定価460円
・平成五年十一月二十日三十四版発行・定価544円
 ともに伊藤憲治のカバーで、2013年4月17日付「角川文庫の松本清張(5)」及び2013年5月15日付「角川文庫の松本清張(6)」にも追加して置いた。
 確認のために先に参照した三十一版を借りて来ようと思っていたのだが、所蔵図書館のOPACではヒットするのに書棚から消えてしまった。従って先に取ったメモと比較しつつ記述することにする。
 カバー表紙は同じ。
 カバー表紙折返し、三十四版は三十一版に一致。十六版は下部の余白に2013年9月13日付「角川文庫の「月刊カドカワ」の広告(1)」のが入っている他は一致。
 カバー裏表紙折返しは「角川文庫松本清張作品集」で、十六版は33点39冊で3月7日付「松本清張『二重葉脈』(1)」で見た角川文庫3273『二重葉脈』二十二版のカバーに同じ、ともに「昭和六十二年六月二十五日初版発行」の角川文庫6769『延命の負債』を載せないので、増刷と同時に掛けられたと思われる。三十四版は43点51冊で3月4日付「松本清張『軍師の境遇』(1)」で見た角川文庫6796『軍師の境遇』十二版のカバーに同じ。
 ともに最下部の左に小さく「カバー 暁印刷」右下隅にKBマーク。
 カバー裏表紙は白地で、十六版は上部に1行「ISBN4-04-122738-0 C0193 460E 定価460円」とあってバーコードはない。三十四版は左上にバーコード2つ、2つめの下4桁は「5609」、右上の1行めISBNコード(10桁)は十六版に一致、2行めは「C0193 P560E 定価560円」定価のすぐ下に「(本体544円)」とある。
 本体は362頁まで一致。1頁(頁付なし)扉は三十一版と同じく羽を銜えて翼と脚を広げた鳳凰
 奥付は匡郭(11.5×7.5cm)の上部に子持枠(4.5×5.0cm)のあるレイアウトは同じ。子持枠の内部は横組みで、上部に明朝体で大きく標題*1、その下に著者名、ルビ「まつもとせいちよう」とあるが十六版は「ちよう」の左2字が「張」の上に位置して「う」は食み出しているのに対し、三十四版は「よ」の下に「張」の中心線が位置する。この漢字とルビのズレ方により組み直されていることが分かる。下部に羽を銜えて翼と脚を広げた鳳凰、その下に丸ゴシック体とオールドスタイルの数字で「角川文庫 5807」とある。子持枠の下に縦組みで、1行めに初版発行の日付、詰まった2行めにそれぞれの版の発行日。十六版は1行分、三十四版は1行半空けて「発行者――」十六版は兄、三十四版は弟で氏名は一回り大きいゴシック体。「発行所――角川書店」続いて5字下げで4行分、住所は同じ、2〜3行め「電話〈編集部/営業部〉」で市外局番(〇三)の次は十六版「二三八―」三十四版「三八一七―」下4桁「八四五一/八五二一」はそれぞれ一致。4行め「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」は一致。すなわちこの4行は三十一版と三十四版で一致。「印刷所――暁印刷 製本所――本間製本/装幀者――杉浦康平」は共通、十六版は続けて2行「乱丁・落丁本はお取替えいたします。/定価はカバーに明記してあります。」とあって1行分空けて縦組み=横転して「Printed in Japan」と子持枠の左辺の下にある。三十四版は行間が詰まった3行「本書の無断複写・複製・転載を禁じます。/落丁・乱丁本はご面倒でも小社角川ブック・サービス宛に/お送りください。送料は小社負担でお取り替えいたします。」とあり、もとの行間を空けて「 定価はカバーに明記してあります。」と以上4行は横長の文字になっている。匡郭の下辺の右側上に三十四版には横組みで「©Printed in Japan」。匡郭下辺の下の左詰めに三十四版には「ま 1-26」とあって十六版にはないが三十一版にはあった。十六版・三十四版の匡郭下辺の下右詰めにあるISBNコードとCコードはカバー裏表紙に同じ。
 奥付の裏は双辺(10.6×7.1cm)の角川源義「角川文庫発刊に際して」で匡郭の疵を見るに同版。
 最後に目録が4頁あるのは同じ。十六版は、まず3段組の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1987年1月」の(4)(5)頁で、これについては3月5日付「松本清張『軍師の境遇』(2)」で見た角川文庫6796『軍師の境遇』再版にあるものに同じ。但しその次の「角川文庫 最新刊」の(49)(50)の2頁の内容は、2ヶ月違うので一致しないがレイアウトは同じ。三十四版は1頁6点の「角川文庫ベストセラー」が4頁。

*1:ルビ「し・はつそう」。