瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

白馬岳の雪女(096)

・三浦秀夫『妖怪変化譚 日本の異界へ2003年 9月30日初版第1刷印刷・2003年10月10日初版第1刷発行・定価1500円・鳥影社・165頁・四六判並製本

 カバー表紙折返し、右下にゴシック体縦組みで小さく「装丁 有賀眞澄」とある。また4頁(頁付なし)にも下部中央に小さく「装画・装丁 有賀眞澄」とある。本文中の挿絵(8図)も有賀氏のものらしい。有賀眞澄(1950生)は本書刊行の前年に鳥影社から次の本を出していた。 見返し(遊紙)は白緑の、石目調のエンボスの用紙。扉は白い厚紙で、表は全面に有賀氏の幻想的な絵、文字は明朝体横組み白抜きで、標題は縦長の太字で大きく、その下にやはり縦長太字の副題を添える。下部にやや大きく著者名。裏は白紙。
 1頁(頁付なし)は上部中央に明朝体縦組みで「妖怪変化譚――日本の異界へ 目次」の扉、2頁(頁付なし)に13題。3頁(頁付なし)に11題とあとがき、解説。
 5頁(頁付なし)は中央上部に明朝体太字縦組みで「妖 怪 変 化 譚――日本の異界へ」、裏は白紙。
 7頁から本文。仮に番号を打って項目を見て置こう。
【1】訴える骸骨/――小野小町と長者の娘――(7~14頁) 11頁6行め~
 11頁6行め、2行分空けて3字下げで「」とあって、下寄せで「執筆・工藤 健一」とある。以下1行分ずつ空けてまづ2字下げで明朝体太字で歴史的人物(3人)や古典籍(2点)をルビ付きで挙げ、以下冒頭1字下げでかなり長い解説。工藤氏は解説も担当している。なお、以下の項にも、歴史的人物や古典籍等に「註」が付けてあるが工藤氏の名前はない。
【2】雪おんなの子別れ(15~19頁)
【3】鬼に戻った老婆/――オニの素顔――(21~29頁) 25頁3行め~
【4】ダイダラボッチの山運び(31~36頁)挿絵33頁  36頁
【5】人に懸想する木(37~44頁) 41頁5行め~
【6】狐族の言いぶん(45~50頁) 49頁~
【7】今も生きている?常陸海尊(51~58頁)挿絵53頁  56頁~
【8】河童のいたずら(59~63頁)
【9】飴を買う女幽霊(65~70頁)挿絵67頁
【10】怨みの蛇息子(71~76頁) 75頁2行め~
【11】婆に化けた飼猫(77~82頁)挿絵79頁
【12】座敷童子の引越し(83~86頁)
【13】ろくろっ首の住みか(87~91頁) 91頁
【14】深山の天狗たち(93~98頁)挿絵95頁
【15】嫉妬する絵馬のおんな(99~103頁)
【16】人の顔をもつ瘡(105~109頁)挿絵107頁
【17】古でらの大蜘蛛(111~115頁) 115頁
【18】石に化ける龍(117~122頁)挿絵119頁  122頁
【19】網地島の山猫(123~126頁)
【20】夜啼きする石(127~131頁)
【21】群蝶の怪と怨み螢(133~138頁)挿絵136頁
【22】僧形の魚(139~143頁)
【23】狸の呼びかけ(145~148頁)
【24】蜂の援軍(149~153頁) 153頁4行め~
 奥付の前の頁、165頁の裏に、中央にやや小さく「本稿は月刊「歴史と人物」昭和五十四年一月~五十五年十二月号に掲載されたものです。」とある。
 24章を収録していて、確かに月刊誌2年分である。
 155~157頁「あとがき」の、最後の成立刊行の事情を説明した箇所を抜いて置こう。157頁7~12行め

 この稿を書くことがなければ、私はおそらく一生、妖怪の世界に接することなく過ご/したことでしょう。その意味で、この奥深い世界を垣間見る機会を与えて下さった、当/時「歴史と人物」編集部におられた倉澤爾朗氏に深い感謝の念をささげます。
 また、このたび一冊にまとめるにあたってご尽力をいただいた鳥影社の窪田尚氏に謝/意を表するしだいです。
 
  二〇〇三年秋                        三浦 秀夫


 特に民俗学専門の書き手ではなかったようだ。
 158~165頁、工藤健一「解説 遥かなる妖怪たちへ」、末尾(165頁10行め)に下寄せで小さく「(青山学院大学兼任講師)」。
 奥付は横組みで上部に〈著者紹介〉がある。2行め、明朝体太字「三浦 秀夫(みうら ひでお)」として3~8行め、

一九三三年 秋田県生まれ。
早稲田大学文学部在学中の56年第6回「文藝」/全国学生小説コンクール入選。
64年第1回「時」新人賞。フリーライターを/へて65年出版社員となり94年定年退職。歴 /史関係の著作多。

とある。しかし著書は本書のみのようだ。なお「時」新人賞の方はよく分からなかったが「文藝」の方は、川口則弘サイト「文学賞の世界」にて「「文藝」全国学生小説コンクール受賞作・候補作一覧」の第6回を見るに、入選1点、佳作2点のうち佳作の1点めに「三浦秀夫|「変質の時」|〔23歳・早稲田大学文学部〕」が見える。昭和31年(1956)8月15日締切で9月22日決定、入選作のみ「文藝」昭和31年11月号に掲載。
 裏は横組みの「鳥影社の本」の目録で5点。(以下続稿)