瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作『海と毒薬』(06)

新潮文庫1402(2)
 昨日の続きで本体について*1
 1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)中扉で標題、本文5頁から、3行取り3字下げで大きく「第一章 海と毒薬」とあり、前にはさらに1行分空白。③は1頁18行、1行41字。④は1頁16行、1行38字。
 目次はない。よって、目次代わりに細目を示して置こう。
「第一章 海と毒薬」③5〜78頁16行め、④5〜92頁11行め
 まず、節に分けられていない前置きに当たる文章(③5頁2行め〜26頁17行め、④5頁2行め〜30頁16行め)がある。節の番号は3行取り5字下げ。
 「I」③27〜39頁11行め、④31〜45頁16行め
 「II」③39頁12行め〜49頁11行め、④46〜57頁15行め
 「III」③49頁12行め〜65頁4行め、④58〜76頁6行め
 「IV」③65頁5行め〜71頁4行め、④76頁7行め〜83頁9行目
 「V」③71頁5行め〜78頁16行め、④83頁10行め〜92頁11行め
「第二章 裁かれる人々」③79〜134頁17行め、④93〜160頁14行め
 章題は3行取り3字下げで前に余白なし、節見出しは3行取り5字下げ。
 「Ⅰ看護婦」③79頁2行め〜100頁14行め、④93頁2行め〜119頁15行め
 「II医学生」③100頁15行め〜123頁12行め、④120〜147頁6行め
 「III午後三時」③123頁13行め〜134頁17行め、④147頁7行め〜160頁14行め
「第三章 夜のあけるまで」③135〜164頁3行め、④161〜196頁2行め
 章題は3行取り3字下げで前に余白なし、節番号は3行取り5字下げ。
 「Ⅰ」③135頁2行め〜147頁4行め、④161頁2行め〜175頁16行め
 「II」③147頁5行め〜164頁3行め、④176〜196頁2行め
 佐伯彰一「解説」③165〜174頁、④197〜208頁
 ③の末尾(174頁13行め)④の末尾(208頁14行め)に下寄せ(一九七一年十月、評論家)とある。
 なお、③170頁17行め〜171頁2行め/④204頁4〜6行め、その前を1行分空けて、次のように述べる。

 以上の解説を書いたのは、もう十一年前のことである。『海と毒薬』は昭和三十二|年六月、/八月、十月に雑誌『文学界』に連載され、翌年四月に単行本として文藝春秋|社より刊行され/た。最初の発表から数えると、すでに十四年がたっている。‥‥


 すなわち③170頁16行め/④204頁3行めまでが①の時点での「解説」ということになろう。
 頁付があるのは「解説」までで、その次の頁には③「文字づかいについて」は「四」項目、その裏が奥付で目録はない。④は中央に小さく下寄せで「この作品は昭和三十三年四月文藝春秋新社より刊行された。」とある。これは既に見たように「解説」中にも版元名が「新社」ではないが述べてあった。④には目録14頁。
 奥付の異同は初刷以外の発行日と、郵便番号が③七十八刷「一六二」から④八十九刷改版「一六二―八七一一」に、③七十八刷「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」の1行が④八十九刷改版では空白に、下部の横組みの1行め右側の③七十八刷「製本・有限会社加藤新栄社」が④八十九刷改版「製本・株式会社大進堂」に、2行め③七十八刷「© Shûsaku Endô 1958」が④八十九刷改版「© Junko Endô 1958」となっている。③七十八刷が刊行されたとき既に遠藤氏が没して7箇月が経っているのだが、著作権者の変更がなされていなかったのであろうか。(以下続稿)

*1:2018年3月18日追記2014年11月19日付(06)に追加したように、②四十九刷を見たことにより、投稿当初②としていた五十三刷改版を③に、③としていた八十九刷改版を④に改めた。