瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介旧居跡(23)

 昨日の続き。
・北区立田端図書館(1)
 今「田端」と聞くと、私のような余所者には、JR東日本の山手線・京浜東北線の田端駅が想起されてしまうので、田端駅から離れている田端図書館に若干違和感を覚えてしまうのだが、田端駅のある台地の下は明治の半ばまで田圃が広がっていて民家は殆どなく*1芥川龍之介旧居跡のある台地上もやはり明治の半ば*2まで畑ばかり、田端村の集落は台地の南西側、寺院や神社のある辺りにあって、その意味で赤紙仁王に近い北区立田端図書館はまさに田端の本来の中心地近くに位置しているのである。
 さて、この図書館は蔵書数は少ないながら、田端文士村コーナーがあって、芥川龍之介など田端に関係する昭和期に刊行された本で、他の市区の図書館では中央図書館の閉架や保存書庫に収まっているようなものが開架(多分閉架はない)になっている。北区立図書館は在住・在勤を利用条件にしていないので、借りることも出来る。
 そこで芥川龍之介に関する本を幾つか眺めているうちに、芥川龍之介関係書が配架されている背の低い棚の上に、チラシやパンフレットを挿したカタログスタンドがあることに気付いた。別に「ご自由にお取り下さい」とも何ともないが、現在開催中の田端文士村記念館の企画展「田端の大運動会」のチラシや関連行事「2019年度 第8回田端ひととき散歩/スポーツをする文士芸術家たち~意外な運動神経とは~」及び野球殿堂博物館学芸員井上裕太の講演会「野球の歴史と田端文士たち」のチラシもあるから、自由に取って良いのだと思われる。――なお、昨27日(木)に「新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため」、3月15日(日)のひととき散歩は中止、3月22日(日)の講演会は延期になってしまった。
 なんで自由に取って良いのか気になったのかと云うと、やや古びたアート紙の冊子が幾つかあったからで、明らかに昨今の発行ではなく、中には1冊しかないのもある。――以前来たときも見たと思うのだけれども、当時は特にこういうものが欲しいと思わなかったせいか、眺めるだけで戻したように思う。しかし今は芥川龍之介旧居跡なぞに興味を覚えてしまったものだから、やはり躊躇しながらも1部ずつもらって置くことにした。
 アート紙、B5判中綴じの冊子は4種、うち、以下の3種は表紙の下部に丸ゴシック体横組み「北区立田端図書館」とあり、最終頁の奥付に「編 集 東京都北区立田端図書館/発 行 東京都北区立中央図書館」とある。
・「田端ゆかりの文化人(その1)」田端文士村 第2集(20頁)
・「田端の想い出」田端文士村 第3集(20頁)
・「大衆に愛された作家・趣味人たち」田端文士村 第7集(28頁)
 奥付に発行年が入ってないが、時期については推測の手懸りがある。これは次回述べることとしよう。
 さらにもう1種、こちらは表紙の下部に明朝体横組みで「東 京 都 北 区」とあり、奥付には「編 集  東京都北区教育委員会社会教育課」とある。
・「田端文士芸術家村」調査報告 第 2 集(昭和62年7月31日発行・32頁+折込地図)
 中綴じ冊子だから頁がいづれも4の倍数になっている。(以下続稿)

*1:現在の田端新町3丁目の北端、23・29・30番辺りに何軒か存したのみ。

*2:田端駅の開業は明治29年(1896)。