瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『黒い空』(3)

・角川文庫7750(3)
 2013年7月29日付(2)の続き。
 2013年7月26日付「角川文庫の松本清張(11)」に追記したが、アート紙の「MATSUMOTO SEICHO COLLECTION」のカバーの掛かった四十三版を見た。今、レザック紙の「MATSUMOTO SEICHO COLLECTION」のカバーの掛かった、2013年5月19日付「角川文庫の松本清張(10)」に2014年4月4日に追加した二十五版と並べている。
 カバー裏表紙の右上の紹介文は、

 山内上杉家の末裔*1事業家山内/定子が創った八王子郊外の結婚/式場「観麗会館」は、その高級/感がうけて大変な繁盛ぶりだ。/経営をまかされている小心な婿/養子善朗はある日、口論から激/情して定子を殺し、死体を会館/の名所である「断崖」に埋め込/んでしまう。門出を祝う式場が/奇しくも墓場となり、その上空/を不吉なカラスが飛び交い、新/たな事件が発生する……。河越/の古戦場に埋れた長年の怨念を/重ねた、緻密な大型長編推理。

とあって、従来のものに殆ど同じだが、会館の名所が従来は「岩壁」となっていた。通読はしていないが定子の殺害場面(143頁4行め〜144頁11行め)の直後(144頁12行め*2)を見るに「断崖*3」とあり、またラストシーンの、最後の台詞(捜査主任)にも、368頁8〜9行め「‥‥、人工断崖*4のコンクリートの一部をわれわれで破壊し、‥‥」とあった。
 本体は奥付の前の頁まで一致。最後に1頁7点の目録「角川文庫ベストセラー」が8頁。3頁め6点めまでが松本氏の本で1頁め「顔・白い闇/山峡の章/水の炎/死の発送/失踪の果て/紅い白描/数の風景」2頁め「犯罪の回送/一九五二年日航機「撃墜」事件*5松本清張の日本史探訪/聞かなかった場所/潜在光景/男たちの晩節/三面記事の男と女」3頁め「偏狂者の系譜/神と野獣の日/乱灯 江戸影絵(上)(下)/夜の足音 短篇時代小説選/蔵の中 短篇時代小説選/或る「小倉日記」伝」*6、全て明朝体で標題、著者名、1行22字で3行の紹介文。(以下続稿)

*1:ルビ「まつえい」。

*2:その前に1行空白。

*3:ルビ「だんがい」。

*4:ルビ「だんがい」。

*5:日航機」までで改行。

*6:「(上)」と「(下)」は横並び。副題は左に添える。