瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(2)

・奥付(1)
 文字は全て明朝体で横組み。
 第1刷と第2刷の異同は、第1刷の発行日の下に第2刷の発行日が追加されていることと、発行者の住所のうち「東京都千代田区神田一ツ橋2―3」と詰まっていたのが第2刷では「東京都千代田区神田一ツ橋 2―3」となって、若干左から始まっていることです。
 第2刷と第4刷の異同は、上部の著者紹介のうち学歴と現在の肩書き、第2刷の発行日が第4刷のそれに代わっていること。
 第9刷は組み直されて、全く異なっています。第10刷も同じレイアウトですが組み直されていて、10年を経て著者紹介を中心に違っているところが多くなっています。
 上部の著者紹介から見て置きましょう。まづやや大きく著者名、半行分空けて以下1字下げで、第1刷には、

1930年大阪市に生まれる
1961年東京大学大学院生物系研究科人
 類学修士課程卒業
専攻―文化人類学
現在―東京大学大学院社会学研究科博
   士課程在籍

とあり、第2刷も同じです。第4刷は生年生地は同じで以下が、

1967年東京大学大学院社会学研究科
 博士課程卒業
専攻―文化人類学
現在―オーストラリア国立大学
   太平洋地域研究所所員

となっております。第2刷は1968年刊行ですので「博士課程卒業」と入れられたと思うのですが対応しておりません。第3刷はどうなっていたでしょうか。
 1969年刊行の第4刷から9年を経た1978年刊行の第9刷は、

1967年東京大学大学院社会学研究科
   博士課程卒業
専攻―文化人類学
現在―金沢大学助教
   国立民族学博物館併任教官
著書―「Leadership and Socio-economic
   Change in Sinasina, New Guinea
   Highlands」
   「われらチンブー―ニューギニア
   地人の生命力」
訳書―ミードサモアの思春期」(共訳)


 1988年刊行の第10刷は「現在」以下を抜いて置きましょう。

現在―中部大学教授
著書―「Leadership and Socio-economic
   Change in Sinasina, New Guinea
   Highlands」
   「ニューギニア高地社会」(中公文庫)
訳書―ミードサモアの思春期」(共訳)
   M.ミード「フィールドからの手紙」

Letters from the Field, 1925-1975

Letters from the Field, 1925-1975

  • 作者:Mead, Margaret
  • 発売日: 1977/11/01
  • メディア: ハードカバー
サモアの思春期』も『フィールドからの手紙』もマーガレット・ミード(Margaret Mead、1901.12.16~1978.11.15)の著書なので、後者にのみ「M.」とあるのは少々落ち着きません。(以下続稿)