瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『夢で田中にふりむくな』(4)

・典拠(1)
 233〜235頁「話のもとになった資料」に拠りながら、内容と出典を確認して置こう。
 233頁、天から中央やや下まで黒地の短冊状(11.7×0.6cm)になった下部にゴシック体白抜きで「話のもとになった資料」とあって、以下2段組で『不思議な世界を考える会会報』は1号ごとに1行分ずつ空けている。ここでは例として、233頁上段2~13行め、冒頭の5項を原文のまま抜いて置こう。同一典拠から複数話を引いた場合に「/」を使用しているので改行位置は「|」で示した。

不思議な世界を考える会会報』5号(不思議な世|界を考える会、1986年5月)●「外国の話」――|もうひとり乗れます/あとひとり乗れるよ、乗らな|いか
 
8号(87年1月)●「外国の話」――鏡のゲーム
 
9号(87年4月)●「外国の話」――夜道の連れ
 
15号(89年2月)●「私たちの百物語」――ニュー|ヨークの地下鉄で
 
17号(89年9月)●「ヤングの知っているこわい|話」岩倉千春編 東邦大学1年――ひいた相手は|常光徹編 東京都久留米市下里中学校1年――ブ|リッジ


 以下、これに依拠しつつ細目を示すこととする。作業量が多いので4回に分割するが、今回は『不思議な世界を考える会会報』から抜いたものの前半を上げて置こう。見易くするために太字にした話の題で一々改行し、括弧に頁と行を添えて置いた*1。かかる処理を抜いて「|」で改行するように調整すれば、原型が復元出来るはずである。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

不思議な世界を考える会会報』5号(不思議な世|界を考える会、1986年5月)●「外国の話」――|
もうひとり乗れます/(122~123頁13行め・)第6章(17))*2
あとひとり乗れるよ、乗らないか(123頁14行め~124頁15行め・第6章(18))*3
 
8号(87年1月)●「外国の話」――
鏡のゲーム(49頁13行め~50頁17行め・第3章(6))*4
 
9号(87年4月)●「外国の話」――
夜道の連れ(77~78頁8行め・第4章(20))*5
 
15号(89年2月)●「私たちの百物語」――
ニューヨークの地下鉄で(97頁10行め~98頁7行め・第5章(15))*6
 
17号(89年9月)●「ヤングの知っているこわい|話」
岩倉千春編 東邦大学1年――
ひいた相手は|(186頁2行め~188頁2行め・第10章(2))
常光徹編 東京都久留米市下里中学校1年――*7
リッジ(176頁1~9行め・第9章(8))
 
18号(89年11月)●「ヤングの知っているこわい|話」(2)
岩倉千春編 東邦大学1年――
何分か後の自分 (188頁3~10行め・第10章(3))
米屋陽一編 日出学園高等学校2年――*8
まえだ(1)/(105頁・第6章(1))
おまえだ(3)(106頁14行め~107頁9行め・第6章(3))
常光徹編 東京都|文京区茗台中学校――
四隅のゲーム(190頁10行め~191頁8行め・第10章(6))
【233上】
19号(90年4月)●「私たちの百物語」渡辺節子編|――
声がする(98頁8行め~99頁5行め・第5章(16))
「ヤングの知っているこわい話」(3)|
岩倉千春編 文京女子短期大学1年――
窓から手を振る/(93頁6行め~94頁9行め・第5章(11))
死ねば良かったのに(2)/(118頁13行め~119頁8行め・第6章(12))
追ってくるブ/(175頁3~13行め・第9章(7))
車に手形/(203頁6行め~204頁1行め・第11章(4))
足をつかむ手(208頁11行め~209頁15行め・第11章(10))
 
20号(90年7月)●「ヤングの知っているこわい|話」(4)
上田渡編 信州豊南女子短大(2)――|
壁の爪あと(1) (70頁3行め~72頁4行め・第4章(14))71頁挿絵
岩倉千春編 東邦大学(3)|――
こんどは落とさないでね(87頁1~11行め・第5章(3))
 
