瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

水島新司『ドカベン』(26)

鈴木則文監督『ドカベン』(21)
 そうすると、8月24日付(01)に紹介した冒頭の書店のシーン、現在は仕舞た屋で営業しておらず、看板なども掲げていないが、豊島区雑司ヶ谷3丁目16番の分岐で、左は商店街(鬼子母神通り商店睦会)、右が昭和15年(1940)4月18日都指定天然記念物「鬼子母神大門ケヤキ並木」の鬼子母神参道である。建物は白く外壁を塗って2階の戸袋などもそのまま残っている。このケヤキ並木の方から山田が下駄履きで駆けて来る。
 書店の左の向かい(豊島区雑司ヶ谷3丁目3番)にある美容室(看板が写るが斜めからなので店名は読めない)も、看板類を全て撤去しているが特徴ある窓の形もそのままに現存しているが、その右隣の「藤‥‥*1」は普通の住宅に建て替えられている。
 書店の右のはす向かいに店先に「雪印アイスクリーム」の冷凍ショーケースがある駄菓子屋があるが、ここは現在歯医者になっているようだ。
 そして、この冒頭の「朝日奈書店」に『ドカベン』既刊27冊を“大人買い”しに来た男児4人組であるが、一番背が高くて目立っている「Hawks」のユニフォームはやっぱり背番号「17」だった(!)。すなわち、武芳稲荷のシーンの6人のうち、小学校の高学年かと見える背の高い2人を除いた4人なのである。服装も同じで、同日に撮影したのであろうが、ジャンパーを着たりして(ここにいない一番背の高い男児はセーター)まだ寒そうである。そして「わぁー」と言いながら本屋から出て来るのだが、この背番号「17」が1人で27冊を抱えていて、そして何故か振り向いて「あっ、ドカベンだ」と例の大きい看板を指さす。「ドカベンだ」と他の3人も立ち止まって、そして4人で看板の前に並んだところで、やはり背番号「17」が率先して「おい、ドカベン、頑張れよ」と呼び掛けると3人も「頑張れよ」。そこに下駄の音が聞こえて、ここでもやっぱり背番号「17」が1人で「あーっ」と言うので残りの3人もケヤキ並木の方に目を向けると、山田(橋本三智弘)が駆けて来る。山田に似てると思った背番号「17」がまづ1人で口を大きく開けて「あっ」と言うのに続いて残り(2人写る)も大きく口を開けて「あっ」と言う。山田を見送って、看板を振り向くと、看板に描かれていた山田のところが抜けている。「あれぇ〜、ドゥなぁ」と驚くのだが「ドゥなぁ」ははっきり聞き取れない。
 と、ここまで書いて、この冒頭のシーンのロケ地については、モリリンのブログ「まんじフラワーショップ-東映大泉作品ロケ地検証紹介サイト-*2」の2014/10/30「鬼子母神前 豊島区雑司が谷*3に既に検証済みであることに気が付いた。
 この「Hawks」のユニフォームの背番号「17」は原作者の長男・水島新太郎、そして背番号「1」が恐らく次男(?)の水島慶司郎であろう。2本作られたうちの2本めの「特報」に、「東映映画ドカベン主演三役 募 集 審 査 会 場 」の様子が撮影されている*4が、「名誉審査委員長原作者・水島新司」の隣に写っている、グレーのジャケットに白のワイシャツ、赤のセーターの子供2人が、新太郎・慶司郎兄弟だと思われる。(以下続稿)

*1:2文字めは「屋」か

*2:モリリン氏のブログは9月3日付で「ロケ地まち案内-東映大泉作品ロケ地検証紹介サイト-」と改題されているが、しばらく原稿作成時のままにして置く。【10月21日追記】当初「モリソン」としていたが「モリリン」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

*3:2020年4月6日追記】リンク切れになっていたので貼り直した。念のため旧リンクを残して置く。2014/10/30「鬼子母神前 豊島区雑司が谷」。なお、モリリン氏の記事に新たにコメントしたように、2019年7月撮影のGoogle ストリートビューでは、この「朝日奈書店」のあったところは空地になっており、草が生えている。繁茂すると云うほどではないので、2019年の初夏に取り壊されたものと思われる。

*4:8月31日付(04)に紹介した、黒木鉄也の8月2日付tweetに引用されている昭和52年(1977)2月7日付「日刊スポーツ」の記事に拠ると、2月6日(日)に書類選考を通った応募者の審査が東京都練馬区東大泉の東映東京撮影所で行われているが、このときは長島役が決まらなかったとのことなので、この「特報」には13日(日)辺りに行われたであろう追加審査を経て、主演三役が揃った映像を追加したのであろう。