瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

太宰治の文庫本(04)

新潮文庫2819『津軽通信』(4)
 2012年7月8日付「太宰治の文庫本(02)」に「初刷は未見だが」と書いたが、その後、見ることが出来た。十九刷と比較するに、カバー背表紙は組み直されているが黒地に明朝体白抜きの標題はほぼ同じ配置、中央やや下の著者名は、高さは同じだが初刷は「太 宰 治」となっていて十九刷「太宰 治」と異なる。下部は異なっていて初刷はゴシック体で小さく「新潮文庫」すぐ下に明朝体横並び〔草〕、2字分空けて「=15=/o/240」とあったが、十九刷は角切長方形に白く抜いてその中にゴシック体で[た 2 15]すぐ下にゴシック体白抜きで「新潮文庫 \400」となっている。
 カバー裏表紙は、右上に組み直されているが十九刷と一致する説明文があり、その上下に横線、下の横線の下、中央に葡萄マーク。最下部にISBNコードとCコードに「 \240E 定価240円」と1行。
 カバー裏表紙折返しは左寄りにゴシック体で「〜〜新潮文庫〜〜/太宰 治の作品」1行分空けて「晩  年」から「津軽通信」まで15点。同じく左寄り最下部に小さく明朝体で「カバー 錦明印刷」。
 カバー表紙折返しには「新潮古代美術館全14巻新潮社創立八十年記念出版定価 全巻 各2800円*1」の「最終回 発売中 全14巻完結!*2ユーラシアとアフリカ」のカラー広告。右下に明朝体縦組みで「カバー 山下清澄」。
 本体、扉は組み直されている。3頁(頁付なし)「目次」から242頁まで(多分)一致。その次の「文字づかいについて」は初刷は「六」項目であったのが十九刷は「四」項目に減っている。
 これに続く12頁の目録も、組み直されているが3頁めの14点めまではカバー裏表紙折返しと同じ順序で太宰治著が並び、初刷は3頁めの残り4点が森鴎外著の「雁/青年/阿部一族舞姫山椒大夫高瀬舟」であったが、十九刷は太宰治著が「新樹の言葉/ろまん燈籠」の2点増えて、森鴎外著は「雁/青年」の2点のみとなっている。4頁め夏目漱石著6点は同じ、5頁めは島崎藤村著の6点だが初刷の1点め「嵐・ある女の生涯」が十九刷にはなく6点めに初刷になかった「千曲川のスケッチ」が収まる。他の5点は同じ順序で並ぶが「家」に初刷4点めは(全二冊)、十九刷3点めは(上・下)と左側下寄せで添え、「夜明け前」に初刷6点めは(全四冊)、十九刷5点めは(第一部上・下、第二部上・下)と添える。6頁め芥川龍之介著6点も同じ、7頁め谷崎潤一郎著6点も同じ、8頁めの6点めが坂口安吾著「白痴」で残り5点が志賀直哉著であるのは同じだが、初刷では2点めに「暗夜行路/(全二冊)」とあったのが十九刷では5点めに「暗夜行路」が移動して、この間の3点がスライドしている。9頁め川端康成著6点も同じ、十九刷は10頁めから3頁「新潮文庫最新刊」があるが、初刷は11頁めからの2頁で、10頁めは堀辰雄著の6点。
 奥付は古い形式で上部「工」の1画めが太字、左のスペースに「新潮」の印影、右のスペースに横組みで上部に「津軽通信*3」下部に「定価240円」、「工」の下、中央に横組みで「新潮文庫 草6=15」、縦組みで「昭和五十七年 一 月十五日 印  刷/昭和五十七年 一 月二十五日 印  刷」とあって、著者*4/発行者/発行所が並ぶ。初刷の「郵便番号」は3桁、「電話〈業務部(〇三)(二六六)五一一一/編集部(〇三)(二六六)五四四〇〉/振替東京四―八〇八番」1行分空けて「乱丁・落丁本」の送付先が初刷「小社通信係宛」十九刷「小社読者係宛」。十九刷は「電話〈編集部/読者係〉で市外局番の次が「(〇三)三二六六―」となっている。下4桁は編集部同じ、営業部=読者係。次に2行分空白があり「価格はカバーに表示してあります。」さらに1行空白で既述の「乱丁・落丁本」の送付先。初刷は下に太い横線1本あってその下は横組み。「○ 印刷・二光印刷株式会社 製本・植木製本所/© Michiko Tsushima 1982  Printed in Japan」最初の○の中に漢数字「二」。十九刷はここは上下を横線で挟まれており「二」が収まった○がなくなり、また未亡人の名もない。さらに下の横線の下、ISBNコードとCコードが入るが、初刷にはない。

*1:「八十年」は楷書体、定価の行は丸ゴシック体。

*2:「全14巻完結!」は丸ゴシック体。

*3:ルビ「つがるつうしん」

*4:ルビ「だざいおさむ」。