瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Antoine François Prévost “L'Histoire du chevalier Des Grieux et de Manon Lescaut” (2)

新潮文庫976『マノン・レスコー』(2)
 ②五十五刷・六十六刷、③六十八刷改版・七十二刷について、まづカバーを比較して見る。
 ②五十五刷・六十六刷のカバーはクリーム色地、文字は黒。
 カバー表紙、②五十五刷・六十六刷は一致。上部に橙色の横線(9.4cm)7本で6行(幅1.1cm)、文字は明朝体で左詰、1行めに標題「マノン・レスコー」、2行めに著者名「アベ・プレヴォー」、3行めは上にやや小さく「青柳瑞穂=訳」とあって下に小さく横幅一杯に原題。4・5行めは空いており6行めに「新潮文庫」、左下に橙色の葡萄マーク*1
 ③六十八刷改版・七十二刷は7月10日付(1)に貼付した書影に同じで、四隅に薄く白い飾り枠、中央の女性の肖像画の上、淡い紫色で明朝体太字の著者名と明朝体の訳者名、その下に明朝体太字の赤で大きく標題、肖像画の下に黒の筆記体で標題、但し3行めのヒロインの名前のみ赤。その下に筆記体で著者名、最下部に明朝体の灰色で「新潮文庫」。
 カバー背表紙、明朝体で上部に標題、中央やや下に著者名、②五十五刷・六十六刷は横長で字間も詰まっているが、③六十八刷改版・七十二刷はゆったり組んでいる。下部にゴシック体で②五十五刷・六十六刷・③六十八刷改版「[フ 2 1]新潮文庫」とあって最下部の数字が②五十五刷「280」、六十六刷「\400」、③六十八刷改版「\438」に太い下線と異なる*2。③七十二刷は「[フ 2 1] 新潮文庫 490」と、角丸の枠が短くなり文庫名の上下に余裕が出来ている。
 カバー裏表紙、右上の紹介文は②五十五刷・六十六刷、③六十八刷改版・七十二刷でほぼ同じで小異がある。すなわち、2行めの②「デ・グリュー」が③「デ・グリュウ」に改められているのだが、本文はもとから「デ・グリュウ」である。②五十五刷はこの紹介文の上下に橙色の横線があり、下の横線の下に「ISBN4-10-200601-X C0197 \280E 定価280円」とあってその下、中央に葡萄マーク*3。②六十六刷は橙色の横線が中央の1本になり、左上にバーコード2つ「97841020060161920197004003」横線の上に「定価本体400円(税別)」、横線の下、左側に2行、1行めはISBNコード、2行め「C0197 \400E」、右に葡萄マークがあって下の「Shinchosha*4。③六十八刷改版は白地で横線は黒、紹介文は組み直されているがレイアウトは②六十六刷に同じ、異同はバーコード2つめの下4桁が「4386」、その下の「定価本体438円(税別)」及びCコードの次の「 \438E」と、定価に関連した3箇所。③七十二刷も同様にバーコード2つめの下4桁が「4904」、その下の「定価本体490円(税別)」、そして横線の下、左側の2行は一回り小さくなり「「ISBN978-4-10-200601-6C0197 \490E」となっている。
 カバー表紙折返し、②五十五刷は地色のみで文字等は刷られていない*5。②六十六刷は上部3/5に著者の紹介、下部に訳者の紹介、③六十八刷改版とは小異で、異同は著者名が②六十六刷「Antoine-Francois Prévost」となっていたのが③六十八刷改版「Antoine-François Prévost」となっていること、また紹介文の7行めまでは一致するが、以下が②六十六刷は、

/た『ある貴人の物語』が好評を博し、/以後66巻におよぶ作品を残す。『ある/貴人の物語』は20編の独立した小説/から成る長編小説で、『マノン・レス/コー』はその第七巻として書かれた。

となっていた(行末の句読点はぶら下げ)のが、③六十八刷改版では、

/た『ある貴人の回想録』が好評を博/し、以後66巻におよぶ作品を残す。/『ある貴人の物語』は20編の独立/した小説から成る長編小説で、『マ/ノン・レスコー』はその第七巻とし/て書かれた。

となっていて(行頭の二重鍵括弧開きは半角)、書名が異なっている。本文はもとから『ある貴人の回想録』であり、これも内容の紹介文と同様に、②の誤りを③で訂正している。
 ③七十二刷は③六十八刷改版に一致、最下部に2行(改行位置は「|」で示した)「カバー写真|© Elizabeth Barrett/Getty Images」とある。
 カバー裏表紙折返し、②五十五刷は2013年3月26日付「「新潮社の辞典!」の広告(2)」の広告、最下部は左に「カバー印刷 錦明印刷」のみ*6。②六十六刷は2013年5月3日付「「新潮社の辞典!」の広告(6)」の広告*7、最下部「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」は③六十八刷改版・七十二刷も同じ。③六十八刷改版は「|新潮文庫のフランス文学|」の目録で18人18点22冊、著者名50音順で本書は11点めに「レヴォ マノン・レスコー」と見えている(明朝体の標題の方がやや大きい)。③七十二刷には広告・目録類はない。(以下続稿)

*1:8月3日追記】②四十六刷・六十三刷も同じ。

*2:8月3日追記】②六十三刷は「360」に太い下線。②四十六刷「新潮文庫〔赤〕  六 =1= 280」文庫名と漢数字以外は横並び〔赤〕は明朝体

*3:8月3日追記】②四十六刷は中央やや下に葡萄マークのみ、ISBNコードを始めとする1行は最下部に配置される。

*4:8月3日追記】②六十三刷はバーコード2つめの下4桁「3601」、「定価360円(本体350円)」、Cコードの次に「 P360E」。

*5:8月3日追記】②四十六刷・六十三刷も同じ。

*6:8月3日追記】最下部が左の「カバー印刷 錦明印刷」のみであるのは②四十六刷・六十三刷も同じ。②四十六刷は2015年6月4日付「「新潮社の辞典!」の広告(8)」の広告。

*7:8月3日追記】②六十三刷は2013年3月28日付「「新潮社の辞典!」の広告(4)」の広告で、②六十六刷に酷似するが最下部右の「デザイン 新潮社装幀室」がない。また右上隅に何もないが②六十六刷は灰色の角丸三角形があって白抜きで葡萄マークに「新潮文庫」。このマークについては図書館蔵書ではブックコートフォルムを掛けるために切除されていることが多いので、これまで殆ど取り上げなかったが、たまたま折返しを完全に保存する②六十三刷・六十六刷を並べて有無が確認出来たのでメモして置く。