瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

新田次郎『八甲田山死の彷徨』(3)

新潮文庫2451(1)

八甲田山死の彷徨 (1978年) (新潮文庫)

八甲田山死の彷徨 (1978年) (新潮文庫)

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

①昭和五十三年一月三十日発行(267頁)
・昭和五十九年四月十日十九刷 定価320円*1
②平成十四年三月二十日六十三刷改版(331頁)
・平成二十一年八月二十日八十二刷 定価514円
・平成二十五年十月十日八十八刷 定価550円
 八十二刷・八十八刷を比較して見た。
 カバー表紙は一致。何故かAmazon詳細ページは未だに切り替わっていないが、八十二刷と八十八刷は、貼付した樹氷の並ぶ写真の書影とは違う、鉛色の空と雪原をイメージしたかのような絵になっている。
 カバー背表紙、異同は最下部の数字が八十二刷「\514」に太い下線だったのが八十八刷「550」に代わっていること。なお、下部の白枠が分類票貼付のため見えない(恐らくこの間に枠の大きさが変わっている)。
 カバー表紙折返し、レイアウトは同じだが写真(2.5×2.0cm)と紹介文は差し替えられている。上部に横線(4.4cm)2本の間(3.8cm)の左側上部に横組みで「新田次郎Nitta Jirô/(1912―1980)」とあり、右側の顔写真は森林を背景に同じ和服を着ている。
 その下の紹介文は明朝体横組みで、八十二刷には、

1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。/無線電信講習所を卒業後、中央気象/台に就職し、富士山測候所勤務等を/経験する。'56(昭和31)年『強力伝』/で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の/人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小/説の分野を拓く。次いで歴史小説に/も力を注ぎ、'74年『武田信玄』等で吉/川英治賞を受ける。'80年、心筋梗塞/で急逝。没後、その遺志により新田/次郎文学賞が設けられた。

とある(二重鍵括弧はいづれも半角以上全角未満)。八十八刷は仮に太字で示した箇所が追加されている(二重鍵括弧はいづれも半角以上全角未満)。

1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。/無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、中央気象台に就職し、/
富士山測候所勤務等を経験する。'56/(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受/賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山/死の彷徨』など山岳小説の分野を拓/く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、/'74年『武田信玄』等で吉川英治文学/賞を受ける。'80年、心筋梗塞で急逝。/没後、その遺志により新田次郎文学/賞が設けられた。実際の出来事を下敷きに、我欲・偏執等人間の本質を深く掘り下げたドラマチックな作風で時代を超えて読み継がれている。


 右下に縦組みで「カバー装画 富岡惣一郎」とあるのは一致。
 カバー裏表紙折返し、最下部に明朝体横組みで「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」とあるのは一致。上部の目録、明朝体太字の「新田次郎の本」の上下の横線、八十二刷は6.1cm、八十八刷は3.7cm、上の横線は中央を八十二刷1.1cm、八十八刷1.3cm切って横長のゴシック体で「新潮文庫」とある。その下に八十二刷は破線(2.3cm)で左右2列に分けて、左に「縦走路/強力伝・孤島/孤高の人(上・下)/蒼氷・神々の岸壁/栄光の岸壁(上・下)/先導者・赤い雪崩」右に「八甲田山死の彷徨/アイガー北壁・気象遭難/アルプスの谷 アルプスの村/銀嶺の人(上・下)/アラスカ物語/珊瑚」の合計12点15冊、括弧は右寄せで標題は均等割付。八十八刷は1列で大きく、「縦走路/強力伝・孤島/孤高の人(上・下)/蒼氷・神々の岸壁/栄光の岸壁(上・下)/先導者・赤い雪崩/八甲田山死の彷徨/アイガー北壁・気象遭難/アルプスの谷 アルプスの村/銀嶺の人(上・下)/アラスカ物語/梅雨将軍信長/つぶやき岩の秘密/小説に書けなかった自伝」の14点17冊、八十二刷の最後の『珊瑚』がなくなり、新たに3点が追加されている。八十二刷の組み方は左右2列にしないと収まらない点数があったことを推察させるが、2/3が余白である。
 カバー裏表紙、中央の横線(9.1cm)の上、左上のバーコード1つめ「9784101122144」は一致、2つめ八十二刷「1920193005141」八十八刷「1920193005509」、その下に八十二刷「定価本体514円(税別)」八十八刷「定価本体550円(税別)」、右上の明朝体横組みの紹介文、

日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で/過酷な人体実験が強いられた。神田/大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進/退を協議しているとき、大隊長が突/然"前進"の命令を下し、指揮系統の/混乱から、ついには199名の死者を/出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる/弘前31聯隊は210余キロ、11日間に/わたる全行程を完全に踏破する。2/隊を対比して、自然と人間の闘いを/迫真の筆で描く長編小説。

は一致。横線の下、左側1行め「ISBN978-4-10-112214-4」と右の葡萄マークは一致、左側2行め、八十二刷「C0193 \514E」八十八刷「C0193 \550E」。
 本体、目録は「新潮文庫最新刊」3頁、奥付の異同はそれぞれの発行日のみ。(以下続稿)

*1:2018年12月26日追加。①の頁数も追加。