瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

田辺聖子『女の長風呂』(1)

 さて、当ブログに今月上旬、11月7日付「安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(1)」及び11月8日付「安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(2)」、11月10日付「平成厠研究会 編『トイレでホッ!』(1)」に、2種3冊の便所・糞尿関連本を取り上げたのは、その前の11月6日付「赤いマント(299)」に予告した「田辺聖子の赤マント」について掘り下げるためでありました。『ウィタ・フンニョアリス』と『トイレでホッ』は、収録作品が5点共通しています。うち1点が田辺聖子「おべんじょ」なのですが、これに赤マントに触れたところがあるのです。『ウィタ・フンニョアリス』には初出が示してありませんでしたが『トイレでホッ』の方には「(『女の長風呂Ⅱ』文藝春秋・一九七七年)」とあります。――これは初出・初刊ではなく文庫版の標題及び刊年なので、出典(底本)と云うべきなのですが、とにかく『女の長風呂』を見てみようと思ったのです。
 『女の長風呂』は長年「週刊文春」に連載されていたエッセイ・シリーズの最初の2冊で、シリーズ全てを一度に揃えるのは現状では難しいので、差当り『女の長風呂』と題する2冊を確認して置きましょう。
・『女の長風呂』文藝春秋・268頁

女の長風呂7

女の長風呂7

  • 作者:田辺聖子
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
・一九七三年 二 月 十 五 日第 一 刷・一九七七年十一月二十五日第十八刷・定価 七九〇円
・一九七三年 二 月十五日第 一 刷・一九八二年 五 月二十日第二十五刷・定価 八五〇円*1
 何故かAmazon詳細ページの表題が「女の長風呂7」になっていますが第7巻などはないので、何故数字が混入したのかは謎です。
 カバー表紙は上部に横長の明朝体の横組みで、まづ桃色で標題、その下に薄い水色(褪色か)で著者名。そして金で描いた薔薇などの花々の縦長の楕円の枠に、桃色で型板ガラス越しに恐らく裸の女性。肩に長髪を垂らし、2つの胸の膨らみ、そして大股開きで、左手を左の膝に乗せているようですが、ぼやけているので目鼻の位置がぼんやり分かる程度です。
・『女の長風呂文藝春秋・276頁
女の長風呂 続

女の長風呂 続

・一九七四年 一 月三十日 第 一 刷・一九七七年十一月二五日 第 八 刷・定価 七九〇円*2
・一九七四年 一 月三十日 第 一 刷・一九八〇年十二月十五日 第十一刷・定価 八五〇円
 カバー表紙は『女の長風呂』の色違いで、標題は茶色で右に薄い茶色で「続」と添え、著者名は黄土色。花の枠は銀色で硝子越しの女性の裸体は茶色。
 奥付の前の「■著者略歴」は『女の長風呂』に一致。
・文春文庫『女の長風呂』文藝春秋
女の長風呂 (文春文庫 153-3)

女の長風呂 (文春文庫 153-3)

・1976年8月25日 第1刷(237頁)
・1993年2月20日 第28刷・定価369円
・文春文庫『女の長風呂Ⅱ』文藝春秋
女の長風呂〈2〉 (1977年) (文春文庫)

女の長風呂〈2〉 (1977年) (文春文庫)

・1977年3月25日 第1刷(253頁)
・1992年6月15日 第19刷・定価369円
 カバー表紙は単行本同様、同じ柄の色違いである。最上部の標題は『女の長風呂』は青紫、これに「Ⅱ」と添えた『女の長風呂Ⅱ』は深緑、単行本の標題を縮小。その下、右寄せの著者名は黒で、単行本と大きさも同じ。光の当て方を変えて撮影したらしい線描画の周囲の枠が、『女の長風呂』は緑、『Ⅱ』は橙色。最下部に「文春文庫」。
 私の見た2冊は同じ時期の増刷なのでカバー表紙折返しの著者紹介文と、カバー裏表紙折返しの「文春文庫 田辺聖子作品リスト」は一致。(以下続稿)

*1:【12月8日追記】「第二十二刷」と誤っていたのを訂正した。

*2:12月14日追加。