瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Agota Kristof “Le Grand Cahier” (07)

アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳『悪童日記』(7) 文庫版カバー著者紹介①
 6月4日付(05)の続きで、文庫版のカバー裏表紙折返しについて*1。『ふたりの証拠』及び『第三の嘘』の文庫版カバー裏表紙折り返しについても序でに見て置く。
 上部の写真には版によって明かったり暗かったりするが、右側下寄せでゴシック体縦組みで小さく「アゴタ・クリストフ」と添えてあるのは同じ。下にも左寄せで2行あるが、改装前の『悪童日記』初刷・十一刷『ふたりの証拠』初刷・二刷『第三の嘘』初刷は「写真禁転載)/© Hayakawa Publishuing,Inc.」となっていたが、6月3日付(04)等に触れた柏原氏のカバーへの改装後は「写真(禁転載)/© Hayakawa Publishuing Corporation」と変わっている。
 2行分空けて以下はやや横長のゴシック体横組みで、1行めには左寄せで「著者紹介」とあり、続いて2行め以下の本文も同じ字体で改装前のカバーでは2段落、『悪童日記』初刷の1段落めを見て置こう。『ふたりの証拠』初刷・二刷もこの段落は字配りも一致、「/」が改行位置である。

アゴタ・クリストフは1935年ハンガリー生|ま/れ。1956年のハンガリー動乱の折りに|西/側に亡命して以来、スイスのヌーシャテ|ル/市に在住している。


悪童日記』十一刷と『第三の嘘』初刷は同文だが、字配りが異なり「|」が改行位置である。
 さて、著者の死後に行われた改装後のカバーでは、2〜3行めは『悪童日記』十一刷と『第三の嘘』初刷に同じだが、4行めが余裕を持って組まれ、

‥‥/西側に亡命して以来、スイスのヌーシャ/テル市に暮らした。‥‥


となっていて、改装前では段落を分けていた作家活動に関する記述にそのまま続けている。(以下続稿)

*1:7月3日追記】以下、6月29日付(10)まで、見出しが「カバー著者紹介」となっているが、ここにあるように「文庫版のカバー裏表紙折返し」にある「著者紹介」である。単行本のものと区別するために、6月29日付(10)までの見出しに「文庫版」を補った。