瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

水村美苗『本格小説』(4)

 新潮文庫の二刷(平成十七年十二月一日発行・平成二十二年十一月十五日二刷)を見た。定価と頁数は初刷に同じ。
 カバー裏表紙折返しは上下ともこれまで見たものと違っていて、上部には右上隅に水色の新潮文庫のマーク(図書館蔵書では切除されていることが多いので従来触れて来なかった)があるのみで、下部に小さく「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」とある他は余白。すなわち2012年7月11日付「水村美苗『続明暗』の文庫本(2)」に、「現在、新潮文庫で絶版になっていない水村氏の作品は『本格小説』だけであるらしい。」と書いたのだけれども、本書のみになった時期の増刷ということになろう。
 従って、カバーのレイアウトには少なくとも、以下の5つの組み合わせが認められることになる。
①裏表紙ISBNコード10桁、裏表紙折返し3点4冊 (上)のみ(下)*1
②裏表紙ISBNコード13桁、裏表紙折返し3点4冊 (下)のみ
③裏表紙ISBNコード13桁、裏表紙折返し2点3冊 (上)のみ
④裏表紙ISBNコード13桁、裏表紙折返し目録 (上)(下)
⑤裏表紙ISBNコード13桁、裏表紙折返し余白 二刷(上)(下)
 (上)のカバーはこれまで4種、(下)のカバーは3種も4種*2見ている。初刷の発行日は同じなので、(下)にも①が存在するはずであるが、未見*3。②と③も2013年1月3日付(1)に挙げたように(下)と(上)のみしか見ていない。
 ④の目録は、2013年3月30日付(2)で見た(上)「|新潮文庫 女性作家の作品|」、2013年3月31日付(3)で見た(下)「|新潮文庫現代文学|」で、一番新しいのは前者の平成22年(2010)4月発行のものである。
 本体の異同であるが、奥付は(上)(下)とも、二刷の発行日が追加されていることと、最下部のISBNコードが13桁になっていることの2点。(上)は奥付の前に目録が見開き2頁あり、初刷は1頁めが「水村美苗 続 明 暗」中央に縦組みで匡郭はなく、標題の下に「久々に対面を果たした津田と清子はどうなる/のか? 夏目漱石の未完の絶筆『明暗』を漱/石の文体そのままに書き継いだ話題の続編 」との紹介文、2頁めが「span class="deco" style="font-size:x-small;">水村美苗著 私小説 from left to right/野間文芸新人賞受賞」で横転しているアルファベットは細長くスペースも狭い。紹介文は「二つの国と言語に引き裂かれた滞米20年の日/本人姉妹――。英語を交えた長電話を軸に、/二人の孤独が語られる、本邦初の横書き小説。」。二刷は普通の単郭で1頁6点の目録で1頁めは「三浦しをん著」6点、2頁めは「角田光代著」の6点。

*1:8月19日追記】(下)を追加。

*2:8月19日追記】(下)の①を見たので改めた。

*3:8月19日追記】(下)の①を見たので削除した。