瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作『わたしが・棄てた・女』の文庫本(1)

講談社文庫(1)
・昭和47年12月15日第1刷発行(279頁)
・昭和52年12月5日第19刷発行 280円
・昭和53年7月15日第20刷発行 280円*1
・昭和59年4月27日第36刷発行 定価360円*2
・1992年1月20日第53刷発行(286頁)定価388円
・1997年10月17日第69刷発行 定価427円*3
・1998年8月19日第73刷発行 定価495円*4
・1998年12月3日第74刷発行 定価495円
・2000年5月30日第77刷発行 定価495円
・2000年12月15日第78刷発行 定価495円*5
・2002年4月22日第82刷発行 定価495円
・2003年12月15日第86刷発行 定価495円*6
・2004年6月29日第87刷発行 定価495円*7
・2006年1月27日第90刷発行 定価495円
・2007年1月30日第91刷発行 定価495円*8

わたしが棄てた女 (講談社文庫)

わたしが棄てた女 (講談社文庫)

・2010年3月24日第94刷発行 定価495円
 平成以降の諸版は発行日を西暦で示しており、当然のことながら「1972年12月15日第1刷発行」となっている。
 講談社文庫では平成24年(2012)の改版を「新装版」と称しているが、その数年前に改装されたばかりなので少々違和感がある。
 それまでの、発刊以来のカバーは銅版画家丹阿弥丹波子(1927生)の油彩画で、カバー表紙折返しの右下に明朝体縦組みで小さく「カバー装画 丹阿弥丹波子」とある。丹阿弥氏は日本画家丹阿弥岩吉(1901.6.9〜1992.11.24)の娘で、女優丹阿弥谷津子(1924.6.25生)の妹。丹阿弥谷津子岸田今日子「夏休みの日記」昭和22年(1947)8月27日条・28日条に登場していた。
 このカバー表紙は画像検索してもいくつかヒットするが、上部の雲のような部分に明朝体横組みで入っている標題と著者名が異なる。私の見た平成以降の諸刷は字間が詰まっているが、第19刷は字間に余裕があり、字は若干小さくて太い。著者名はやや横長である。Amazon詳細ページの「カスタマーの画像」にて閲覧出来る。
 Amazon詳細ページの書影は、私の見たものでは第94刷に同じ。カバー表紙折返しの右下に明朝体縦組みで小さく「  カバー装画 藤川孝之/カバーデザイン 坂川栄治+永井亜矢子(坂川事務所)」とある。
 カバー背表紙、第19刷は微細な青い点を打った地(ごく淡い青地)の上部に明朝体太字で標題、中央やや下にゴシック体で著者名、その下に「 22 | |||| A141 講談社文庫280」数字は横並び、◆は講談社文庫のマーク。
 第53刷以降の諸刷は上部の白地に「遠藤周作 ●1」●に明朝体白抜きで「え」。黄色地の最上部にゴシック体白抜きで「4」少し空けて黒の明朝体にて標題。下部に灰色の講談社文庫のマークがあって定価388円の第53刷には「講談社文庫 P400」とある。定価495円のものは数字が「Y495」となっている*9
 カバー裏表紙、第19刷は白地で、中央やや上に明朝体横組みで次のような紹介文。

二度目のデイトの時、裏通りの連れ込み/旅館で軀を奪われたミツは、その後その/青年に誘われることもなかった。その青/年が他の女性に熱を上げ、いよいよ結婚/が近づいた頃、ミツの軀に変調が起った。/癩の症状である。……冷酷な運命に弄ば/れながらも、崇高な愛に生きる無知な田/舎娘の短い生涯を、斬新な手法で描く。


 5行め末の句点を追い込むために「変調が起った」の字間を詰めている。この紹介文の上に、緑色の講談社文庫のマークを2つ、左右に広がるような按配に置く。最下部左詰めにゴシック体で小さく「0193-311411-22531)」中央にゴシック体で「280円」とある。
 第53刷から第90刷まではレイアウト同じ。紹介文は一致していて1字めはドロップキャップ。

 度目のデイトの時、裏通りの連込旅/  館で軀を奪われたミツは、その後そ/の青年に誘われることもなかった。青年/が他の女性に熱を上げ、いよいよ結婚が/近づいた頃、ミツの軀に変調が起った。/癩の症状である。……冷酷な運命に弄ば/れながらも、崇高な愛に生きる無知な田/舎娘の短い生涯を、斬新な手法で描く。


 上部の白地のところ、左側のバーコード1つめ「9784061311411」は一致、2つめは定価388円の第53刷は「1910193004008」*10定価495円のものは「1920193004953」。右側の1行め「ISBN4-06-131141-7」は一致、2行め定価388円の第53刷は「C0193 P400E (4)」*11定価495円のものは「C0193 \495E (6)」。黄色地の右側には紹介文、左側には小さく、定価388円の第53刷は右揃えで「わたしが・棄てた・女/遠藤周作/定価400円/(本体388円)」少し離して「●1|4」●に白抜き明朝体「え」*12。定価495円のものは左寄せで「わたしが・棄てた・女/遠藤周作/定価:本体495円(税別)」少し離して「●1|4」●に白抜き明朝体「え」。
 第94刷は組み直しているが紹介文以外は第90刷に同じ。紹介文は以下のように改められている。

 学生のころ、「ぼく」こと吉岡が軀*13を/  奪ってゴミのように棄てたミツは、/田舎者で、無教養で、無垢な女だった。/吉岡が社長令嬢との結婚を決め、ミツは/孤独な生活に耐えつつ、彼を待ち続ける。/冷酷な運命に弄*14ばれながらも人を信じ、/愛し、純粋に生きた女。その短い生涯が/すべての人に教えてくれた、本物の愛。


 カバー表紙折返し、第19刷は残り余白。
 第53刷・第74刷・第77刷は左下の角を破線で仕切って、黒で講談社文庫のマークとその下に小さく「え 1-4」とあって後は余白。
 この左下隅のマークはその後も新装版が出るまで同じであった*15
 第82刷・第90刷には上部にゴシック体横組みで著者紹介文が入る。第94刷は組み直されているが同文。これについては後述する。(以下続稿)

*1:2016年2月3日追加。

*2:2018年3月18日追加。

*3:11月22日追加。

*4:2017年11月4日追加。

*5:2019年6月9日追加。

*6:2017年11月4日追加。

*7:2015年4月17日追加。

*8:2017年10月14日追加。

*9:分類票が貼付されているためはっきり見えないものが多く、はっきり見えたのは第74刷のみ。【12月2日追記】第94刷でも確認。【2015年1月6日追記】第69刷は 「\427」。

*10:2015年1月6日追記】定価427円の第69刷は「1920193004274」。

*11:2015年1月6日追記】定価427円の第69刷は「C0193 \427E (5)」。

*12:2015年1月6日追記】定価427円の第69刷は定価のところが「定価:本体427※消費税が別に加算されます。」となっている。

*13:ルビ「からだ」。

*14:ルビ「もてあそ」。

*15:私の見た第82刷と第94刷はブックコートフィルムを掛けるために一部切除したためにこの番号が分からなくなっているが、同じ番号が存したものと推定。