瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『それから』の文庫本(10)

・角川文庫321(8)
 2012年8月16日付(1)に貼付した、角川文庫の現行のカバーを見た。改版七十一版で、本体は2012年8月16日付(1)に略述した。今、わたせ氏のカバーの掛かった改版七十一版と並べている。
 カバー表紙折返し、顔写真と略伝は一致。最下部に左寄せで2行「カバーイラスト中川 学」「カバーデザイン片岡忠彦」とある。
 カバー裏表紙の左上は一致。バーコードの数字「9784041001080/1920193004007」と「ISBN978-4-04-100108-0/C0193 \400E」を挙げて置く。右上のゴシック体横組みの紹介文は書き換えられている。わたせ氏のカバーには、

3部作の前作『三四郎』で描か/れた淡い恋愛は、この作で、よ/り深刻な人間的苦悩にいろどら/れる。
自然の情念に引きずられ、社会/の掟に反いて友人の妻に恋慕を*1/よせる主人公の苦しみは、明治/40年代の知識人の肖像でもある。*2/三角関係の悲劇を通して漱石が/追求したのは、分裂と破綻を約*3/束された愛の運命というテーマ/であった。
明治42年作。


 中川氏のカバーでは次のようになっている。

三十歳になっても職につかず、/実業家である親の仕送りで暮ら/している代助。ある日、生活に/困窮したかつての友人・平岡と、*4/その妻・三千代に再会する。三/年前、三千代を愛していながら/も平岡に譲った代助。再び交流/を重ねるうちに、しだいに三千/代に恋心を募らせ、ついには、/その愛を貫き通そうと決心する/のだが……社会の掟に背き、「自/然」の情念たる愛を追求する人/間の苦悩を描く。『三四郎』に/続く、3部作第2弾。


 カバー背表紙・カバー裏表紙折返しは一致。

*1:ルビ「おきて・そむ」。

*2:文字を詰めて句点までを14字分の幅に収める。

*3:ルビ「は たん」。

*4:文字を詰めて読点までを14字分の幅に収める。