なかなかの力作で、単行本及び全集では表題作になっていました。
・花とゆめCOMICS
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1976/05
- メディア: 新書
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山岸凉子全集 32 ひいなの埋葬 (あすかコミックス・スペシャル )
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1988/11
- メディア: コミック
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そのため、久しく読む機会がなかったのですが、漸く、次の選集にて読むことが出来ました。
・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』 2010年12月20日第1刷発行・定価1,200円・潮出版社・403頁・四六判並製本
- 作者: 山岸 凉子
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: コミック
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単行本か全集と『山岸凉子スペシャルセレクション』を比較した上で記事にしようと思ったのですが、その余裕がないので、差当り『山岸凉子スペシャルセレクション』によって、内容を確認して置きましょう。
山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』に収録されている作品のうち、5〜54頁「鬼子母神*1」、131〜171頁「かぼちゃの馬車」、174〜247頁「緘黙の底*2」、249〜264頁「副馬*3」の4作品は読んだことがあります*4。57〜88頁「グリーン・フーズ Part1」89〜128頁「グリーン・フーズ Part2」266〜305頁「死者の家」そして307〜403頁「ひいなの埋葬」は初めて読みました。
冒頭4頁(307〜310頁)は初出ではカラーだった頁で、308〜309頁見開きは、前付4頁(頁付なし)のカラー口絵「山岸凉子/カラー原画セレクション」の見開き(2〜3頁め)として収録されています。1頁めも同じく左下に「「ひいなの埋葬」より」とあるのですが、このイラストは本文には収録されていません。場面としては348頁5コマめ〜352頁5コマめに当たりますが着物の柄は一致しません。イメージ画として別に描かれたものでしょうか。巨大なお雛様の扇の持ち方も異なります。カバー裏表紙の着飾った幼女の半身像のカラーのカットは、310頁4コマめから採った「美しい女の子」です。
403頁と奥付の間にある「初出一覧」に本作は「ひいなの埋葬 ひいなのまいそう/「花とゆめ」(白泉社)/1976年6号」と見えているのですが「くだん書房」の古本リスト「花とゆめ」の書影等を参照するに、「花とゆめ」1976年6号(3月20日号)に「かきおろし大長編シリーズ―4」として掲載されています。題からも察せられるように雛祭りとその前後が描かれていて、掲載時期に合わせて考えると昭和51年(1976)の3月3日と云うことになりそうですが、結末、401頁5コマめ〜407頁(3コマ)に、401頁5コマめの弥生の台詞に「今日から新学期ね ガンバラなくちゃ」とありますので4月上旬、昭和51年とすると未来のことになってしまいますから、若干遡らせた方が良さそうです。
舞台となった梨本家の所在地はどこだか分からないのですが、主人公の川島弥生は最初、新幹線で移動しています。弥生を梨本家に招いた、代々梨本家の侍医を務めている影尾雪*5が、312頁1コマめ〜314頁4コマめ、弥生の養家を訪ねて初対面する場面で、314頁3コマめ「いえ めったに上京しませんので用事もたまっておりますから」と言っているところからして、弥生は東京在住です。(以下続稿)