瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ゴーゴリ『死せる魂』(1)

・平井 肇・横田瑞穂 訳『死せる魂』(1)
 4月12日付「Alfred Schnittke “Adagio”(2)」に書いたようにソヴィエト(ロシア)のTV映画を見た(?)ので、原作の翻訳も読んで見ようと思ったのだけれども、自分がだらだらと文章を書く癖に、ゴーゴリの饒舌な文体に上手く乗れなくて滞っている。やはり気持ちがそちらに向いたときに万難を排してやらないと、駄目なのである。
 戦前に出た第1刷の翻訳は平井肇(1896.5.17〜1946.7.7)単独で、昭和52年(1977)に横田瑞穂(1904.1.24〜1986.2.19)によって改訳されている。
岩波文庫32-605-4(上)
①1938年7月1日第1刷発行
②1977年3月16日第27刷改訳発行©(259頁)☆☆☆¥300
・1990年10月5日第30刷発行 定価447円*1

死せる魂 上 (岩波文庫 赤 605-4)

死せる魂 上 (岩波文庫 赤 605-4)

・2006年2月16日第32刷発行 定価600円*2
・2007年4月24日第33刷発行 定価600円*3
・2016年7月12日第34刷発行 定価720円
岩波文庫32-605-5(中)
死せる魂〈中〉 (1977年) (岩波文庫)

死せる魂〈中〉 (1977年) (岩波文庫)

①1939年2月15日第1刷発行
②1977年4月18日第22刷改訳発行©(228頁)☆☆¥200
・1990年10月5日第24刷発行 定価447円*4
死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)

死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)

・2006年2月16日第26刷発行 定価600円*5
・2016年7月12日第28刷発行 定価660円
岩波文庫32-605-6(下)
①1939年10月25日第1刷発行②1977年7月18日第21刷改訳発行©(254頁)☆☆☆¥300
・1990年10月5日第25刷発行 定価447円*6
死せる魂 下 (岩波文庫 赤 605-6)

死せる魂 下 (岩波文庫 赤 605-6)

・2006年2月16日第27刷発行 定価600円*7
・2016年7月12日第29刷発行 定価720円
 なお、Amazonでは岩波文庫の『死せる魂』として、以下2点がヒットする*8
死せる魂〈下〉 (1977年) (岩波文庫)

死せる魂〈下〉 (1977年) (岩波文庫)

 しかしながら、書影は『上』は帯付きの新潮文庫、『下』はカバー装の新潮文庫になっている。『上』はAmazon詳細ページではリクエスト復刊の書影が表示される。
 分冊されている作品の場合、初めの方の巻の増刷回数が多くなる傾向があり、事実、昭和52年(1977)の改訳の時点での刷次は『上』第27刷『中』第22刷『下』第21刷であったが、平成28年(2016)の増刷は3冊同時だが、『上』第34刷『中』第28刷『下』第29刷と、この間に『中』と『下』の増刷回数が逆転しており、かつこの間の3冊の増刷回数も『上』7回『中』6回『下』8回と、何故かまちまちなのである。
 本体、1頁(頁付なし)扉から頁付のある限りは、すなわち奥付と目録を除いては同版のはずで、確かに扉の匡郭の四隅の繋がっていないところも一致しており、著者別番号の数字も同じ活字に見える。しかしながら扉を並べて見ると、匡郭が『上』第27刷改訳(10.6×6.7cm)に比して第34刷(10.4×6.6cm)は線が太く、狭くなっており、『中』も第22刷改訳(10.5×6.6cm)に比して、第28刷(10.4×6.6cm)は狭くなっており、線が擦れている。『下』は第21刷改訳・第29刷とも同じ寸法(10.5×6.7cm)である*9
 奥付の形式はこの間に変わっているが、今回は省略する。
 目録、昭和52年(1977)の改訳時の増刷は『上』第27刷『中』第22刷ともに下辺下右に「D1」「D2」の頁付のある3段組(1段17点)の2頁で、1頁め上段「《ロシア文学》」は2頁め上段4点めの「ロシア文学案内  金 子 幸 彦」まで、残りは「《ドイツ文学》」で下段17点め「ドイツ文学案内  手 塚 富 雄」まで、ともに全点を網羅していることになる。『下』第21刷には目録がなく「読書子に寄す」が最後。
 平成28年(2016)の増刷、『上』第34刷は「2015,2.現在在庫 C-1(〜3、D-1〜4、G-1〜2)」と「岩波文庫の最新刊」の「2016.6.」。『中』第28刷は「2015,2.現在在庫 D-1(〜4、F-1〜4)」と「岩波文庫の最新刊」の「2016.5.」と「2016.6.」。『下』第29刷には目録はなく「読書子に寄す」が最後。(以下続稿)

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8月20日追記】コメント欄に長文の「真善美の研究」と云う文章が投稿されていましたが、公開しないまま削除しました*102013年12月31日付「記述の方針について」その他に述べたように、記事内容に関連するとしても、長文で記事の補足という範囲に収まらないようなものは、別に御自分の名前で然るべきところに公開して、その上でリンクのみコメント欄に報告して下さい。そのコメントを公開にするかどうかも当該記事に合わせて参照するべきかどうか、判断した上でのことにします。記事内容に無関係の、素晴らしい主張であれば尚のこと、こんなブログのコメント欄に公開するべきではありません。――感想や挨拶の類は、こちらで拝読して、公開にしていません。

*1:11月30日追加。

*2:2018年1月7日追加。

*3:9月9日追加。

*4:11月30日追加。

*5:9月9日追加。

*6:11月30日追加。

*7:9月9日追加。

*8:12月7日追記】次に書影を2つ貼付していたが、1つめは岩波文庫の現行の『上』の書影が表示されるようになったので、『上』の第30刷と第33刷の間に移した。以下の本文にはしばらく手を加えないで置く。

*9:2018年1月6日追記】『上』第33刷(10.4×6.6cm)『中』第26刷(10.5×6.6cm)『下』第27刷(10.5×6.7cm)。

*10:8月22日追記】higonosukeのブログ「黌門客」の2017-07-31「『首塚の上のアドバルーン』と『太平記』と」のコメント欄「2017/08/20 09:07」に(恐らく)同じものが公開されています。【8月25日追記】「黌門客」でも削除されていました。