23号(91年4月)●「私たちの百物語」渡辺節子編|――
星見る少女/(60頁1~11行め・第4章(2))
壁の爪あと(2) /(72頁5行め~73頁4行め・第4章(15))*9
ランニング幽(110頁1行め~111頁2行め・第6章(6))
「ヤングの知っているこわい話」(7)
岩倉千春|編 文京女子短大――
まりをつく子 (176頁10行め~177頁5行め・第9章(9))
常光徹編 東|久留米市立中里中学校――*10
おまえがやったんだ(45~46頁6行め・第3章(1))
 
27号(92年4月)●「ヤングの知っているこわい|話」(10)
大越麻弥編 東北学院大学――
もどってくるスヌーピー (152頁3~16行め・第8章(6))*11
岩倉千春編 文京女子短大――
るんじゃねえ(67頁4~13行め・第4章(10))
 
28号(92年7月)●「ヤングの知っているこわい【233下】話」(11)
岩倉千春編 文京女子短大――
ロッカーに隠れて/(150頁8行め~152頁2行め・第8章(5))151頁挿絵
なんだよ/(155頁8行め~156頁4行め・第8章(10))
先輩がもうひとり/(161頁5~13行め・第8章(16))
スキー場の穴/(178頁3~14行め・第9章(11))
押し入れにばばあ(220頁13行め~221頁4行め・第12章(5))
 
29号(92年10月)●「私たちの百物語」渡辺節子編|――
幻の姿見/(49頁1~12行め・第3章(5))
わっ/(69頁12行め~70頁2行め・第4章(13))
お母さんをおんぶ (107頁10行め~108頁12行め・第6章(4))
「ヤング|の知っているこわい話」(12)
米屋陽一編 日出学|園中学――
ノックしても開けるな(95頁5行め~96頁7行め・第5章(13))

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 それぞれの話が収録されている章は、頁を2017年2月12日付(3)に示した章立てと対照させれば分かるはずである。【2月4日追記】入力漏れがないか確認するついでに、(頁・行)の後に章と( )に章ごとの収録順も添えて置いた。
 さて、この「不思議な世界を考える会会報」は図書館や、会員の勤務先などにも所蔵がなく一般人の閲覧はほぼ不可能である。そんな中で本書は掲載時期や、編者が蒐集した学校や学年についての情報まで得られるのが、他書の引用と違って私にとっては有難い。――私は変な話は好きだけれどもそんな「世界」を「考え」ようとは思っていないので、話の典拠情報の確認のためだけに入会しようと思えないのである。
 当初は「外国の話」の紹介で、平成に入ってから「ヤングの知っているこわい話」や「私たちの百物語」で積極的に同時代に行われている怪異談の紹介を始めたらしい。しかし「ヤング」とは、当時ヤングだった私にしても死語みたいな感じで、「ナウなヤング」なんてのはそれこそ私らよりも一回り上、「新人類」呼ばわりされた世代辺りを指しているのではないか。(以下続稿)

*1:2月4日追記】章と収録順も追加した。

*2:目次・本文には題下に(イギリス)とあり。

*3:目次・本文には題下に(アメリカ)とあり。

*4:目次・本文には題下に(アメリカ)とあり。

*5:目次・本文には題下に(イギリス)とあり。

*6:目次・本文には題下に(アメリカ)とあり。

*7:「東京都久留米市」は「東京都東久留米市」の誤り。

*8:日出学園中学校・高等学校は、千葉県市川市の学校法人日出学園が運営する私立中学校・高等学校(共学校)。なお、東京都目黒区の学校法人日出学園が運営するのは「日出学園女子中学校・高等学校」で2001年に「日出高等学校」に改称、2005年に高校普通科が共学化、2006年に中学も共学化して「日出中学校」に改称、さらに日本大学と準付属契約を結び今年度(2019年4月)から「目黒日本大学中学校・高等学校」に改称している。

*9:目次・本文には題下に(韓国)とあり。

*10:東久留米市立中里中学校」は存在しない。前出「下里中学校」が正しい。

*11:目次・本文は「戻って‥‥」。