瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小金井喜美子『森鴎外の系族』(5)

 さて、1月13日付(4)に見た写真についてはその多くが『新潮日本文学アルバム』(新潮社・四六判上製本)に掲載されているはずだと思って、対照して見た。
・新潮日本文学アルバム 1『森鴎外

・一九八五年二月十五日印刷/一九八五年二月二十日発行(111頁)定価980円
・一九八五年 二 月二〇日発行/一九九三年 五 月一〇日九刷 定価1117円*1
・一九八五年 二 月二〇日発 行/一九九九年 一 月三〇日一二刷 定価1200円
 竹盛天雄 編集・評伝。
 口絵1頁めの写真は97頁「明治30年、前列左より鴎外、弟篤次郎、後列左より賀古鶴所、青山胤通、小金井良精」を加工したもので、元の写真は全身像であるが膝から下をカット、そして背景は2人が掛けている背凭れに布を掛けた椅子を残して、後列の人物を削除している。
 口絵5頁めの集合写真は66頁上に上を大きくカットして掲載されている。前列右から4人め「亀井家家老/清水格亮夫人」が「清水あや/(亀井家家令妻)」と名前が明らかにされている。
 口絵6頁め、上右の父、上左の母の写真は6頁上右、上左にそれぞれ掲載されている。祖母の写真はない。

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 単行本四三七〜四三八頁「後   記」は、文庫版四三八頁2行めに1字下げでやや大きく「昭和十八年四月」、3行めは27字半下げて下寄りに大きく「小金井喜美子」とあって、文庫版447〜448頁「後 記」は448頁2行めに2字下げでやや小さく「昭和十八年四月」、3行めは31字下げで「小金井喜美子」とあって、以下余白であるが、単行本は4行めに11字下げで9字分の縦線(3.1cm)で仕切って、1行分空けて大きく「著 者 略 歴」。半行分強空けてやや小さく、2字下げ、3字上げで、

明治四年、島根縣津和野に生る。
明治六年上京、向島牛島小學校から千住小學校卒業、明治廿一年お茶の水高等女學校を卒業す。/東大教授小金井良精に嫁す。*2
長兄森林太郎主宰の「柵草紙」に寄稿す。明治三十年、森林太郎と共著「かげ草」を春陽堂より/刊行す。
昭和初年より、與謝野寛、晶子氏に師事して。和歌の添削を受くる傍、雜誌「冬柏」に文章を連/載して、今日に至る。
昭和十五年、歌集「泡沫千首」を刊行す。自家出版たり。

とあって、1月14日付「小金井喜美子『鴎外の思ひ出』(4)」の奥付にある「著 者 略 歴」の原型と云うべきものである。
 奥付、検印紙(1.7×2.2cm)のみ白い。茶色で図案が印刷され、朱文楕円印(1.3×1.0cm)があって印文は「喜美子」上右に「七」が3つの「喜」上左に「美」下に小さく「子」。『鴎外の思ひ出』の検印紙に捺されている印とは異なる。(以下続稿)

*1:2019年2月1日追加。

*2:【2022年11月16日追記】当初「教」は正字で入力していたが、はてなダイアリーから移転した際に「繁」に文字化けしていたので新字に改めた。