・奥付(承前)と目録
下部、第1刷・第2刷・第4刷は同じ体裁です。すなわち、2本の太線(6.5cm強)の間(第1刷 4.6cm、第2刷 4.7cm、第4刷 4.8cm)、左上に発行日、その右、やや下にランプのマーク、その下に右寄せで著者、発行者、印刷者を並べ、下の太線から第1刷 0.7cm、第2刷・第4刷 0.8cm のところに細い横線(4.3cm)があって、太線との間に発行所。上の太線の上、左寄せで小さく標題、右寄せで「岩波新書(青版)653 」、下の太線の下「 落丁本・乱丁本はお取替いたします 精興社印刷・永井製本 」。
第9刷と第10刷は同じ体裁、すなわち、2本の太線(7.3cm)の間(第9刷 4.7cm、第10刷 4.8cm)、左上に発行日2行、ランプのマークのあった辺りに第9刷「¥ 320 」第10刷「定価 480 円」、 以下、右寄せで入っている著者・発行者・発行所等は一致。上の太線の上、左寄せで小さく標題、右寄せで「岩波新書(青版)653 」、下の太線の下、左寄せで「 落丁本・乱丁本はお取替いたします」と第9刷はあるのみでしたが、第10刷は4字分空けて「Printed in Japan 」その下、2字分左から「ISBN4-00-415068-X 」と添えています。
第1刷・第2刷・第4刷と第9刷・第10刷の異同を大まかに見て置きましょう。太線2本の間隔が広くなっている分、後者の方が文字が大きくなっております。著者名*1は同じ、発行者は前者は「岩 波 雄 一 郎」後者は「緑 川 享」、前者には前回触れたように、発行者名の上に(2字半分左から)住所が添えてありますが後者にはありません。前者には次に「印 刷 者 白 井 倉 之 助」とあって、その上、発行者名と同じ位置に「東 京 都 青 梅 市 根 ケ 布 385」とありますが後者には印刷者名と住所はなく、「発 行 所 〈株式/会社〉 岩 波 書 店」、「行」の右上から「〒101 東京都千代田区一ツ橋2-5-5」、「波」の左下から「電話 03-265-4111/振替 東京 6-26240」半行分空けて「印刷・精興社 製本・永井製本 」とやはり右寄せで入っています。前者には印刷者の下に細線があってその下、太線の幅ほぼ目一杯に「 発 行 所 〈東京都千代田区/神田一ツ橋2―3〉 〈株式/会社〉 岩 波 書 店 」とあって、下の太線。
奥付の裏、第1刷は上下に太い横線(5.7cm)、上の太線は中央を 2.0cm強切って「岩 波 書 店 刊」と入れる。上下の太線の間(10.7cm)にゆったりと大きく4点、上に大きく標題、脇に副題、中央やや上に著者・訳者、下にシリーズ名、最下部にゴシック体で定価。最初の3点はいづれも「 岩波新書 一五〇円」で、1点め「イ ン カ 帝 国/ ―砂漠と鉱山の文明― 」で「泉 靖 一 著」、2点め「モゴール族探検記」で「梅 棹 忠 夫 著」、3点め「失 わ れ た 大 陸/ ―アトランティスの謎― 」で「アンドレーエヴァ著/清 水 邦 生 訳」、4点め「社 会 人 類 学」で「リ ー ン ハ ー ト 著/〈増 田 義 郎/長 島 信 弘〉 著 B6判 四五〇円」。
第2刷と第4刷は上部中央に横組みで小さく「岩波新書より」とあり。下部中央に「―― D ――」の頁付。4段組の目録で1段め右端に「 歴史・地誌」とあって、以下明朝体で標題と著者を列挙。1段め、第2刷は15点20冊、第4刷は14点19冊。2段め、中途に4字下げで第2刷は「★」第4刷は「◆」で区切って、その前に第2刷は12点12冊、第4刷は13点13冊、すなわち★/◆までの点数冊数は同じ。★/◆の後、第2刷10点12冊、第4刷8点10冊、うち7点め「埋もれた金印 藤 間 生 大」が「化 石 井 尻 正 二」に差し替えられている。3段め、第2刷25点26冊。第4刷24点24冊、2点め「倭 の 五 王 藤 間 生 大」が新たな追加、15点め「「おかげまいり」/ と「ええじゃな/ いか」 藤 谷 俊 雄」は第2刷の12点め「幕末の長崎 森 永 種 夫」の差し替え。4段めには★/◆が2つ、1つめの★/◆まで第2刷は5点5冊、第4刷は10点11冊、10点めの「沖 縄 〈比 嘉・霧 多/新 里 〉」が新たな追加。2つめの★/◆までは第2刷は10点10冊、第4刷は9点9冊、ともに最後が本書「南太平洋の環礁に/て 畑 中 幸 子」、第2刷6点めの「パタゴニア探検記 高 木 正 孝」が第4刷に引き継がれていません。2つめの★/◆の後の1点1冊は同じ。
第9刷は「岩波新書新版の発足に際して」で末尾に「(一九七七年五月)」、第10刷は「岩波新書創刊五十年、新版の発足に際して」で末尾に「(一九八八年一月)」。(以下続稿)
*1:ルビ「はた なか さち こ 」。