3月10日付(1)の続き。
私が図書館の書棚で以前から目にしていた本書を手にしようと思ったのは、次の洋泉社MOOKを借りたからである。
・「“怪奇”研究読本 怪奇秘宝」洋泉社・定価1400円・240頁・A5判並製本
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2016/08/05
- メディア: ムック
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- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2017/01/18
- メディア: ムック
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- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2017/07/20
- メディア: ムック
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そうこうするうちに、次の本が刊行された。
- 作者: 朝里樹
- 出版社/メーカー: 笠間書院
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本
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それはともかく、先月漸く(?)『怪奇秘宝 「山の怪談」編』(2017年8月20日発行)を借りて来た。副題からして「山の怪談」に充ち満ちているかのように思われるが、山に関係する記事は半分にも満たない。020〜073頁「特集「山の怪談」/奇奇怪怪――「山中」で起きた摩訶不思議な話」の記事8本がメインになるのだけれども、032〜040頁、石川清「【其ノ三】中国山地に存在した"山の民"の村 落武者か、逃散農民か、それとも“サンカ”の末裔か――」、041〜049頁、高橋ユキ「【其ノ四】つけびして煙り喜ぶ田舎者 現代の“八つ墓村”と称された大量殺人事件の真実」そして061〜069頁、加藤宗一郎「【其ノ七】三重県山中に存在した「ニホンオオカミ」の痕跡 “変な犬”を飼っていたひとりの男」のような、怪談でない真面目なルポルタージュが特集頁の大半を占めており、050〜057頁、本城達也(ASIOS代表)「【其ノ五】「ディアトロフ峠事件」と「雪男」 ロシアの雪山で起きた怪事件」は、巻頭のカラー頁(001〜016頁)の記事3本の1本め、002〜004頁、本城達也(ASIOS)「謎多き「ディアトロフ峠事件」」にも事件の概要と死亡したメンバー1人1人が紹介されているが、これも事件ではなく事故(雪崩)であったとする説の紹介で、やはり怪談ではないのである*1。
カラー頁の2本め(005〜007頁)は石川清「墓春にして草木深し――消えゆく「三十人殺し」の遺稿 現地ルポ「津山事件」の現在*2」そして3本め(008〜017頁)が本橋信宏 取材・文「異色のベストセラー『山怪』著者・田中康弘インタビュー*3」である。(以下続稿)
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いよいよ馬鹿馬鹿しくなって来た。そもそも森友の問題が出て来たとき、こんなことだと分かっていただろう。こんな当たり前の筋が引けずに希望的観測で人を口汚く罵り続けて来た連中に「絶望した!」――今月頭の朝日新聞のスクープが出たとき、追随する報道機関がしばらく出なかったことにも唖然とした。この期に及んで因果関係が分からない、などと言っている人がいるが、こんなに分かりやすい事例もあるまい。分かりたくないから分からないので、そしてこのままトップが辞任せずに済むなら、そのときこそ与党は終わったと思うべきであろう。
別に、この期に及んでも与党支持だなんて許せないとか信用出来ないとか、そんなことは思わない。――私が以前から不思議に思っているのは、返り咲いてからの総理の態度が始終あの通りなのに、何故あれが信用出来るのか、と云うことなのだ。いや、むしろ与党支持者こそ、もっと真面目にやってくれないと困る、選挙に勝ちゃあそれで良いのか、と怒りの声を挙げるべきだのに、一向にそれが聞こえて来ない。野党支持者の御花畑振りを嘲笑うような声ばかりである。2015年9月16日付「山岸凉子『アラベスク』(19)」や2012年12月29日付「宮尾登美子『一絃の琴』(1)」に述べたように、私は現政権を支持しないし信用していないが、特に野党支持者と云うのでなし、仮に与党支持者でもあの総理では嫌だと思うのである。
しかし、TVのコメンテーターの醜態は(と云って、番組を見ていた訳ではないのだが)どうだ。これまでも所謂コメンテーターの役に立たぬことは2015年9月14日付「断片と偏り」に、それから2014年9月30日付「「ヒカルさん」の絵(1)」2014年10月27日付「浅間山の昭和22年噴火(19)」2017年10月22日付「水島新司『ドカベン』(31)」の、それぞれの記事のついでに余談として述べたことがあるのだけれども、これからは専門家だけを呼べば良いと思う。せいぜい主題ごとに招んだ専門家に素人代表として質問する程度で良かろう。尤も、専門家と云われる人たちにも怪しげな輩が少なくないのだけれども。