瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫『どくとるマンボウ回想記』(1)

 単行本と文庫版の書影は7月29日付「北杜夫『楡家の人びと』(09)」に貼って置いた。他に朗読CDがあるが未見。
・オーディオブックCD

 さて、本書の核となっているのは、単行本239頁(頁付なし)の1行めに、

初出 日本経済新聞朝刊私の履歴書」二〇〇六年一月一日―三十一日

とあり、文庫版232頁1行めに、

<初出> 日本経済新聞朝刊「私の履歴書」二〇〇六年一月一日―三十一日

とあるように、収録されている55篇中30篇を占める「私の履歴書」である。単行本・文庫版のこの「初出」を示した頁によれば、他の25篇のうち7篇が別に「日本経済新聞」朝刊に掲載されたもの、18篇が「書き下ろし」でそれぞれ細目が示されるが、残り30篇の「私の履歴書」として連載されたものは細目が示されていない。もちろんそうでない25篇が示されているのだから、そうでないものを数えればどれが「私の履歴書」だったのかは分かる。けれどもこれでは、果たして単行本・文庫版の通りに連載されたのかどうかは、分からない。
 という訳で、日本経済新聞縮刷版」一月号(第五十八巻第一号・二〇〇六年二月二十日発行・二〇〇六年二月二五日発行・日本経済新聞社・定価7,300円・1816+83頁)を見て来た。
 初出の「私の履歴書」掲載順に一覧に纏めるか、それとも単行本・文庫版の章立てに従って章ごとに一覧にするか、少し迷ったが、まずは「私の履歴書」として連載された30篇について一通り紙面がどうであったかの確認をし、その上で単行本・文庫版に於いて補われた25篇も交えて、章ごとに整理することにして見たい。(以下続稿)