昨日の続き。
当ブログの初期に参照してリンクを貼付したサイトの中には、リンク切れになっているページも少なくなく、その中には移転して存続しているページもあるけれども、跡形もなく消えてしまったページもある。そんな中で最初期の2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など(1)」に参照した「文學ト云フ事」愛好者が作成した大変充実したページが、yen-rakuウェブサイト「interzone」に「『文學ト云フ事』アーカイヴズ」と改題してそのまま残っているのが嬉しい。
この番組は30分番組で、その最初の方と最後の方に「予告編」が流される。現在、某巨大動画サイト等で予告編は全編視聴することが出来る*1。しかし、それ以外の部分が結構あって、その構成はやはり「『文學ト云フ事』アーカイヴズ」の「「文學ト云フ事」タイムテーブル・各コーナーの説明」に大体のフォーマットが示されている。
このページは各回ごとの紹介も充実していて、平成6年(1994)8月30日(31日未明)放映「第17回 川端康成『朝雲』 」を見ても察せられるように「名科白集」は引用された原文をそのまま、「登場スル人物」及び「作品ノ解説」はキャプションをそのまま示している。しかし、無声映画風の白黒で俳優が小説の1場面を再現して見せる名場面は本放送以来見る機会がなく、僅かに第5回・第11回そして第17回はかつて予告編と名場面を10分にまとめた動画が投稿されていたのを見たことがある。最近になって第12回・第15回・第17~19回は文學ノ予告人(ベテラン俳優)や解説の先生(声:片岡K)がでたらめのお喋りをする場面も含め視聴することが出来た*2。
さて「作品ノ解説」の冒頭に「『朝雲』は、昭和20年に出版さ/れた同名の短編集に収められた。」とのキャプションが、作者の写真の下に横組みで表示されるのだが、これは少々説明が不足している。この番組では新潮文庫版を使用しているのだが、その「解説」では初出について触れていなかったためである。
昨日の午後に閲覧した『川端康成全集』第七卷では、585~602頁「解 題」2段組、589頁上段14行め~下段「朝雲*3」には、上段15~17行め、
「新女苑」昭和十六年二月號(第五卷第二號)に發/表された。文末に「(或る少女の手記より)」と記さ/れてゐる。
とあって、太宰治「女生徒」のように下敷きがあったのである。
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ちなみに作品の本文は209頁(頁付なし)扉、上部中央に「朝 雲」裏は白紙、211頁から本文で1頁19行、1行43字、231頁(2行め)まで。211頁は初め6行分空ける。(以下続稿)
*1:但し本放送時のものではなく、第22回(最終回)「文學ト云フ事スペシャル」で流されたものである。
*2:細かく説明すべきではないので纏めてしまったが、第12回「斜陽」は11年前から存している。