瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(1)

 北杜夫『南太平洋ひるね旅』で、10月31日付「赤いマント(293)」に見たようにタヒチではしばしば行を共にし、11月2日付「赤いマント(295)」に見たようにサモアについて助言を与えた、H嬢こと畑中幸子の、初めての著書です。
 これも、現在私が通っている6つの市区の図書館に所蔵される6冊を揃えることが出来ました。但し第10刷が2冊で以下の5点になります。
岩波新書(青版)653

南太平洋の環礁にて (1967年) (岩波新書)

南太平洋の環礁にて (1967年) (岩波新書)

南太平洋の環礁にて (岩波新書 青版 68)

南太平洋の環礁にて (岩波新書 青版 68)

・1967年8月21日 第1刷発行 ©(222頁)
・1967年8月21日 第1刷発行 ©/1968年3月10日 第2刷発行
・1967年8月21日 第1刷発行 ©/1969年7月10日 第4刷発行
・1967年8月21日 第1刷発行 ©/1978年11月20日 第9刷発行 ¥320
・1967年8月21日 第1刷発行 ©/1988年5月18日 第10刷発行 定価480円
 第9刷まではカバーが掛かっていません。第10刷でカバーが掛かります。第1刷・第2刷・第4刷には定価の記載がありません。
 表紙、第1刷・第2刷・第4刷の地色は青緑、第9刷・第10刷は緑色に見えます。異同は一番下に入っている数字で、第1刷・第2刷・第4刷はオールドスタイルの数字「653」、第9刷はゴシック体「653」、第10刷のカバー表紙はゴシック体「F 68」。
 背表紙、上部に明朝体で標題、中央やや上にやや小さく「畑 中 幸 子 著」、下部に表紙の地色と同じ色で南天のマーク、最下部に第2刷はオールドスタイルの横並びで「653」とあります。第1刷・第4刷は貼付されている分類票のため、南天のマークもこの数字も確認出来ませんが、多分同じでしょう。第9刷はマークの下、少し空けて「F/68」とあり、また少し空けて最下部にゴシック体横並びで「653」とあってそのすぐ下に表紙の地色と同じ「*」。第10刷のカバー背表紙は最下部に「68480」と4段。
 裏表紙、第1刷・第2刷・第4刷は左下にランプのマークがあるのみ。第9刷は同じ位置にマークがあってその下に「¥ 320」の定価。第10刷のカバー裏表紙はマークの位置がやや上になって下に「定価480円」さらに「ISBN4-00-415068-X C0225 ¥480E」とあります。
 第10刷のカバー表紙折返しは白地で、右上寄りに縦組みで以下の紹介文。

南太平洋の環礁にて
二カ月に一度しか機帆船が廻ってこず、椰子からとれるコ/プラで経済を支えている小さな孤立した珊瑚礁の島プカル/ア。単身この島に棲み込むこと一年半。自給自足のきびし/い自然の中で、島民と生活を共にしながら、彼らの社会構/造をさぐり、外部の近代社会とのつながりをみきわめよう/と試みる。


 第10刷のカバー表紙折返しは白地で、上部に飾り線(4.0cm)があって、その下に縦組みで「岩波新書から」として、「モゴール族探検記 梅棹忠夫著 F60エスキモー ―極北の文化史 宮岡伯人著 黄364インドで暮らす 石田保昭著 F32集落への旅 原 広 司著 黄374戒厳令下チリ潜入記 / ―ある映画監督の冒険― G・ガルシア・マルケス後  藤  政  子訳 黄359」標題は明朝体太字、5点めの副題は左にはみ出しています。
 頁付なしの四隅にアネモイをあしらった岩波新書の扉は一致、枠内の文字は第1刷・第2刷・第4刷の表紙に同じものを小さくして収める。裏は白紙。
 次いでアート紙の口絵写真、表に1つ、裏は上下2つで第10刷まで一致。
 前付ⅰ頁「プカルア」の地図、第1刷・第2刷はスケールバーがありませんでしたが第4刷には環礁の下左に6000m分のスケールバー(5000m=2.6cm)を入れ、これに合わせてか、地図を縮小して左上(北西)から右下(南東)までの長径が第1刷・第2刷では 9.7cm だったのが 8.3cm となっており、第9刷・第10刷も同じです。
 前付ⅱ~ⅲ頁「目  次」は一致。
 前付ⅳ~ⅴ頁見開きはマルキーズ(マルケサス)諸島を除くフランス領ポリネシアの全図で、横の寸法は測りにくいので縦のみ示しますが、第1刷(13.0cm)第2刷(12.8cm)第4刷(12.6cm)と、頁付ともども縮小されており、第9刷・第10刷はさらに若干縮んでいます。
 裏は白紙。
 次いで1頁(頁付なし)が「Ⅰ」章の扉で、左上に大きくローマ数字と題、その左側下寄りに副題、右下もしくは下部に写真が挿入され下に明朝体横組みのキャプションと云うのは以下の各章も同じで、写真も同じ物が使われていますが、第1刷と第10刷を比較するに、右下に写真が位置するⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅷの各章のうち、Ⅱ・Ⅲ・Ⅷ章の写真は少しですが左に移動しております。Ⅱ章の扉は第10刷で、Ⅲ章とⅧ章の扉は第2刷と第4刷の間で僅かに左に動き、さらに第4刷と第9刷の間でさらに僅かに左に動いたようです。
 図版とキャプションについて、第1刷と第10刷を比べて見ましたが、第10刷の方が暗くなっているくらいで、違いはありません。(以下続稿)