瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(1)

旺文社文庫『やぶれかぶれ青春記――他五編――』昭和52年7月1日 発 行・226頁・文庫判上製本

 私の見た本は〔特製版〕すなわち上製本でカバーは掛かっていない。なお、同じ村上豊で別の装画の、青地のカバーも存する。
 旺文社文庫の特製版については、2012年4月23日付「中島敦の文庫本(17)」に述べた。
 さて、奥付右下部に「© 旺文社 1975」とあるように、この〔特製版〕は初版ではない。初版の刊年月日についてはオークションサイトの画像*1で確認出来た。
・昭和50年2月10日初版発行/昭 和 50 年 第 2 刷 発 行
 他に異同は、標題の左、上下左右に余裕を持って「旺文社文庫」とあるのが上に寄っていたこと、標題の右、上下左右に余裕を持って「特製版」とあるところが「定価はカバーに表/示してあります 」とやはり上に詰めて入っていること、「発行者」の鳥居正博が根本峰好だったこと、右側に縦組みでごく小さく「(中村印刷・荒木製本)」とあるが、「(中村印刷・穴口製本)」とあったこと、6桁の数字「703241」が「002030」であったこと。――詳細は並製本の実物を手にする機会に記すこととしたい*2。差当り変わりないようなので内容は特製版にて確認して行くこととする。
 標題は奥付に拠る。
 表紙の文字は全て横組み、枠の上部に明朝体太字で大きく標題、1行弱空けて明朝体で「(他)わが青春の野蛮人たち・わが/  青春・わが読書歴・気ちがい/  旅行・美しいもの」1行弱空けて明朝体でやや大きく「小松左京著」。背表紙は丸背、縦組みで上部に横長の明朝体太字で大きく標題、1字分空けて明朝体「他五編」2字分あけて「小 松 左 京 著」。
 1頁(頁付なし)扉も横組みで標題と著者名の間に「(他)わが青春の野蛮人たち・わが青春・/ わが読書歴・気ちがい旅行・美しいもの」とある。
 3頁「目  次」、2~7行めに収録の6篇、1行分空けて1字下げで8~11行めにやや小さく解説等、更に1行分空けて下寄りに小さく「挿絵  村上 豊*3」。
 5頁(頁付なし)「や ぶ れ か ぶ れ 青 春 記」の扉。6頁(頁付なし)中央やや上に明朝体縦組みで小さく、

この小説は、昭和四十四年四月号より十一月号まで、八回に/わたり、「螢雪時代」に連載されたものである。(編集部)

とある。「他五編」の扉裏は白紙で初出の情報は何処にも示されていない。
 7頁、まづ3行取り4字下げでやや大きく「ま え が き」。以下の細目は諸本とともに確認することとしよう。1頁18行、1行44字。
 161頁(頁付なし)「わが青春の野蛮人たち」の扉、162頁はまづ4行分空白(以下同じ)、本文は169頁10行め。
 171頁(頁付なし)「わ が 青 春」の扉、本文は173~176頁6行め。
 177頁(頁付なし)「わが読書歴」の扉、本文は179~182頁9行め、2行分空けて182頁10行め、4字下げで小さく注「(1)」。
 183頁(頁付なし)「気ちがい旅行」の扉、本文は185~190頁6行め。
 191頁(頁付なし)「美しいもの」の扉、本文は193~196頁10行め、2行分空けて196頁11行め、4字下げで小さく注「(1)」。
 注は頁ごとに番号を振って、左側に本文から2行分空けて4字下げで小さく入っている。
 197~212頁、國 弘 正 雄*4「解   説/――若い読者諸君に」。
 213~216頁、高 島 忠 夫*5「神戸一中時代の小松左京と私」。
 217~223頁、田 辺 聖 子*6小松左京サンについて」。
 224~226頁「関 連 年 譜」は横線で上下に分けて、上段が小松氏の個人的な年譜で空白が多く、下段には歴史的な出来事がほぼ隙間なく詰め込まれている。「一九四一(昭和一六) 小松左京、一〇歳。国民学校五/    年生。」から「一九四九(昭和二四) 小松左京、一八歳。新制大学一/    年生。」まで。
 奥付の裏から4頁、3段組の「旺文社文庫目録」、3頁めまでは「日本文学」、4頁め「伝記・教養・他」。最後の頁は1頁7点の「旺文社文庫新刊・近刊」で本書は入っていない。(以下続稿)

*1:早晩リンク切れになると思われるのでリンクは貼付しない

*2:別のオークションに「昭 和 52 年 第 9 刷 発 行」で発行者が鳥居正博になっているものが出品されている。

*3:ルビ「むらかみ ゆたか」。

*4:ルビ「くに ひろ まさ お」目次にも。

*5:ルビ「たか しま ただ  お 」目次にも。

*6:ルビ「 た  なべ せい  こ 」目次にも。