瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Agota Kristof “Le Grand Cahier” (08)

アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳『悪童日記』(8) 文庫版カバー著者紹介②
 昨日の続きで、カバー裏表紙折返しにある「著者紹介」について、改装前の2段落め(6行め以下)の前半を見て置こう。二重鍵括弧は半角である。
 まづ『悪童日記』初刷の13行めまで。

1986年にパリのスイユ社から世に送り出/したフランス語の処女小説の本書によっ/て一躍脚光を浴びた。その後、続篇にあた/る『ふたりの証拠』(88)『第三の嘘』(91)/を発表して三部作を完成させ、力量ある第/一級に作家としての地位を確立した。これ/らの作品は世界20カ国以上で翻訳され、/数多くの熱心な読者を獲得した。‥‥


悪童日記』十一刷は仮に灰色太字にした箇所が追加されている。14行めの頭まで。

1986年にパリのスイユ社から世に送り出/したフランス語の処女小説の本書『悪童日記』によって一躍脚光を浴びた。その後、/続篇にあたる『ふたりの証拠』(88)『第/三の嘘』(91)を発表して三部作を完成させ、/力量ある第一級に作家としての地位を確立し/た。これらの作品は世界20カ国以上/で翻訳され、数多くの熱心な読者を獲得し/た。‥‥


『ふたりの証拠』初刷・二刷についても、『悪童日記』初刷との異同を灰色太字にして抜いて置こう。14行めの頭まで。

1986年にパリのスイユ社から世に送り出/したフランス語の処女小説の悪童日記/によって一躍脚光を浴びた。その後、続篇/にあたる本書『ふたりの証拠』(88)『第三/の嘘』(91)を発表して三部作を完成させ、/力量ある第一級に作家としての地位を確/立した。これらの作品は世界20カ国以上/で翻訳され、数多くの熱心な読者を獲得し/た。‥‥


『第三の嘘』初刷も同様に、14行めの頭までを抜いて置こう。

1986年にパリのスイユ社から世に送り出/したフランス語の処女小説の悪童日記/によって一躍脚光を浴びた。その後、続篇/にあたる『ふたりの証拠』(88)、本書『第/三の嘘』(91)を発表して三部作を完成させ、/力量ある第一級に作家としての地位を確/立した。これらの作品は世界20カ国以上/で翻訳され、数多くの熱心な読者を獲得し/た。‥‥


 作者没後、柏原氏のカバーに改装後の当該部分、『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』の、それぞれ5〜14行めの頭までを見て置こう。異同は改装前の異同と同じくそれぞれの書名の前に冠されている「本書」の位置である。以下の引用では「本書」を省略し、改行位置のみ『悪童日記』は「/」『ふたりの証拠』は「\」『第三の嘘』は「|」で示し、3点共通する場合は「」とした。

‥‥。1986年にパリのスイユ社から世に送り出したフランス語のデビュー小説である『悪童日記』*によ/って\|一躍脚光を浴び、その後、1988年に/続|篇\の『ふたりの証拠』*、1991年に『第/|三\の嘘』*を発表して三部作を完成させ、/|力\量ある第一級に作家としての地位を確/|立\した。これらの作品は世界20カ国以上/|で\翻訳され、数多くの熱心な読者を獲得した。‥‥


「*」は上付きで、説明は末尾にある。(以下続稿)