瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

上方落語「三年酒」の原話(5)

 さて、1月15日付「都家歌六『落語レコード八十年史』(1)」に紹介した都家歌六の大著の(下)巻末索引にて検索するに、「演題別索引」のXVII頁右12行め〜XXII頁左31行め「さ行」の、XVIII頁右16行めに「三年酒  144,152,345,407 」とある。
 凡例に当たる文章(「演者別索引」I頁2〜7行め「演題別索引」VIII頁2〜6行め)の最後に「‥‥。正体数字は上巻,*1イ|タリックは/下巻の頁数を示す。」とある。
 早速(下)407頁を見るに、400〜407頁が「噺家列伝・文句集・ディスコグラフィー」の「二代目・桂三木助」の項で、400頁上段が略伝、下段8行め〜407頁上段1行めまで「みかん売り           二代目・桂三木助」の文字起こし(演題はやや大きい)、3行取り8字半下げの「*」を挟んで、400頁下段の最初の6行は「みかん売り」の解説。407頁上段2行め、下寄せでやや小さく「(コッカ 八一八六・七)」とのレーベルと番号を示す。
 2行空けて407頁上段3行め「 <二代目・桂三木助 ディスコグラフィ>」として、以下、下段4行めまで、6つのレーベルから9題15枚のSP盤が列挙されるが、その2つめ(上段6〜7行め)に、前後1行分ずつ空けて、

▼ツバメ印ニットー(旧吹込)
 二六六一・二 三年酒(二枚)     (昭・2・10)

とある。下段左の余白に40歳くらいかと見える顔写真(5.5×3.5cm)を載せ、左側下寄せ(縦組み)で「二代目・桂三木助」とキャプション。
 これにより、1月14日付(4)に引いた、『米朝落語全集 増補改訂版』の「解説 三年酒」に見える二代目桂三木助のレコードは2枚組で、昭和2年(1927)10月に発売されたものと判明する。
 さらに索引により(上)を当たって見るに、桂米朝都家歌六に、二代目桂三木助「三年酒」の録音全篇を贈られて、聞いていたことが分かった。老齢に及んで自ら加筆訂正を加えることの叶わなかった『米朝落語全集 増補改訂版』がこの事実に言及出来なかったのは仕方がないが、そこでその補足として、次回、(上)152〜154頁「二代目三木助三年酒余話」について、見て置くこととしよう。(以下続稿)

*1:(下)はカンマではなく読点。なお「/」は上巻、「|」は下巻の改行位置を示す。