瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

吉行淳之介『贋食物誌』(1)

単行本(新潮社・207頁・四六判上製本

贋食物誌 (1974年)

贋食物誌 (1974年)

・昭和49年10月10日 印刷・昭和49年10月15日 発行・定価 七〇〇円
新潮文庫2470
贋食物誌 (1978年) (新潮文庫)

贋食物誌 (1978年) (新潮文庫)

・昭和五十三年五月二十五日発行(320頁)
・昭和五十五年八月十五日八刷 定価320円*1
・昭和五十六年二月十五日十刷 定価320円*2
 何故か7月16日付「吉行淳之介『恐怖対談』(1)」に取り上げた新潮文庫2470『恐怖対談』と番号が同じである。見間違いかと思って並べて見たが、やはり同じである。2017年8月21日付「新田次郎『八甲田山死の彷徨』(3)」に取り上げた新潮文庫2451『八甲田山死の彷徨』の発行日からして『恐怖対談』の番号が誤っているものと思われる*3
中公文庫
贋食物誌 (中公文庫)

贋食物誌 (中公文庫)

・2010年11月25日 初版発行(368頁)定価800円
 書名の読みはそれぞれの奥付に「にせしよくもつし」のルビがある。
 このエッセイ集については、①206~207頁・②311~313頁・③357~359頁「101・あとがき」の冒頭(①206頁上段~下段3行め・②311頁2~14行め・③357頁2~14行め)に、

 この一〇〇回のエッセイは、昭和四十八年十二月十一日/から四十九年四月十日まで、「夕\刊フ|ジ」に連載したもの/である。
 エッセイの連載というのは毎回違う話を書くわけで、こ/れは甚だ辛い。そういう仕事を引\受け|る気はなかったのだ/が、学芸部長の平野光男さんがなんの予告もなく月光仮面/のオジさ\んのよう|に、突如あらわれては「ヤレ」という。/*4ついに根負けして引受けてしまったが、かなりヤケクソで/新聞連載のときのタイトルを\『すす|めすすめ勝手にすす/め』とつけておいた。
 連載のはじまる直前に、一つの手口をおもいついた。い/ろいろの食物の名を列記しておい\て眺|めていると、なにか/書くことをおもい付く。その内容は、食物のこととはかけ/離れてい\ることが|多いので、書物としてまとめるときに、/『贋食物誌』というタイトルに変えた。*5
 この手口は成功で、私は生れてはじめてといってよいく/らい、気楽に原稿を書くことがで\きた。|山藤章二さんのと【①上】ことにはいつも数回分の余分の原稿が蓄っていたそうで、/彼にイジ\ワルなアイ|ディアを考えるのに十分な時間を与え/たことになる。

とある。「/」は①、「|」は②、「\」は③の改行位置。
 ①単行本は目次も各回も見開き2頁が全て基本となっている。
 ②新潮文庫版のカバー裏表紙、黄土色地で右上、2本の横線に挟まれた間に明朝体横組みで、

鮨屋でトロをたくさん食べるのはな/ぜその店に気の毒であるのか、別府/温泉の城下がれいがいかに美味であ/るか、落花生と南京豆とピーナッツ/は同じものか異なるものか、etc……/たべものを話の枕にして、男女の問/題、少年期の回想、交友、お酒、セ/ックス、ギャンブルその他豊富な人/生経験を自在に語る洒脱なエッセイ。/本文と絶妙なコントラストをなす山/藤章二のイラスト101点も併録する。*6

とあって、バーコードはなく、2本めの横線の下、中央に葡萄マーク、最下部左にゴシック体で小さく「0195-114307-3162」、右に「¥ 320」とゴシック体。
 ③中公文庫版のカバー裏表紙は白地、右上の明朝体縦組みの紹介文には、

泥鰌はなぜどぜうと書くのか、年越蕎麦はな/ぜ、うどんではいけないのか。様々な食物を/話の枕にして、交友、ギャンブル、回想、男/女間の問題などを豊富な人生経験に基づき/語りおろす、洒脱なエッセイ集。本文と絶/妙な掛け合いをなす、山藤章二のイラスト、/一〇一点も収載。

とあって、左上にバーコード2つ「9784122054059/1921195008000」と「ISBN978-4-12-205405-9/C1195 ¥800E/定価本体800円+税]」。(以下続稿)

*1:8月2日追加。

*2:8月2日追記】「発行」と誤っていたのを「十刷」に訂正した。

*3:8月7日追記】『恐怖対談』七刷を見るに番号は「2676」となっていた。

*4:②③はここで段落分け。

*5:②③ルビ「にせ」。

*6:ルビ「しろした」。