瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『鬼畜』(6)

・映画(6)野村芳太郎監督
 5月1日付(5)の続きで、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密メディアックスMOOK448)の『鬼畜』に関する箇所の細目を見て置こう。007〜120頁、第一章「野村芳太郎作品」8作品のうち、年代順で5番め(052〜069頁)に取り上げられている。他の作品も同じような構成なのだが、まず最初の見開き(052〜053頁)が【作品紹介・桂千穂】で、粗筋を中心に若干の解説がなされている。
 次の見開き(054〜055頁)が【作品解説】で担当が示されていないが、002頁(頁付なし)メディアックス映画班「はじめに」によると「作品解説は編集部で書いた」とのことである。055頁中段5行めまでが「高度経済成長に時代を設定/さらにリアルに」、残りが「テレビ版の方が/子殺しの動機づけが強い」の2つの節に分れている。
 続いて「Interview 」が4本、3つは「インタビュー●編集部」、1つが「インタビュー●桂千穂」。
・056〜059頁「撮影監督・川又繡インタビュー」
 「1歳半の子とは/2人きりでの撮影も」、057頁上段16行め〜「人間の弱さが/出せる作品にしたい」、058頁上段2行め〜「ロケハンで『ゼロの焦点』/と同じ舞台の能登金剛に」、058頁下段18行め〜「今回はきれいに撮るのが/目的ではない」、059頁下段4行め〜「子供の最後のセリフは/いったいどちら意味?」
・060〜062頁「野村芳樹プロデューサーインタビュー」
 「オルゴールは、オランダ/で作ってもらいました」、061頁中段19行め〜「1日だけの出番でお馴染/みさんに出てもらった」、062頁上段4行め〜「タイトルを伏せて募集/した子役のオーディション」
 野村芳樹(1948生)は野村芳太郎(1919.4.23〜2005.4.8)の息子で、第一章冒頭(008〜015頁)でも「野村芳太郎監督について」(目次による)のインタビューに答えている。野村氏に対するインタビューは桂氏が担当している。008頁上欄の「PROFILE」の最後には、7〜9行「‥‥。代表的/プロデュース作品は、『鬼畜』(78年)『わるい/やつら』(80年)、『お受験』(99年)など。」とある。
・063〜065頁「監督・松原信吾インタビュー」
 「子供たちに芝居をつける/のは助監督の仕事だった」、064頁上段4行め〜「実の親の目の前で子供の/口にご飯を押し込む」、065頁上段13行め〜「撮影しながらテーマが/はっきりしてきた作品」
 063頁上欄の「PROFILE」には、5〜6行め「‥‥。『鬼畜』(78年)『疑惑』(82年)/など、野村芳太郎作品の助監督として多数参加。/‥‥」とあるから「監督・松原信吾」ではなく、この映画での役割である「助監督・松原信吾」とすべきだろう。
・066〜069頁「女優・岩下志麻インタビュー」
 「出演しようかどうか/こんなに迷った作品はない」、068頁中段3行め〜「小川真由美さんの演技には/女の怨念が籠もっていた」、068頁下段12行め〜「子供の口にご飯を押し込/むシーンが一番つらかった」、069頁下段5行め〜「テレビ放映を見た子供に/電話で怒鳴られて」
 岩下氏はラストシーンには絡んでいないので、ラストの解釈についての言及はない*1。(以下続稿)

*1:5月21日追記】野村芳樹プロデューサーのインタビューも、ラストシーンに触れていないことを附記して置く。