瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

川端康成『朝雲』(4)

 今日は一昨日立ち寄ったのとは別の、貸出券を持っている別の市立図書館に行って川端康成全集』第七卷(昭和五十六年一月二十日發行/昭和五十八年三月 五 日三刷・定價四〇〇〇圓・新潮社・602頁・四六判上製本)を借りて来た。3月24日付(2)に挙げた平成11年(1999)版とは、装幀も同じだし、3月25日付(3)の後半に挙げた本文や「解題」の記述も同じなので、平成11年(1999)版はこの昭和56年(1981)版の増刷だと思うのだけれども、平成11年(1999)版(の奥付)には特にこのことについて注意されていなかった。新潮社の出版物は、新潮文庫は改版の年月日を示しているのに、何故か現在刊行中の『新潮日本古典集成』新装版にも旧版の刊行日を載せていない。内容を検討する上で必要な情報で、今は居ながらにして調べられるのだけれども、やはり本そのものにしっかり記載するべきだと思うのである。
 今回はまづ、3月23日付(1)に参考までに貼付した、昭和21年(1946)版についての記載を川端康成全集』第七卷の「解 題」589頁下段2~9行めから抜いて置こう。

‥‥/『朝雲』(昭和二十年十月二十五日、新潮社刊)に、/初めて收められた。なほ、同書に收録されてゐるの/は、他に「故人の園」「冬の曲」「十七歳」「わかめ」/「小切」「父の名」「寒風」の七篇であるが、翌昭和二/十一年四月十二日に、同名の創作集『朝雲』が、同/じ装幀で同社より刊行された。これには、「ざくろ」/「插話」の二篇がさらに加へられ、作品の配列の順序/も變更されてゐる。また、‥‥


 この市立図書館では2010年3月7日に新潮文庫213『花のワルツ』五十刷を書庫から出してもらって、12日に(「朝雲」は3月11日に)読み終えたのだが、当時大分草臥れていたこの本は除籍されていた。『花のワルツ』は近年増刷されていないので、買い替えられていない。(以下続稿)